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速攻レースインプレッション

やはり馬場の影響は大きかった

文/出川塁、写真/小金井邦祥


2013年に夏の福島のスタートが2週繰り下がって以降、開幕週に組まれるようになった3歳重賞のラジオNIKKEI賞。以降の6年はいずれも良馬場開催だったのだが、この週末は天気が崩れ、今年は初めて道悪で行なわれることとなった。

このレースに関しては別の媒体でデータから分析する記事を執筆していたのだが、そこで集計の対象としたのは現在の日程になってからの6年分。つまり、すべて良馬場のものということになる。もちろん、分析や結論もすべて良馬場のデータに基づくもの。天気ばかりはどうしようもないことではあるが、朝に馬場状態を確認して不良と知ったときは思わず天を仰いでしまった。

もっとも、個人的に道悪競馬は決して嫌いではない。私の好きなファクターである血統による得意不得意が着順に反映されやすいからだ。実際に走る馬や騎手は大変だとは思うのだが、道悪になったときは張り切って予想してしまうのも事実である。

そんなこんなで今年のラジオNIKKEI賞。人気を集めたのはヒシイグアスディキシーナイトという前走スプリングSから3ヵ月半ぶりの出走となる2頭だった。なお、先述のデータ分析では休み明けの馬は厳しいという傾向を掲載していた。近年は休み明けというだけで軽視するわけにはいかなくなっているものの、タフな道悪になって休み明けの馬がより苦戦することはあっても、その逆にはなりづらいのではないかと考えた。

言い訳ととられてもかまわないが、こんな感じに応用してもらえると嬉しいなあ、というのがデータ原稿を書くことの多い人間としての願いである。

ゲートが開いて最初のホームストレッチでは馬群が横に広がったまま。内枠の馬は仕方ないにせよ、外枠の馬はあまり内に切れ込んでいかず、インコースを避けて走りたいという思惑が見てとれる。1列目では4頭が並んでいたが、1コーナーの進入で内枠の馬から前に行くことになって、ダディーズマインドが引っ張る展開となった。

並びが決まってからは大きな動きはなく、馬群は向こう正面へ。1000m通過は61秒0で、馬場を考えれば平均ペースか若干速いぐらいのペースだろう。

そして勝負どころの3~4コーナーへ。ところが、1番人気のヒシイグアスは最後方まで下がってしまう。その後、大外に持ち出してからは盛り返しては来たものの、直線の短い福島ではさすがに苦しく、⑨着とひとケタ着順に収まるのが精一杯だった。もう1頭の人気馬ディキシーナイトも動きが重く、4角を前に鞍上の手が激しく動き始め、⑪着に終わることとなった。

勝ったのは3番人気のブレイキングドーン。道中は馬場のいいところを選んで馬群の外を走り、直線では力強く突き抜けた。実は、件のデータ分析では外枠は不利ということも述べていたのだが、この不良馬場となっては外枠を引いたことが功を奏したとみるべきだろう。

興味深いのは、掲示板を占めた5頭のうち、①着ブレイキングドーンと③着ゴータイミングは馬群の大外を走ったのに対し、内ラチ沿いを走っていた②着マイネルサーパス、④着ダディーズマインド、⑤着アドマイヤスコールも上位に入ったことだ。

この結果から推察するに、馬群の外は比較的走りやすい状態。そして、インコースのなかでもラチ沿いの1頭分だけはそこまで悪くなかった。ラチを離れたイン寄りを通った馬だけが損をするような馬場状態だったのかもしれない。実際、道中でまさにそのあたりを通っていたのが2番手につけたディキシーナイトであり、中団追走から4角では最後方まで下がってしまったヒシイグアスの人気2頭だった。そう考えると、やはり馬場の影響は大きかったのだろう。

なお、この人気2頭はいずれもサンデーサイレンスが2代に入る血統だったのに対し、掲示板に載った5頭中3頭はサンデーが3代目以降に入る馬だった。軽い馬場で切れ味を発揮するには極めて有利なサンデーの血だが、こうした馬場ではむしろ足かせになってしまうことも多い。サンデーの直仔種牡馬と孫種牡馬が一緒に入っている現在では有効な考え方だと思うので、梅雨どきの今は絶好のチャンスとなるはずだ。


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