独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

不安を克服し、父と同じ4歳秋のG1制覇へ

文/編集部(T)、写真/川井博


今年のスプリント路線は、昨年の高松宮記念スプリンターズSを制したファインニードルがターフを去り、一気に混戦模様へと変わった。それを表すかのように、今年、キーンランドCまでに古馬の芝1000~1400m重賞が10レース行われていたが、すべて勝ち馬が違っていた

さらに、今年の桜花賞グランアレグリアがぶっつけでのスプリンターズSへの参戦を表明。CBC賞を制したレッドアンシェルも当初はスプリンターズS直行の予定だったが、現状での賞金不足を理由にセントウルSに向かうこととなったことからも、今年の賞金レベルの高さが分かる。

また、今年のキーンランドCは伏線があった。ご存じの通り、薬物騒動によって函館スプリントSにおいて大量6頭の競走除外が発生し、その6頭中4頭がキーンランドCに回ってきた。

そして、函館スプリントSで除外になったダノンスマッシュキーンランドCで1番人気、リナーテが3番人気に推されることに。無事出走して③着に入ったタワーオブロンドンが2番人気となった。ダノンスマッシュなどは、本来函館スプリントSに出走していればここに回ることはなかったと思われるだけに、皮肉なことにキーンランドC"濃い"メンバーが集まることになった。

とはいえ、ダノンスマッシュは1番人気に推されたものの、不安は5ヵ月ぶりの実戦。調整過程の狂いはあったはずで、ここを"使わざるを得なかった"ことがどう出るか。また、前走の高松宮記念(④着)は7枠13番で外を回らされたことが敗因のひとつになったが、今回も同じ7枠13番。小回りの札幌でこの外枠を克服できるか、テン乗りとなる川田騎手の手綱捌きが注目された。

結果的に、レースは上位人気3頭の競馬になったダノンスマッシュ川田騎手は絶好のスタートを切ったが、前が速いと見たか一旦中団へ。リナーテタワーオブロンドンも後方に控えた。

果たして、昨年逃げ切ったナックビーナスは今年も逃げたが、前半3Fは33秒2で、昨年の33秒7に比べて0秒5速い。その分、今年はレース上がりが36秒0(昨年は35秒7)とかかり、勝負所で外に持ち出したダノンスマッシュが直線半ばで粘るナックビーナスを悠々と交わし、内を捌いて伸びたタワーオブロンドン、外から差し込んできたリナーテを振り切った。

川田騎手自身、前走の負け方についても当然知っていたはずで、好スタートを切ったことで前に行きたくなるところだが、ペースを読んで一旦下げた落ち着きはさすがという他ない。レース後、川田騎手「勝負所で外を通らざるを得なかったのが誤算」と話したとのことだが、ゴチャつきやすい内にこだわりすぎず、外を通ったことも結果的に正解だったのだろう。

また、内目を通った②着タワーオブロンドンに対し、外からねじ伏せるように伸びたダノンスマッシュの強さが際立つことになったとも言える。父ロードカナロアと同様に、4歳秋のスプリンターズSでG1初制覇を飾る可能性が、この勝利でグッと高まったのは間違いないだろう。

心強いのは、現在リーディングを走る川田騎手が好調をキープしていること。このレースの後に行われたワールドオールスタージョッキーズ第4戦では、「C」評価だったプレシャスブルーを勝利に導き、70ポイントを稼ぎ出して逆転でのチャンピオンに輝いた。

意外なことに、今年の川田騎手はまだJRAのG1を勝っていないが、ダノンスマッシュだけでなく、4戦4勝でジャパンダートダービー(Jpn1)を制したクリソベリルなど、秋に向けての逸材は揃っている。まずはダノンスマッシュ、そして凱旋門賞で騎乗予定のブラストワンピースでも好結果を期待したいところだ。


TOPページに戻る