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速攻レースインプレッション

2秒以上の持ち時計の短縮は、若い馬だから為せる業だったか

文/編集部(M)、写真/森鷹史



1番人気だったマテラスカイにとって5枠9番という枠順自体は悪くなかったと思われるが、他馬との並びの関係があまり良くなかったように感じられた。前走のさきたま杯でスタートが決まらず、包まれる形となったサクセスエナジーが最内枠に入り、あまり包まれたくないヴェンジェンスも内目の枠(3枠4番)となり、さきたま杯を逃げ切ったウインムートマテラスカイより内の枠(5枠8番)に入った。

マテラスカイがハナを奪うことは他のジョッキーも想定していたと思うが、その直後の外の位置を取ろうとした馬たちがマテラスカイよりも内枠だったために、2~3番手の位置争いが激しくなった。結果的に、その波がマテラスカイにも押し寄せ、ペースが速くなって、直線での逆転劇につながったように感じられた。

レースラップは、最初の200mこそ12秒3だったものの、そこから10秒5-10秒5と速くなり、前半3Fは33秒3だった。これは不良馬場だった昨年(33秒5)より速い。稍重まで乾いた馬場でこれだけ速くなれば、さすがに地力のある馬たちでも最後に苦しさが増してしまった。

勝ったアルクトスは、戦前、1400mでは忙しいとコメントされていて、今回も田辺騎手が序盤に追っ付けての追走になった。しかし、忙しかったために、逆に、先行争いの後ろのポケットに入れ、6枠10番でも内ラチ沿いに潜り込める形になった。これが距離ロスなく立ち回ることにつながり、最後のひと伸びにつながったのだろう。

今年は①着アルクトス、②着ミッキーワイルドで、4歳馬のワンツーとなった。プロキオンSで4歳馬のワンツーとなったのは、阪神での施行だった2000年(①着ゴールドティアラ、②着エイシンサンルイス)以来で、その時も道悪馬場(重馬場)だった。

重賞となってからのプロキオンS(24回)では、そのうち23回で4~6歳が優勝していて、4歳馬が8勝、5歳馬が7勝、6歳馬が8勝となっている。4~6歳の勝利数が拮抗しているわけだが、この成績は道悪馬場の時に限ると様相が一変する。

今年も含めて道悪馬場だったことは7度あり、この7レースでは5歳馬は1勝止まりで、4歳馬が6勝を挙げている。脚抜き良い馬場で時計勝負になると、軽い斤量を背負った馬が多い若いタイプに向きやすく、勢いの差も出やすいのかもしれない。今回優勝したアルクトスも、②着のミッキーワイルドも持ち時計を2秒以上短縮したわけで、これは若い馬だから為せる業とも言えそうだ。

アルクトスは父アドマイヤオーラ×母父シンボリクリスエスという配合で、同産駒としては、クロスクリーガー(2015年レパードS)、ノボバカラ(2016年プロキオンS、2016年カペラS)に続くJRAのダート重賞勝ち馬となった。

ご存知の通り、アドマイヤオーラは父アグネスタキオン×母ビワハイジという血統で、ブエナビスタの兄だ。自身もそのきょうだいも芝で活躍した馬が多いわけだが、なぜか産駒はダートの上級馬が目立ち、今回のアルクトスの勝利で、アドマイヤオーラ産駒のダートの特別競走成績は[13.1.4.28](複勝率39.1%)となった。

特筆すべきは、その勝ち切る力だろう。アルクトスはこれでダートでの成績が[7.1.0.3]となり、1400~1700mに限ると[6.1.0.0]だ。今後、どこまで勝ち切る力を見せ続けられるか、楽しみが広がる勝利になった。


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