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速攻レースインプレッション

ハンデに笑った馬、泣いた馬、明暗が分かれた

文/編集部(T)、写真/川井博


目黒記念ダービー当日の最終レースに施行されるようになったのが06年のことで、今年で14回目(11年のみ例外で土曜開催)。ダービー後ということで他のレースとは違った雰囲気で行われる重賞だが、今年は例年以上の注目を集めることになった

その理由は、もちろんグランプリホース・ブラストワンピースの参戦。秋の凱旋門賞に向けて、前哨戦としてハンデ戦の目黒記念斤量札幌記念洋芝を経験して本番に向かう、というローテーションが発表され、まずはこの目黒記念59kgで参戦することになった。

“530kgを超える大型馬が斤量を苦に?"とも思ったが、ブラストワンピースの戦績を見ると納得。56kg以下だと5戦5勝なのに対し、57kgだと⑤④⑥着と成績が残っていない。さらに北海道の洋芝も未経験。日本より重い馬場で59.5kgを背負う凱旋門賞で本当に勝負になるのか、これは2段階テストのようなものかなあ、と感じていた。

レースは大外8枠13番ケイティクレバーがまず先行、8枠12番パリンジェネシスも出負け気味のスタートだったが、これを追って前へ。8枠の2頭が先行したことで、一気にペースが上がることに。画面に表示された前半1000mは59秒5(JRA発表の前半900mは53秒6)で、ダービー(JRA発表で前半1000m57秒8)ほどではないものの、近年にないハイペースとなった。

そんな中、ブラストワンピースは中団で折り合っているように見えたが、いざ直線を向くと伸びが鈍い。先行馬が失速する中、大外に持ち出したルックトゥワイスアイスバブルが併せ馬の形で脚を伸ばし、最後はねじ伏せるように前に出たルックトゥワイスが初重賞制覇のゴールを切った。

勝ち時計の2分28秒2は、それまでゼンノロブロイが持っていた2分29秒5(中山)を1秒3更新する日本レコード。ひとつ前のダービーで2分22秒8というタイムが記録されており、ある程度速いタイムが出ることは予想できたが、13頭立てのレースでこれほどとは恐れ入った。

結果的に上位3頭がハンデ54~55kg④~⑧着まで56~57kgの馬が占めていて、ハンデも大きく影響した印象だが、それを踏まえても価値が高いのではないだろうか。

6歳にして初重賞制覇を飾ったルックトゥワイスだが、藤原英厩舎らしくしっかり間隔を空けられながらの出走で、今回を含めてまだ19戦。それだけに伸びしろもありそうだ。ダービーではサートゥルナーリアで不本意なレースとなったであろうレーン騎手にとっても、少しだけ溜飲を下げたのでは。

ちなみに、昨年はノーブルマーズが目黒記念②着→宝塚記念③着と連続好走を果たしたが、それ以外にも16年マリアライト(②→①着)、07年ポップロック(①→③着)といった連続好走例がある。それだけに、今回の上位馬が宝塚記念に出走したとしても、侮れない存在になるのではないか。レーン騎手自身は宝塚記念にリスグラシューとのコンビで参戦することが発表されているが、強力なライバル出現……かもしれない。

とはいえ課題もある。ルックトゥワイス自身444kgという小柄なタイプで、重賞は斤量55kg以下だと⑧②④①着なのに対し、56kgは今年の日経賞⑥着のみ。②着アイスバブルも500万以上での馬券圏内が54~55kgで、500万以上で56kgだと⑤⑧着。このあたり、ブラストワンピースと被る面があるが……。その点は今後に注目したい。

一方、敗れたブラストワンピース池添騎手も斤量を踏まえて少し早めに踏んでいったように見えたが、直線で伸びあぐねた。速いタイムに対応しきれなかった面もありそうだが、このレースぶりを見る限り、やはりハンデ59kgが最大の敗因か

ブラストワンピースはG1馬なので、凱旋門賞だけでなく、今後は57kg以上の斤量が課されるレースが多くなる。それだけに、今後はこの点を克服できるかどうかが最大の課題だろう。3歳でグランプリを制した実力は間違いないだけに、何とか復活を望みたい。


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