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速攻レースインプレッション

不安を払拭し、堂々と“三強”に名乗り

文/編集部(T)、写真/森鷹史


安田記念オークスダービーの後に行われる時期的なものもあってか、他のG1に比べると地味な印象が拭えないレース。ところが、今年は春G1の中でもっとも注目を集めるのでは、という状況に(現時点では)なっている。

その理由のひとつは、ご存じアーモンドアイ。凱旋門賞の登録を見送り、次走候補として安田記念に向かう可能性が示唆された。

さらに、香港マイル連覇をはじめ、G1・6勝を誇るビューティージェネレーションも、管理するJ.ムーア調教師安田記念に参戦する可能性を表明している。"地味"なレースのはずだった安田記念に、香港と日本の最強馬が集う可能性が出てきたわけだ。

これまでマイル路線で戦ってきた馬にとって、突然の強敵参戦。今年のマイラーズCは、図らずもアーモンドアイ&ビューティージェネレーションへの挑戦者決定戦のような形になった。

そのマイラーズCは、3回京都2日目の施行となって今年で8年目。この開催は例年時計が速くなっていて、稍重馬場で行われた12年を除くと6年連続で1分32秒6以内の決着が続いている

今年も例に漏れず芝は時計が速く、このレースのふたつ前に行われた比良山特別(芝2200m)では2分9秒7(従来のタイムを0秒2更新)というJRAレコードタイムが記録されていた。昨年のマイラーズCは1分31秒3というレコード決着だったが、あるいはそれを更新するタイムさえ出るのでは?とさえ思わせるほどの、絶好の馬場状態だった。

それを期待させる存在が、単勝1.3倍という圧倒的1番人気に推されたダノンプレミアム。中間に一頓挫あったダービーこそ⑥着に敗れたが、それ以外は5戦すべて勝利。前走の金鯱賞は9ヵ月半ぶりながら②リスグラシュー以下に0秒2差を付ける快勝で、大阪杯に向かわずここに矛先を向けてきた。

とはいえ、今回は10頭立て、しかも逃げ馬不在で、ダノンプレミアムがハナに立つ展開さえ考えられるメンバー構成。結果的にグァンチャーレがハナに立ち、ダノンプレミアムは2番手で進める形になったが、やはりペースは上がらない。前半800mは48秒5で、昨年に比べて2秒7も遅いペースとなった。

その時点でレコード更新は諦めたが、そうなると逆に折り合い&決め手比べとなる。ダノンプレミアムも序盤は少し行きたがるような素振りを見せたが、落ち着いてからはスムーズ。勝負所では軽く仕掛けられるとスッと前に並びかけ、悠々と抜け出して押し切った。

今回もそうだったが、ダノンプレミアムはレース序盤に力んでしまう面が見られる馬で、ペースが落ちるとその弱点が強調されやすい。また、これまでは蹄の問題もあってゆったりとした間隔で使われてきた馬で、今回は中5週という点も不安材料だったが、どちらも問題にしない完勝劇だった。

逃げたグァンチャーレダノンプレミアム川田騎手が仕掛けを遅らせた分の②着好走で、③着パクスアメリカーナ、④着インディチャンプは休み明けの分ひと押しが利かなかった印象。いずれにしてもダノンプレミアムはこの3頭より1kg重い斤量57kgだったことを考えても、やはり1頭だけ抜けていたということなのだろう。

こうなると気になるのが、安田記念に向けてどうかということ。00年以降の安田記念で前走がマイラーズCだった馬は[0.2.10.53]でマイラーズC安田記念の連勝は94年ノースフライトまで遡る。ただ、94年のマイラーズCは中京芝1700mでの施行で、京都開催のマイラーズC勝ち馬は⑫⑩⑤⑧⑧⑤着と馬券圏内に入った馬さえいない。果たして、ダノンプレミアムはこの傾向を崩せるかどうか。

ちなみに、安田記念でのディープインパクト産駒は過去5頭が馬券圏内に入っているが、いずれも3番人気以下で、川田騎手がサトノアラジンとのコンビで制した時は7番人気だった。ダノンプレミアムにとっては"二強"が参戦すれば確かに強敵だが、先行脚質ということを考えるとマークが少しでも緩む点がプラスに働く可能性はありそう。

また、安田記念でのディープインパクト産駒は1~6枠だと[0.0.0.17]なのに対し、7~8枠だと[2.1.2.10]ダノンプレミアムにとっては、枠順抽選が第一関門になるかもしれない?

いずれにしても、アーモンドアイ、ビューティージェネレーションの"二強"に対して実績面では劣るかもしれないが、ダノンプレミアム自身も朝日杯FS勝ち馬で、立派なG1馬。ぜひこれらの馬たちが揃って参戦し、白熱する安田記念が見たいと思う。


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