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速攻レースインプレッション

ノーザンファーム生産馬が高速馬場で強さを発揮した

文/木南友輔(日刊スポーツ)、写真/川井博


土曜に行われる古馬準オープンの緑風S、昨年はウインテンダネスが逃げ切り、掲示板に出た2分22秒9の表示に衝撃を受けたのだが、もう慣れてしまったのか、今年のヴァントシルム、2分23秒1になんとも思わなくなってしまった…、気がする。

なんとも思わなくなってしまったらダメなので冷静に評価すると、昨年のウインテンダネスが54キロだったのに対し、今年のヴァントシルムは56キロを背負っていたので、土曜の馬場は昨年に近いレベルの高速馬場だった。そして、ヴァントシルム目黒記念当日が高速馬場なら出走してくれば好走を期待していい馬に違いない。

緑風Sが終わって、メインの京王杯SCはどのくらいの数字が出るかなと思って見ていたが、やはりレースレコード。昨年のヴィクトリアマイルは直前の雨で緩い馬場になったが、今年は雨が降らないので、その時点で今年のヴィクトリアマイルがおそらく1分31秒台の好時計で決まることは濃厚になった。

自分は新聞紙面上で「1分30秒台突入のケースまで想定しておきたい」と書いたのだが…。

結果は1分30秒5の日本レコード。走りやすい馬場(=安全な馬場)を追及した結果として生まれたのがJRAの高速馬場だとされている。

その高速馬場で強いのが、日本の競馬界で圧倒的な成績を残しているノーザンファーム生産馬だ。

あまりスタートダッシュの良くなかったアエロリットだが、うながしてハナへ。その後ろをアマルフィコーストミッキーチャームが進み、よどみない流れ。3ハロン通過は33秒7。7Rの古馬1000万が7頭立ての少頭数で同34秒8。前半に10秒台のラップが2つも並ぶのは確かに速いが、馬場状態を考えれば、この数字で逃げてもアエロリットなら粘り込んでしまうかも、そう思える数字だった。

好位から外をまわす安全策となった1番人気ラッキーライラック。その本命馬を目標とするように伸びてきたのがノームコアプリモシーンだった。

来日3週目、完全に日本の競馬にフィットしているダミアン・レーン。今週の追い切り後の会見でも自信たっぷりに馬の状態を語っていた。先週のグルーヴィットでは直線で前が詰まってしまったが、そのときも大本命グランアレグリアをマークする形。この日も人気馬をターゲットにした騎乗はさすがというほかない。

土曜の夏木立賞もこの日の午前中の未勝利戦のライルの逃げも、とにかく最後まで追い通す自信があるからこその早め先頭だろう。以前に来日して、積極的な騎乗が目立った同じヴィクトリア州(メルボルン地区)の先輩クレイグ・ウィリアムズのアドバイスも受けての来日。馬場、レースの研究も相当にしているのではないか。

外から迫ったプリモシーン過去最高の出来だった(わが◎)。馬体をふっくらと見せ、昨夏の関屋記念で見せた内にササる面もほとんどなかったように思う。引き上げてきた福永騎手は馬上で「あとちょっとだったんだけどな…」と唇を噛んでいた。高速決着は望むところ。悔しい敗戦だった。

メディアが「荒れる荒れる」と書きつづったヴィクトリアマイルの1週間。①着は5番人気、②着は4番人気、③着には11番人気のクロコスミアが入った。エリザベス女王杯は2年連続②着だし、府中牝馬Sを勝った東京実績もある。これだけの馬が11番人気になるのは、ヴィクトリアマイルそのものが荒れているだけでなく、前哨戦(ステップレース)、それ以前、1年間を通しての牝馬重賞が難解なことが影響していると思う。3連単は17万馬券。やはり今年も難しいG1だった。

「すごい時計ですね。昔では考えられない。馬券を買う立場としては内枠でしたね」。表彰式を見ながら、ポツリとつぶやいたのはノーザンファーム副代表の吉田俊介氏。「でも、先週はあの馬場になってしまって、外枠だった。内枠(グランアレグリア)に入って、厳しくなってしまった。難しいですね」。

5週連続G1開催の東京、最初の2週間が終了。来週のオークス、再来週のダービー、そして、続く安田記念、当たり前のことではあるが、しっかりと馬場を読み切ることが大事になってくることを肝に銘じたい。


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