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速攻レースインプレッション

馬場を味方につけて快勝、本番も馬場次第!?

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


モズスーパーフレアの快速っぷりに驚かされたオーシャンSから、一夜明けての弥生賞。10頭の少頭数、そのままの馬場なら極限の瞬発力勝負に……という様相だったが、春の雨で今年は重馬場での一戦となった。

さて、この馬場を味方につけられるのはどの陣営か。パッと見では、1番人気に推されたニシノデイジーハービンジャー産駒で良さそうだ。しかし、パワーを要する馬場はさておき、「芝の道悪」では別に好走確率が上がったりはしない、というのがハービンジャー産駒の成績。重賞2勝、ホープフルS③着の実績から1番人気は妥当としても、道悪がプラスに働くと考えるのは早計だった。

続く2番人気はラストドラフトで、新馬、京成杯と2戦2勝。ルメール騎手の負傷で、田辺騎手に乗り替わりとなったことは多少、人気に影響しただろうか。こちらの父はノヴェリスト。時計を要して悪くはなさそうだが、なにせ「一線級」まで出世したのは2世代目のこの馬が最初。これもなんとも……というところだ。

そして3番人気カントルワグネリアンの全弟で、ディープインパクト産駒。前走・セントポーリア賞を上がり33秒3で制していただけに、他馬に対する優位性が薄れてしまった感は否めない。

といった面々の1~3番人気。ニシノデイジーラストドラフトは悪くないかもしれないが、道悪だからと喜んで買えるかどうかは未知数。10頭立てとはいえ、なにやら怪しげだなあ、という印象だった。

また展開も読みづらく、過去3走以内に逃げた馬が不在というメンバー構成。そんな中からハナを切ったのは、2番人気のラストドラフトだった。前走・京成杯が2番手追走、そして今回最内枠となれば、ほかに一発勝負をかけにいく馬がいなければ、これが自然な形だろう。

しかし、そのラストドラフトはいいとして。折り合いに課題のあったニシノデイジーは、好位のインでスタンド前からもう掛かり気味。2コーナーにかかると、3番手のカントルM.デムーロ騎手のヒザが伸び、なだめるのに手こずっている様子だった。一方、4番人気のブレイキングドーンは、後方で落ち着いて……いるように見えたが、向正面に入ると押っつけ気味。馬場のせいかなんなのか、なかなかスピードを乗せて行けていないような印象だった。

こんな様子では、先頭のラストドラフトが一番いい形で運んでいるかな、と思えたのも3コーナーまで。4コーナーでやや外に持ち出したはいいが、手応えをみれば早くも「いっぱい」。空けた内をカントルニシノデイジーにすくわれると、そこから盛り返す脚は残っていなかった。

その結果、直線坂下では最内のカントル、その外にニシノデイジーという先頭、2番手。見た目上、ラストドラフトこそ脱落しても、3、1番人気の2頭がそのまま抜け出していくような展開だ。しかし2頭は道中掛かり気味、そして未知数の重馬場。坂にかかるとこの2頭の伸びも今ひとつで、ラスト1ハロンは12秒6を要した。

そんなもたつく人気馬を内に見て、外から抜け出してきたのは、8番人気のメイショウテンゲンだった。3コーナーでは7頭ほどがまとまった先行集団の最後方だったが、ここから外をまくり気味に進出して4コーナーでは5番手。決して「ひとまくり」というような脚ではなかったものの、そこから直線もバテずに最後まで伸び切ると、最後は②着に1馬身半のつけての快勝となった。

その「②着」は、スタートで挟まれて後方からになり、4コーナーでは大外にふくれる場面もあった6番人気のシュヴァルツリーゼ。そして③着には、後方で今ひとつ行きっぷりが悪かった4番人気のブレイキングドーンと入り、坂下で抜け出しかけたニシノデイジーカントルはその後ろ。さらに離れて、逃げたラストドラフトは⑦着と、人気馬総崩れの大波乱。この馬場で怪しげな雰囲気はあったとはいえ、ここまでの荒れっぷりはなかなか予想できはしない、という3連単45万馬券となった。

優勝したメイショウテンゲンは、2010年の日経新春杯京都大賞典で牡馬を下し、エリザベス女王杯でも②着になったメイショウベルーガの産駒。父はディープインパクトだが、母の父フレンチデピュティ、母の母の父Sadler's Wellsと、今回のメンバーでは馬場を味方につけられた側と言えそうで、鞍上の池添騎手もそういったコメントだ。自身の上がり3ハロンは36秒7。本番・皐月賞へ向けては、まず軽い馬場への対応がカギになる。

ただ、その皐月賞は中山開催最終週。それまでに今日のような道悪が何度かあれば、良好な状態で迎えるのは難しくなる上、もちろん当日が道悪になる可能性もある。なにせ今年は本来の「ステップレース」に出走しない有力馬も多そうなだけに、終わってみれば「やっぱりステップレース組だった」というメイショウテンゲン、馬場状態次第では十分にあり得る結果だ。


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