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速攻レースインプレッション

距離のことなど考えずにともかく買うのが正解だったかも

文/出川塁、写真/川井博


出世レースとして知られるこうやまき賞から、またしても重賞勝ち馬が誕生した。

12月中京の2歳マイル戦は13年から行なわれるようになり、同年の①着馬がヌーヴォレコルト(14年オークス)。以降も、14年②着ダッシングブレイズ(17年エプソムC)、15年③着ダンツプリウス(16年ニュージーランドT)、同④着リッジマン(18年ステイヤーズS)、16年①着ペルシアンナイト(17年マイルCSなど)、⑤着アンジュデジール(18年JBCクラシックなど)、17年②着グローリーヴェイズ(19年日経新春杯)と続き、18年①着のダノンチェイサーきさらぎ賞を制したことで、6年連続で出走馬から重賞勝ち馬が出たことになる。

このダノンチェイサーは17年のセレクトセール2億7000万円で取引されたディープインパクト産駒で、母のサミター愛1000ギニーなどG1を2勝している。母の父はディープと相性のいいデインヒル系Rock of Gibraltarで、同じ組み合わせからは快速で鳴らしたミッキーアイルが出ている。

実績ある配合かつディープ産駒としては十分の馬格も備えており、高額で取引されるのも当然といったところ。2018-2019年のPOGでも前評判が高く、手前味噌ながらも某POG本で筆頭に推奨した馬だった。

それだけにデビュー戦で着に敗れたときは首をかしげたものだ。2歳7月の中京2000mで重馬場というタフな条件ではあったが、思ったより距離がもたないのではないかという不安がもたげてきた。同配合のミッキーアイルと同じく行きたがるところがあるようだし、脚の回転が速いピッチ走法でもある。ストライドが伸びて距離をこなせるディープ産駒とはすこしタイプが違うようだった。

事実、その後は1800mを2回走り、さらに1600mと徐々に距離を短くしていった。2勝目を挙げたこうやまき賞はアタマ差ながらも内容がよく、やっぱりマイルまでが適距離なのかなという気もしていた。もちろん、マイラーで悪いわけはないのだが、POGで推奨したからには2000mぐらいは欲しいというのが正直なところではある。

などといったことはの勝手な思惑にすぎない。とはいえ、ダノンチェイサーにとっても1800mのきさらぎ賞は試金石となる一戦。好走できればクラシック路線への参入が視野に入り、距離を苦にするようならNHKマイルCを春の目標に定めることになるだろう。

レースはアガラスの出遅れで始まった。人気の一角に推された注目馬だったが、頭を上げながら後方を追走。初めての関西遠征でプラス12キロ、戸崎圭太騎手もテン乗りということで息が合っていなかったのだろうか。見せ場なく着に敗退することになる。

先団に視線を移すと、ランスオブプラーナがマイペースの逃げを打ち、ダノンチェイサーは2番手につけた。今回も多少の力みが感じられる走りではあるが、川田将雅騎手が上手くなだめて折り合ってはいる。もっとも、その斜め後方にいるのが1番人気のヴァンドギャルドで、前すぎず後ろすぎずの絶好の位置につけたかにも思われた。

ところが、4コーナーではダノンチェイサーよりも先に手が動き出し、直線に入っても伸び脚はいまひとつ。結局、前の2頭をつかまえられず、後ろからはタガノディアマンテにかわされて、馬券圏内に届かない着に終わった。過去2走で関東遠征を繰り返した疲れがあったのか。それとも雨で湿った馬場が合わなかったのだろうか。いずれにしても、賞金を上積みできない痛い結果となった。

大詰めを迎えたレースでは、直線半ばまでよく粘ったランスオブプラーナに残り100m地点でダノンチェイサーが鋭く襲いかかり、ゴール前では手綱を緩める余裕を見せて①着。外からタガノディアマンテが②着に上がり、逃げたランスオブプラーナが③着に滑り込んだ。

なお、きさらぎ賞に出走した池江泰寿厩舎ディープインパクト産駒はこれで[4.1.0.1]ノーザンファームの生産馬に限れば[4.1.0.0]とほぼパーフェクトだから、距離のことなど考えずにともかく買うのが正解だったのかもしれない。

池江厩舎といえば、きさらぎ賞を勝ったらトライアルを使わずに皐月賞へ直行するのがひとつのパターンでもある。16年のサトノダイヤモンドでも皐月賞で③着に終わり、これまでは期待ほどの結果は残していない。しかし、昨年ノーザンファームの生産馬がG1ローテーションのセオリーをことごとく破壊したばかり。もしダノンチェイサー皐月賞へ直行するようなら、その流れが続くのかという意味でも注目しなければならないだろう。


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