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速攻レースインプレッション

実績馬を撃破して重賞初V、フロック視は禁物

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


大井競馬場で行われているJpn1・ジャパンダートダービーが終わったあとの3歳限定G3戦。レパードSは、ラジオNIKKEI賞のダート版のような位置づけにある一戦だ。ただ、現在はダービーグランプリが地方馬同士の交流競走になっているため、中央馬には菊花賞に相当するレースがない。ここを足がかりに、暮れのチャンピオンズCを頂点とする古馬との対戦へ向かっていく形だ。

今年、駒を進めてきたのは新潟ダート1800mのフルゲート・15頭。2勝クラスの馬が何頭か除外にはなったが、もちろん人気に推されたのはオープン・重賞戦線を進んできた馬だ。

その筆頭角・1番人気はデルマルーヴル。2歳時にはデビュー2戦目から3連勝で重賞制覇。続く全日本2歳優駿を僅差で落としてからは③④②着だが、④着はUAEダービー、そして前走はジャパンダートダービー。ここに入れば実績は一枚上の存在だ。

2番人気は、ヒヤシンスS(②着)でデルマルーヴル(④着)に先着しているヴァイトブリックユニコーンSは出遅れて⑪着に終わったが、この距離で流れに乗れれば巻き返しが期待される。

ただこの2頭、3歳になってから重賞②着などはあるものの、勝利を挙げたのは2歳時のみ。実績に差はあっても、近走で勝ち鞍を挙げている馬もノーチャンスではなかろう。そんな馬の代表格が、4月の休養明けから3連勝中のサトノギャロスで、この馬が差のない3番人気に推されていた。

さてスタートは、と思えば、今回は互角に出たヴァイトブリックが、見たところ「行く気なし」のようで再び後方から。そして外では、軽く気合をつけて出たサトノギャロスが、掛かり気味にハナを切ろうかという態勢。その内に並んだハヤブサナンデクンも、特に行きたいわけじゃないよと、前2頭は譲り合いのような状態のまま、向正面に入っていった。

そんな中、1番人気のデルマルーヴルは中団馬群。スタート直後はもう少し前につけたいような動きだったが、好位を取りたい馬が多くおり、やや位置取りを下げてしまった形だっただろうか。向正面半ばを過ぎてからは鞍上の手が激しく動いており、かなり怪しいような雰囲気も感じられた。それでも、内からじわじわと差を詰め、4コーナーではサトノギャロスのすぐ内まで取りついていた。

一方、最初から後方待機策だったヴァイトブリックは手応え良く追い上げを開始、したものの。勝負どころで完全に前が壁になり、外に出してからもエンジンのかかりが悪く、直線入り口で早くも争覇圏外に脱落してしまった。

そのヴァイトブリックがもたついている外から、2頭並んで一気に上がって行ったのが、10番人気のハヤヤッコ、そして7番人気のブルベアイリーデ。さらに、最後方からラチ沿いに突っ込んで脚を伸ばしてきたのは、11番人気のトイガー。前では、サトノギャロスを交わしてデルマルーヴルが先頭に立ってはいたものの、残り200mでは人気薄の後続3頭の脚色が目を引いた。

とはいえデルマルーヴルは、その3頭に比べれば実績は何枚も上。勝負根性を発揮して粘り込むか、とも思ったが、やはり「年明け未勝利」ということなのか。デルマルーヴルもじりじりとは伸びていたものの、それよりも外・ハヤヤッコの勢いが明らかに良く、最後はデルマルーヴルをクビ差交わして重賞タイトルをもぎとったのだ。

優勝した白毛のハヤヤッコ(父キングカメハメハ)は、サンデーサイレンス産駒の白毛馬として話題になったシラユキヒメ(未勝利)の孫で、ダートグレード競走3勝を挙げたユキチャンの甥になる。そのユキチャンは中央では500万条件までしか勝っておらず、このハヤヤッコの勝利が白毛馬としては初のJRA重賞制覇となった。

自身は昨夏の新潟芝1800m戦で初勝利を挙げたが、今年はダート戦線へ。3走前は、次走でオープンの鳳雛Sを勝つマドラスチェックの②着。2走前にはゴルトマイスター(その後2連勝)に、3馬身半もの差をつけて500万勝ちを飾っていた。今回は、まず抽選には「勝った」ものの、単勝は10番人気。前走・青竜S⑧着の印象が悪かった故だろう。

ただ、スタートが芝の上になる東京1600m戦から、今度はスタートもダートコースになり、距離も延びた1800m戦。ここでG1(Jpn1)実績十分のデルマルーヴルを同斤量で下し、改めてこの路線では世代トップクラスの実力を持っていることを証明した。

今後は古馬との戦いになるが、今回10番人気だったからといって、この勝利をフロック視してしまうのは禁物。白毛馬うんぬんも抜きに、今後の戦いぶりが楽しみな1頭だ。


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