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速攻レースインプレッション

「夏のローカルG3」という認識を改める時が来た?

文/編集部(M)、写真/小金井邦祥


今年は前走で準OPを勝利した馬が5頭いて、重賞実績馬vs上がり馬という様相だった。1番人気は前走のエプソムCを制したレイエンダ、2番人気はダイヤモンドS勝ち馬のユーキャンスマイルとなったが、3番人気に支持されたフランツを筆頭に、ジナンボーカヴァルなど上がり馬たちも多くの票を集めることになった。

過去の新潟記念を振り返ると、上がり馬よりも重賞実績馬が勝利するケースの方が多かった。昇級馬は2016年にアデイインザライフが勝ち、05年にはヤマニンアラバスタが優勝しているものの、どちらも過去に芝重賞で③着以内に入ったことがあった。01年以降の優勝馬は18頭のうち15頭が前走で重賞を走っていて、重賞実績馬を上位に考えるべきレースで、それは今年も間違っていなかったわけだが、それにしても、少し潮目が変わってきている印象も受けた。

昨年は3歳馬だったブラストワンピースダービー(⑤着)以来の臨戦で優勝し、②着には前走が大阪杯(⑩着)だったメートルダールが入ったが、今年も前走がG1だったユーキャンスマイルが優勝した。新潟記念において前走がG1だった馬が馬券に絡んだケースは、昨年以前だと92年①着のタニノボレロ(前走・宝塚記念⑪着)まで遡る。実に珍しいケースだったわけだが、今年もそのタイプが優勝したのだから、考えを改めるべきなのだろう。

これまでの新潟記念は夏のローカルG3という位置付けで、現在もサマー2000シリーズの最終戦となっているわけだが、近年はメンバーレベルが向上し、秋のG1に向けてのステップにする馬も出てきている。ブラストワンピースメートルダールユーキャンスマイルノーザンファーム生産馬で、特に活躍馬を多数輩出している同牧場の生産馬は、重賞実績馬の中でも実績によって評価を変えるべきなのだろう。

ユーキャンスマイルはこれまで左回りが2戦2勝で、今回の走りを見ても確かに左回りは得意なのだろうが、それよりなにより、直線半ばまで岩田康騎手が手綱を持ったままで進出してきて、地力が上位であることを見せつけられた。②着に入ったジナンボーも最後に盛り返し、クビ差の接戦ではあったが、着差以上の内容だったように思う。

ユーキャンスマイルは、今春は天皇賞・春に挑戦(⑤着)したが、秋は左回りの東京芝で天皇賞・秋ジャパンCというG1があり、距離実績を考えても、今回の勝利の意義は大きいだろう。ダイヤモンドSはハンデ54kgや相手関係を考えてそれほど評価しなかったが、菊花賞(③着)で①着フィエールマン、②着エタリオウ、④着ブラストワンピース、⑤着グローリーヴェイズというメンバーと掲示板に載ったことをもっと評価すべきだったのかもしれない。それらのメンバーと、再びG1の舞台で相まみえる機会がやってきそうだ。

②着に入ったジナンボーは、今回も道中で行きたがっていたが、それでも最後まで盛り返して伸びたところには驚きを感じた。2000mの持ち時計も1秒以上短縮し、いきなり重賞で好戦してみせるのは、これぞ超良血の為せる業か。連外に敗れた過去2戦は7~11頭立てで、今回のように多頭数で控えられれば重賞制覇のチャンスも出てきそうだ。

逆に、1番人気で⑩着に敗れたレイエンダは、これで15頭立て以上での4戦が②⑧⑨⑩着という結果になってしまった(②着は15頭立ての大外枠だった昨年のセントライト記念)。こちらは多頭数で囲まれる厳しい形になっても力を発揮できるようになれるかが今後の課題になってきそうだ。


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