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速攻レースインプレッション

フェブラリーSへの直結度は今年は微妙!?

文/出川塁、写真/武田明彦


1回東京の開幕を告げる根岸Sは、ここにきてフェブラリーSの前哨戦としての重要性を急速に増してきた。16年のモーニン、18年のノンコノユメは根岸SフェブラリーSを連勝。あいだの17年も、根岸S①②着のカフジテイクとベストウォーリアが本番でもそれぞれ③②着に好走した。

この3年間に同時進行したのが、もうひとつの前哨戦である東海Sの地盤沈下だ。このG2戦が1月開催となったのは13年のこと。その年の勝ち馬グレープブランデーはフェブラリーSも制し、15年も東海S①③着のコパノリッキーとインカンテーションが本番でもワンツーを決め、この時点ではフェブラリーS最重要プレップレースの位置を占めたかにも思われた。

ところが、以降の3年は16年にアスカノロマンが③着に入っただけと、急に苦戦を強いられるようになった。昨年も東海S①着のテイエムジンソクが本番でも2番人気に支持されたが、着に大敗している。

根岸S組東海S組の成績を「13~15年」「16~18年」に分けて対比すると、両レースの盛衰がわかりやすく見てとれる。根岸S組[0.0.0.20]から[2.1.1.11]へと躍進。一方、東海S組[2.1.0.4]から[0.0.1.6]と失速してしまった。

問題は、なぜこのようになってしまったのかという原因だ。それを探ってみたところ、ひとつはペースに求められるのではないかと思い当たった。以下、両レースの前半800mの通過タイムを13年から18年まで順に並べてみよう。

根岸S東海S
13年48.048.2
14年47.348.3
15年47.648.9
16年46.450.6
17年46.951.2
18年45.749.5

実にわかりやすい傾向が出ている。最初の13年は両レースともほぼ変わらないペースだったのだが、それ以降、根岸Sはハイペース化、東海Sはスローペース化と、正反対の傾向に進んでいる。特に16~18年は3秒以上の差がついており、これがフェブラリーSへの直結度が逆転した大きな要因となっているのだろう。

そして、13~18年のフェブラリーSの前半800m通過は次のようになっている。

フェブラリーS
13年46.5
14年48.0
15年46.9
16年46.1
17年46.2
18年45.8

中央にはマイルより短いダートG1がないこともあって、フェブラリーSには本来はスプリント戦を得意とする快速馬も出てくる。そのため、基本的には前半800m通過が46秒台の速い流れになり、ハイペース耐性は必須。そして、現在の根岸S東海Sのどちらが予行練習に適しているかといえば、先の数字を見れば一目瞭然だ。

いささか長くなってしまったが、今年の根岸Sを見るにあたって念頭にあったのはそんなことだった。では、実際にはどうなったのか。スタートして飛び出したのはマテラスカイ。ダート1400mの日本レコードホルダーらしく、大外枠からダッシュを利かせて悠々と先頭に立って快調な逃げ脚を見せる。

ただし、画面に映った600m通過のタイムは34秒9(実際には35秒0)とそこまで速くはなかった。マテラスカイほどの快速馬なら簡単にハナを奪えるし、他馬の騎手も競りかけるのを躊躇する。このレースでも目立った先行争いはなく、かえってペースが落ち着くことになった。これは1番人気のサンライズノヴァにとって少々誤算だったか。例によっての後方待機策をとるが、追い込み届かず⑧着に終わった。

この馬を除く人気どころは中団より前に位置しており、2番人気のコパノキッキングは4角5番手、3番人気のユラノトは同4番手から直線の攻防へ。残り250mあたりで逃げたマテラスカイの脚が尽き、内からユラノト、外からコパノキッキングが一気にかわしていく。最後はこの日絶好調オイシン・マーフィー騎手を背にしたコパノキッキングユラノトを4分の3馬身抑えて、カペラSに続く重賞連覇を達成。続く③着には5番人気のクインズサターンが入った。

そして、レースの確定後しばらくして正式なラップタイムが発表される。が注目していた前半800mの通過タイムは47秒1。根岸S組フェブラリーSで振るわなかった13~15年よりは速いが、好成績を収めるようになった16~18年よりは遅いという、なんとも微妙なタイムである。

ちなみに、インティが勝った前週の東海Sは49秒2。本番に直結していた13~15年よりは遅く、直結しなくなった16~18年よりは速いという、これまた微妙なところに収まっている。この結果を受けてフェブラリーSでは、根岸S組でも東海S組でもなく、チャンピオンズCからの直行組や東京大賞典組を狙おうかなと、個人的には思いはじめたところである。


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