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速攻レースインプレッション

前哨戦は3年連続で好発進、さて本番は!?

文/編集部(W)、写真/川井博


過去10年、チューリップ賞からの直行馬は桜花賞[7.5.7.26]10年中7年で勝ち馬が出ていて、③着以内馬の30頭中19頭を占めている。桜花賞トライアルは来週のフィリーズレビューアネモネSも控えているが、最重要トライアルであることは疑いようもない。G2に昇格したのが昨年というのが遅すぎたくらいだろう。

その昨年は阪神JF①②③着のラッキーライラックリリーノーブルマウレアが出揃い、順に1番人気(1.8倍)、2番人気(2.9倍)、3番人気(7.7倍)で、実質、ラッキーライラックリリーノーブル一騎打ちムードの中、ラッキーライラックが②着マウレアに2馬身差を付けて土付かずの4連勝を飾った(リリーノーブルは③着)。

一昨年はというと、阪神JF①②着のソウルスターリングリスグラシューが1番人気(1.5倍)、2番人気(2.7倍)でこれまた一騎打ちムードの中、ソウルスターリングが②着ミスパンテールに2馬身差を付けて無傷の4連勝を達成した(リスグラシューは③着)。

「2歳女王強し」という流れを受けての今年は、阪神JF①④⑥着のダノンファンタジーが1番人気(1.3倍)、シェーングランツが2番人気(4.5倍)、メイショウショウブが3番人気(10.6倍)。ただ、阪神JF②③着のクロノジェネシスビーチサンバが不在ということで、シェーングランツはやや押し出された感もある相手筆頭で、過去2年よりは一騎打ちムードというよりも1強ムードの色合いが濃かったか。

満票(276票)を獲得して昨年の年度代表馬&最優秀3歳牝馬の二部門受賞のアーモンドアイに及ばずとも、275票を獲得して最優秀2歳牝馬に輝いたダノンファンタジー絶対的な存在として支持を集めるのも理解できるが、とはいえ、桜花賞出走は賞金面でクリアしているダノンファンタジーにとって、ここはあくまで前哨戦である。

調教で力む面も見せていたことから、レースに行って折り合いがつくのか。また、阪神芝外1600mの過去12年、1~2枠は[0.2.3.30]と未勝利であり、マークされる立場でもあって最内枠がアダとなりやしないか。不安要素はなきにしもあらずで、とりこぼすケースも考えられただけに、1.3倍の支持に応えられるか、2019年、2歳女王の始動戦に注目が集まった。

レースは、その2歳女王が好スタートを決めてハナを切りそうな勢い。ただ、川田騎手には行く気がなく、手綱を引っ張ると行きたがる素振りを見せたものの、外のオーパキャマラードを行かせて好位の内で折り合いに専念する。最大のライバルと目されたシェーングランツは後方待機。1000m通過は59秒9のスローペースで、直線での決め脚比べが予想された。

直線に入ると、逃げるオーパキャマラード、2番手のアフランシール、出遅れながらも中団追走から早め進出のメイショウショウブが横並び。ダノンファンタジーはその直後。前が壁になって追い出しを待たされる格好に。一瞬の「2歳女王危うし」の場面だったが、この日すでに4勝と絶好調だった鞍上の川田騎手は落ち着いていた。

慌てることなく外からひと足先に抜け出したドナウデルタの外に誘導すると、右ムチを入れてゴーサインを出す。ダノンファンタジーはその合図にしっかりと反応してエンジン点火。ドナウデルタをあっさりと抜き去り、後方から猛追してきたシゲルピンクダイヤノーブルスコアも寄せ付けず4連勝達成。②着シゲルピンクダイヤとの着差は過去2年より小さい1馬身差ながら、追い出しを待たされた分もある。

川田騎手がレース後の勝利騎手インタビューで「よく我慢してくれました」と話した通り、課題の折り合いをクリアし、追い込みを決めた阪神JFから一転して先行押し切りの横綱相撲。自在性も見せつつ包囲網を突破して断然の支持に応えてみせた。川田騎手「すごく収穫のあるレースでした」と振り返ったように、本番を見据えた前哨戦のレース内容としてはパーフェクトと言っても差し支えないのではないだろうか。

3年連続で2歳女王が好発進を決めることとなったが、ソウルスターリング阪神JF③②着のレーヌミノルリスグラシューに逆転を許して③着、ラッキーライラックシンザン記念から直行してきたアーモンドアイの末脚に屈して②着と、本番では初黒星を喫している。

阪神JF②③着馬でクイーンC(①②着)から桜花賞へ向かう予定のクロノジェネシスビーチサンバダノンファンタジーに唯一先着していて朝日杯FS③着から桜花賞へ直行予定のグランアレグリアエルフィンS①着のアクアミラビリス、そのアクアミラビリスを下してフェアリーSを制したフィリアプーラなど、未対戦の馬もいるし、今回末脚不発で⑤着に終わったシェーングランツも巻き返しに燃えているだろう。

桜花賞はさらに強力なメンバーが集結し、2歳女王に対するプレッシャーも厳しさを増すに違いない。今度は「そのまま本番もすんなりいかず」という流れを変えられるのかどうか。

阪神芝外1600mの過去12年、チューリップ賞を1番人気で制した馬は桜花賞でも1番人気だと②①①③②着。ソウルスターリングラッキーライラックは敗れたものの、09年ブエナビスタ、14年ハープスターは見事に桜の女王に輝いている。果たしてダノンファンタジーは!? 春の気配が近づくにつれ、牝馬三冠戦線も徐々に熱気を帯びてきた。


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