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速攻レースインプレッション

勢いを取り戻し、あとはG1でも結果を出すのみ

文/浅田知広、写真/川井博


先週日曜に発表された阪神大賞典の登録馬。これを見たファンが、ネットに寄せていた感想をひと言で表せば、「残念」になるだろうか。

いやいや、同じG2・ステイヤーズSで1&2番人気の①②着、リッジマンアドマイヤエイカンがいるじゃないか。さらに、アメリカJCCで復活の勝利を挙げたシャケトラだっているじゃないか、などと擁護したい気分にもなったものの。さすがに比較対象が、ここ数週の古馬G2・豪華メンバーで争われた中山記念金鯱賞では分が悪い。また、G2でもステイヤーズSではなくこの阪神大賞典であれば、「王者の走り」が見てみたい、という期待の裏返しという面もあるだろう。

ともあれ、今年はG1級不在のメンバーになった阪神大賞典。そんな中では、やはりシャケトラが実績上位ということで1番人気の支持を受けていた。しかしこの馬、3000m級の経験は一度きり。一昨年の春の天皇賞着に敗退している。

これに対し、先に挙げたリッジマン(2番人気)、アドマイヤエイカン(4番人気)に加え、万葉Sを制したヴォージュ(5番人気)あたりは長距離に実績のある組。そして、昨夏の丹頂Sリッジマンの②着だったコルコバード(3番人気)も、今回は斤量面でかなり有利になっており、人気の一角に支持された。さて、果たして「効く」のは実績か距離適性か斤量か。

スタートは、コルコバードが出遅れて最後方。一方、好ダッシュを決めたのは、金鯱賞日経新春杯で②着と「G2実績」はあるロードヴァンドール。これにサイモンラムセスが競りかけ、前半300mほどはお互い引かずに2ハロン目は10秒8。結局、1周目の3コーナーでサイモンラムセスが先頭に立つ形となった。

3番手以下は早くも大きく離れ……と思いきや、前の争いに決着がついてペースが落ちたところで、ヴォージュステイインシアトルが前へと接近。離れた5番手にソールインパクトカフジプリンス、さらに離れて後続各馬と、序盤から縦長の展開になった。

昼までの雨の影響で馬場状態は稍重ながら、前半の1000m通過は1分を切って59秒3。馬場も展開もスタミナを問われそうな競馬になり、こうなると長距離実績を持つ馬が有利かなあ、という序盤に見受けられた。

1コーナーにかかると再びサイモンラムセスロードヴァンドールが後続を離し、2コーナーではロードヴァンドールが先頭。いったんは前に接近したヴォージュはこれを見送り、向正面入口では前2頭と後続との差は10馬身ほどに開いていた。

さて、これを捕まえにいくべきかどうなのか。行くならステイヤーズS上位組か、などと思っていたら。向正面半ばで、後方から最初に動いたのはなんとシャケトラ。前のペースが13秒台に落ちていたとはいえ、軽く仕掛けると楽々とロードヴァンドールとの差を詰めていった。

この動きにすぐに反応できなかったのがリッジマンで、シャケトラに行かれてからは追い通し。そして内に入れていたアドマイヤエイカンも追撃態勢を取れずと、「行くならステイヤーズS上位組か」という予想は一瞬にして覆される展開だ。

直線に向くとすぐ、シャケトラロードヴァンドールを交わして先頭へ。そしてシャケトラになんとか食い下がっていたカフジプリンスが、リッジマンを振り切って脚を伸ばしたものの、シャケトラとは手応えがあまりに違いすぎた。結局、そのままシャケトラカフジプリンスに5馬身の差をつける圧勝。いや、確かにメンバー構成は「残念」だったかもしれないが、レースそのものは「残念」とはほど遠い、見ていて非常におもしろい一戦になったのではないだろうか。

そんな一戦を見事に制したシャケトラは、先にも触れたように一昨年の春の天皇賞で⑨着に敗退。3000m級のスタミナ勝負には不安を残していたが、いったいなにが不安だったんだ、と言いたくなる勝ちっぷりである。4歳春までに見せた快進撃の勢いを取り戻した、いや、それにも増して強くなっているような印象すら受ける現状だ。

一時の不振はあったとはいえ、一昨年の天皇賞では3番人気、そして宝塚記念では2番人気と、元々G1級の「支持」は受けていた馬。あとはG1でも結果を出すのみ。骨折による長期休養を乗り越え、さらに強くなった姿を大舞台で見せてくれることを期待したい。


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