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速攻レースインプレッション

2歳王者を撃破、瞬発力勝負「でも」強さを見せた

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


関東地方で雪が降るようになると、少し春が近づいてきたかな、という中で行われる今年の共同通信杯。しかし、どうも最近は競馬界の気候変動(?)が激しいようで、共同通信杯になると、春が近づくどころかもう目前。今年は、昨年の2歳王者アドマイヤマーズがここで始動することになった。そしてもう1頭のクラシック有力候補サートゥルナーリアに至っては、ホープフルSからぶっつけで皐月賞に進むことも発表されている。

少し前なら、牡馬は弥生賞、牝馬ならチューリップ賞を使えば、本番へ向け「ゆったりとしたローテーション」。馬によっては、さらにスプリングS4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)を挟むことすらあった。ところが今は、この共同通信杯や、雪の影響で月曜に順延されたクイーンCからの直行が、もはや当たり前だ。

単勝1.7倍の断然人気に推されたアドマイヤマーズに挑む各馬も、ここで賞金を上積みして、余計なレースを使わずに済ませたいという思惑は同じだろう。2番人気に推されたフォッサマグナは、ちょっと短い芝1400m戦だったとはいえ、新馬戦を後方から楽々と差し切って1戦1勝。そして3番人気のダノンキングリーは、新馬、特別2連勝。特に前走・ひいらぎ賞は圧巻だった。そして京都2歳S(G3)の勝ち馬クラージュゲリエはなんと4番人気どまり。実績では見劣る2、3番人気の2頭が、いかに高い評価を受けているかという裏返しでもある。残念ながらシュヴァルツリーゼ(1戦1勝)は回避してしまったが、7頭の少頭数でも非常に楽しみな一戦となった。

各馬ほぼ揃ったスタートから、アドマイヤマーズがハナを切ったのは大方の予想通り。しかし2番手にはフォッサマグナ。デビュー戦は多頭数の外枠に加え、ゲートも悪く後方の追走になったが、今回は少し体重が後ろに乗ったか、という程度ですぐに2番手へ。これを見て内にダノンキングリー、続いてクラージュゲリエと、序盤は人気順通りに先頭から4番手を占める展開になった。

前半の600m通過は37秒1のスローペース。このまま上がり勝負になれば明らかに辛いのは、札幌でコスモス賞勝ち、札幌2歳S②着のあるナイママで、向正面半ばあたりから押っつけて進出開始。3コーナーでは3番手、4コーナー手前では外の2番手まで上がっていった。

しかし、他馬は自分の位置を確保したまま。ナイママの動きも、先頭を走るアドマイヤマーズに大きな影響を与えることもなく4コーナーを通過。ここからゴールまでの600mが11秒2-11秒0-11秒1の33秒3という、完全な上がり勝負へと持ち込まれた。

直線に向き、アドマイヤマーズM.デムーロ騎手の手が軽く動くと、直後まで迫っていたフォッサマグナとの差がすっと開いて1馬身のリードをとった。しかし、これより一歩早く追い出されていたダノンキングリーが、先に勢いに乗ってアドマイヤマーズの内から接近。残り250mで2頭の馬体が合うと、3番手以下はじわじわと離れて2頭の一騎打ちとなった。

これがもう少しスタミナを問われるような競馬なら、後から追い出されたほうが再び突き放す、というシーンも見られるもの。しかし、今回は先に追い出されたもの勝ち。そしてディープインパクト産駒ダノンキングリーと、ダイワメジャー産駒アドマイヤマーズで、瞬発力に優るもの勝ち、と言ってもいいだろうか。

2頭の馬体が合ったのはほんの50mほどで、残り200mを切るとダノンキングリーが単独先頭へ。アドマイヤマーズもさすがのもので、ここでついた1馬身の差をさらに大きく開かせることはなかったものの、ラスト1ハロン11秒1を差し返すのはさすがに容易ではない。上がり3ハロン32秒9の末脚を繰り出したダノンキングリーが、最終的には2歳王者に1馬身4分の1の差をつけ、無傷の3連勝で重賞勝ちを収めたのだった。

先にも触れたようにダノンキングリーディープインパクト産駒で、この競馬だけを見れば、上がり勝負で強いのは納得のいくところだ。ただ、過去2戦はスローの新馬戦がアタマ差、ハイペースで流れたひいらぎ賞は3馬身半差の圧勝という成績。この結果を受ければ、瞬発力勝負「でも」強さを見せた、と言えよう。今回から1ハロンの延長がどう出るかは未知数ながら、ひいらぎ賞の走りを見れば、皐月賞の中山替わりに不安なし。一転ハイペースになったとしても、その経験が活きそうだ。

一方、敗れたアドマイヤマーズも、③着クラージュゲリエには4馬身差。そう悲観するような内容ではなかったのは明らかだ。皐月賞がここまでの瞬発力勝負になるとは考えづらい上、今回はダノンキングリーより1キロ重い57キロ。同斤量になれば展開ひとつで逆転の目は十分にあるだろう。サートゥルナーリア相手にこの2頭がどんな走りを見せるのか、皐月賞がいっそう楽しみになってきた……のだが。その皐月賞まで、まだ2ヵ月もある共同通信杯。これから他の有力候補の誕生にも期待したいところだ。


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