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速攻レースインプレッション

息子は東京芝2400mの3歳G1で母を上回れるか!?

文/出川塁、写真/森鷹史


同日東京のプリンシパルSとともに、ダービーへの最終便となるはずだった京都新聞杯。ところが、東京競馬場の天気が突如として崩れて第10R以降が中止となり、プリンシパルSは翌週12日に移設されることとなった。

出走するだけでも名誉なダービーの優先出走権を得るために、メイチの仕上げを施してきた陣営も少なくはないだろう。1週延びたことで調整の狂いは避けられず、回避を余儀なくされる馬も出てくるだろう。さらに本番まで中1週と間隔も短くなるのだからたまったものではないが、自然には逆立ちしたって敵わないのでどうしようもない。

また、今回は予定レースの半数以上が終了していたため開催が成立し、後日改めて続行競馬を行なうことも不可能となった。最近は思いがけない天気になることが増えているだけに、もう少し柔軟にレースを組み直せるよう、法改正などを検討する必要もあるのかもしれない。本題の京都新聞杯からは話がそれてしまったが、25年ほど競馬を見てきて初めてのことだけに、記さずにはいられない出来事だった。

東京は真っ暗なのに、テレビに映る京都はまぶしいばかりの空が広がっている。ただし、レースのほうは澄み渡っているわけでもなく、1番人気のタガノディアマンテでも単勝4.1倍の混戦ムード。また、徹底先行タイプの馬もおらず、ゲートが開いてしばらくは6、7頭ほどの雁行状態が続く。1コーナーを回ったところで2番人気のロジャーバローズがハナに立って2馬身ほどのリードを奪うが、あくまでマイペースの逃げである。

前半1000m通過は1分ちょうど。このあたりで外からモズベッロが掛かり気味にロジャーバローズに並びかけていく。加えて今回は先行策をとったタガノディアマンテも加わり、3頭並走で3~4コーナーを回っていく。

そして直線を迎えるとすぐにタガノディアマンテロジャーバローズを捕まえにかかるものの、かわすほどの勢いはなく、むしろ先に脚色が鈍ってしまう。後方待機から⑥着まで追い上げた皐月賞とは違う戦法を選んだ影響もあるのかもしれないが、昨年10月のデビューから休みなく走ってきて7戦目。ここでついに力が尽きたようにも見える失速だった。

代わって脚を伸ばしてきたのが11番人気の伏兵レッドジェニアルだ。残り200mのハロン棒付近で手前を替えると鋭さを増し、最内で粘るロジャーバローズをクビ差かわして先頭ゴール。未勝利戦に続く2勝目が嬉しいG2タイトルとなり、令和初の中央重賞勝ち馬ともなった。

同馬の母レッドアゲートは08年のフローラS勝ち馬で、これで親仔二代によるG2制覇を達成したことになる。母は本番のオークスでは2番人気に推されたものの着に敗退したが、その仔は東京芝2400mの3歳G1で母を上回る着順を目指したい。

②着のロジャーバローズは賞金の上積みに成功して、ダービー出走に向かって大きく前進した。前走のスプリングSは2番人気も控える競馬で⑦着まで。どうやら前に行ったほうが持ち味を発揮できるようだ。自分のかたちを見つけられたのは今後に活きてくるし、ジェンティルドンナの近親で血統構成もよく似ており、成長力にも期待できる。

③着のサトノソロモンは16年のセレクトセール当歳税込3億円を超えた高額馬。前走の大寒桜賞は案外な結果に終わったが、格上挑戦の重賞ですぐに巻き返してきたのはさすがのポテンシャルだ。以下、④着に中央転入2戦目のナイママ、⑤着にタガノディアマンテの順で入線した。

もっとも、ダービー皐月賞上位組に割って入れるほどのインパクトある走りを見せた馬がいたかといえば、なんとも言えないのが率直な感想ではある。ただ、極端な道悪などスタミナを要す展開になれば、いかにも渋太そうな京都新聞杯の①②着馬が浮上する可能性もあるのではないか。それこそ土曜東京のように、最近の天気では予報もないのにレース直前になってトンでもない大雨が降らないとも限らない。令和元年からそんなダービーが見たいかといえば別だが、あらゆる可能性に備えておいて損をすることもないだろう。


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