独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

今後は“根幹距離”でいかに戦うかがポイントに

文/編集部(T)、写真/川井博


今年の阪急杯18頭立てとなったが、G1勝ち実績があるのが7歳牝馬レッツゴードンキの1頭だけで、それも3歳時の桜花賞だから、もう4年近く前のこと。重賞勝ちも2017年2月の京都牝馬Sから丸2年遠ざかっている。G1馬5頭を集めた中山記念に対し、こちらはメンバー的には小粒の印象が否めない。

ただ、"小粒"とはいっても重賞勝ちの実績がある馬は7頭いて、小粒なりに粒は揃っている。単勝1番人気のミスターメロディのオッズが4.0倍ということから分かるように、文字通り混戦という形になった。

阪急杯高松宮記念のトライアル的位置づけになっているが、その後の安田記念にも繋がるケースがあって、実際、昨年はここで②着に入ったモズアスコットが安田記念を制している。難しいのは、このレース自体は1200mでも1600mでもなく、1400mといういわゆる非根幹距離で行われるということ。高松宮記念だと短く、安田記念だと長い、そういう馬が勝ち切ることがあるから難しい……。

そういった目で今回のメンバーを見渡してみると、非根幹距離で重賞を勝っているのは1400mで重賞勝ちがあるレッツゴードンキロードクエストダイアナヘイローミスターメロディ、そして1800mで2勝、2200mで1勝しているスマートオーディンだった。

レースは昨年同様にダイアナヘイローがハナに立ち、前半600mを34秒4のペースに落とす。これは昨年(34秒2)より0秒2遅く、見た目にも絶妙のペースかに思えた。ところが昨年に比べて斤量が1kg重い影響か、ダイアナヘイローは直線半ばで失速気味に。レッツゴードンキが交わし、これは2年ぶりの重賞勝ちか、と思ったところで大外から飛んできたのがスマートオーディン。道中は追走に苦労する感じで後方からの競馬になったが、直線は大外から内の各馬を並ぶ間もなく一気に交わし、2年9ヵ月ぶりとなる重賞4勝目を飾った。

スマートオーディンはG1勝ちこそないものの、重賞3勝は今回のメンバー中でも実績的には上位。ダービー後に屈腱炎を患って2年の休養を挟み、⑫⑮⑨⑩着と結果が出なかったが、前走の京都金杯はシンガリ追走からメンバー最速の上がり34秒3を記録して、内容は悪くなかった。かつては折り合い面で苦労してきた馬が、距離短縮"非根幹"の芝1400mで復活を遂げる結果となった。

②着はレッツゴードンキ、③着はロジクライ、④着はロードクエストで、結果的には上位7頭中、6頭が重賞勝ち実績があった馬ということに。②着のレッツゴードンキも、差し馬台頭の流れの中で先行して粘り込んでおり、負けて強しという内容。今年の阪急杯は、結果的には実績馬が順当に力を発揮したという評価でいいのではないか。

ここまでのスマートオーディンは[5.1.0.6]という成績だが、根幹距離で[0.0.0.4]なのに対し、非根幹距離は[5.1.0.2]で、このうち休み明けの時を除くと①②①①①①着(今回は中6週だった)となっている。

これだけ見ると買い時がはっきりしている馬のようにも思えるが、それだけに今後は根幹距離のG1でどうか、ということになるだろう。1200mでは追走がさらに苦しくなりそうだし、1600mではまだ結果が出ていない。今後の路線はまだ不透明だが、どこに向かうにしても根幹距離は避けて通れないはずで、そこでどこまで戦えるかではないか。

思い返してみると、スマートオーディン父ダノンシャンティの現役時代、NHKマイルC出走時は芝1800mで①②①着、芝2000mで③着という成績だったが、初となるマイル戦でレコード勝ちを収めた。強い馬なら関係ない、となるのか、やはり非根幹距離のスペシャリストだった、という結果になるのか。今後の路線選択を含め、我々も馬券の取捨にしばらく悩むことになりそうだ。

ちなみに、阪急杯が阪神芝1400mでの施行となった06年以降、15頭立て以上だったのは13回。その13回すべてで、阪急杯の③着以内馬から同年のG1で③着以内に入る馬が出ている。このことは覚えておく価値があるかも?


TOPページに戻る