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速攻レースインプレッション

6連勝で重賞タイトルまで獲得、さて次走は!?

文/浅田知広、写真/森鷹史


13年から現在の時期になり、フェブラリーSへ向けたステップレースになった東海S。距離もコース形態も違うため「直結」するような位置にはないものの、13年のグレープブランデー、そして15年のコパノリッキーが、このレースと本番を連勝している。

そのグレープブランデーはジャパンダートダービーの優勝馬、そしてコパノリッキーはG1・3勝馬だったが、今年、圧倒的な支持を集めたのは重賞初挑戦のインティだった。休養を挟みながらも、デビュー2戦目から5連勝。それが単なる5連勝ではなく、最大着差は前々走での10馬身、そして最小着差でも4馬身と、とにかく条件戦を圧勝、完勝しまくってきた。「初重賞」もほとんど疑問視されず、フタを開けてみれば単勝1.5倍の断然人気。これほどの勝ちっぷりを何度も見せられれば、その支持も頷けるものだ。

続く2番人気はチュウワウィザード。こちらは最多連勝こそ「2」だが、これまで[5.1.2.0]とまったく崩れていない4歳馬だ。そして3番人気はアンジュデジール。前走のチャンピオンズCは④着で、例年ならこの馬あたりが1番人気でもおかしくはない。ただ、今年はイキの良い2頭がいる上に、この馬自身「牝馬」という点がやや嫌われたところもあるだろうか。

どうしても逃げたい、というタイプは不在の中、ハナを切ったのは、まだ「やんちゃ」なインティだった。じわっと出していったものの、隣にスマハマが並ぶとすぐ(馬が)行く気満々に。1ハロン目こそ13秒0だったが、2ハロン目は11秒2。この先どんなペースを刻むのか、まず勝負を大きく左右する最初の関門だった。

しかし今日のインティは、隣に馬さえいなくなれば落ち着いたもの。1コーナーは掛かり気味に通過したが、1馬身少々抜け出してからはガツンと掛かるところもなく、ちょっと行きっぷりがいいかなあ、という程度。武豊騎手の手腕を持ってすれば、その行く気をそらすのも難しくはなかったようで、3ハロン目に12秒7まで落とすと、その後は終始12秒3~12秒4で推移した。

これで「打倒インティ」の皮算用その1がハズレた形になったのが後続の各馬たち。もう自滅待ちは通用しない。しかし、そこで作戦第2弾を……と繰り出すにはちょっと速すぎる1ハロン12秒3~12秒4チュウワウィザードは4~5番手、アンジュデジールはその後ろに続いたものの、道中でどうこうできるような流れでもなかった。

決してオーバーペースではなく、かといって後続につけ込む余地もなし。インティはそんなペースを維持して4コーナーへ。ここまで来てしまうと、自分の形なら強いのは明らかなインティだけに、よほどの馬でないかぎり、まともな勝負は期待できなくなる。

その「よほどの馬」候補の1頭、休養明けの分、4番人気にとどまったスマハマは、直線に向いたところで突き放され気味。そして、3番人気のアンジュデジールは、さらに後ろで置かれる一方になってしまった。チャンスが残されたのは、2番人気のチュウワウィザード1頭だけだ。

そして、この馬が見せた力は「さすが」のものだった。残り200mでスマハマを交わすと、あっという間にこれを突き放し、その差は3馬身、4馬身と開いていった。しかし。これを「今日は相手が悪かった」と言わずしてなんと言うのか。これだけの脚を見せながら、その前にいたインティとの差はまったく詰まらなかったのだ。

しかも、インティ武豊騎手は、チュウワウィザードの脚色を見ながら、強く追ったり、ちょっと緩めてみたりと、完全に余裕残し。ゴールでは結局、これまでの最小着差を更新する「2馬身差」にはなったものの、多くのファンはそんな着差とは関係なく、「今日も完勝だった」という印象を抱いたに違いない。

これでデビュー2戦目から6連勝で、重賞タイトルまで手にしたインティ。次はいよいよG1・フェブラリーSになるだろうか。この馬自身のタイプからすれば、初の1600m戦がマイナスになることはなさそうだ。

ただ、今度は1400m・根岸Sからの転戦馬など、もっとスピードの勝った馬との対戦になるだろう。今回のような自分の形ではなく、他馬にペースを乱されながらの1600m戦になったとしたら。さすがに今度は苦戦、というシーンも思い浮かぶ。

しかし、インティ自身は短距離型のケイムホーム産駒。この1600m戦こそが自分の舞台だとばかりに、そのスピード全開で、さらに強い競馬を見せてくれる可能性も当然あるだろう。そうなれば、もう「歴史に名を残すダート王」の1頭として名を連ねることは間違いない。さて、どんな結果が待っているのか。他馬の動向も含めあれこれ考えながら、ひと月後の大舞台を楽しみに待ちたい。


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