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速攻レースインプレッション

最低でもG1連対は保証されたと言って過言ではない

文/出川塁、写真/森鷹史


秋競馬が始まって中央場所に戻った今週は台風の上陸の恐れがあり、京成杯AHの前日発売が取りやめられるなどもあったが、どうにか中央競馬の開催には影響のない範囲にとどまった。結果、開幕週の中山・阪神は全レース良馬場で行なわれ、芝のレースでは東西ともに好タイムが続出した。

阪神ではまず土曜の野分特別で1分44秒7と、芝1800mのコースレコードまで0秒2に迫った。ちなみに「野分」とは台風の古語。もちろん台風に来て欲しくはないのだが、何気なく呼んでいるレース名には時節や土地柄を反映していて趣があるものが多い。時間があるときにでも由来を調べてみればレースの見方が深まるように思う。

そして、日曜の瀬戸内海特別では芝1400mでイスラボニータのレコードを更新する1分19秒3が計時された。このレースも、前日の野分特別も2勝クラス。中堅級でもレコード級の時計を出せる馬場となれば、スプリンターズSの前哨戦として一線級の短距離馬が集うセントウルSでも相当な時計が出るだろうことは容易に想像できた。

ハイペースで牽引しそうな馬もいた。ダート1400mで1分20秒3という日本レコードを持つマテラスカイだ。芝は京王杯2歳Sで1回だけ走って着という結果だったが、当時とは馬が違う。前述の日本レコードも芝スタートの中京1400mで記録しており、適性も皆無ではなさそう。このあとに控えるブリーダーズカップスプリントに向けて勢いをつけたい一戦でもある。

ただ、実際に走ってみると思ったほどの出脚ではなかったか。武豊騎手のアクションを見る限りでは本気を出して行った感じでもないが、テンのスピードはラブカンプーファンタジストイベリスあたりと互角。餅は餅屋、やはり芝とダートではスピードの質に違いがあるのだろう、⑦着という結果に終わった。

この馬を直線で軽々とかわして勝ち時計は1分6秒7、予想通りのレコード勝ちを飾ったのは1番人気のタワーオブロンドンだった。中団を余裕たっぷりに追走し、直線を向いても他馬を圧する手応え。仕掛けられると一瞬で前をつかまえて3馬身もちぎった。

1200m重賞でこの着差はまさに大楽勝。タイム差でいえば0秒5差だが、良馬場かつ古馬の芝1200m重賞で②着馬に0秒5差以上をつけたのは07年のセントウルSを勝ったサンアディユ以来、なんと12年ぶり以来となる。2000年以降では他にアドマイヤコジーン、ショウナンカンプ、ビリーヴしかおらず、この3頭はいずれもG1馬。サンアディユもスプリンターズS②着があるから、タワーオブロンドンも最低でもG1連対は保証されたと言って過言ではなさそうだ。

ただ、それが3週後のスプリンターズSかといえばどうか。6月の函館スプリントSから1200m路線に参入し、8月のキーンランドCを挟んで3ヵ月足らずで3戦目。③着→②着→①着とひとつずつ距離に適応してサマースプリントシリーズ王者に輝いたが、今回は前走からは中1週という厳しいローテションとなった。シリーズ王者を目指してここがメイチだった可能性は高く、主戦のルメール騎手は同厩のグランアレグリアに騎乗予定で乗り替わりにもなる。それでも勝つようなら、来年はもうこの路線で敵なしだろう。

②着にファンタジスト、③着にもイベリスロードカナロア産駒の3歳馬2頭が続いた。この土日の阪神では芝1600m以下のレースが計7鞍組まれており、そのうち6鞍に同産駒が出走、5鞍で馬券になった。中山の京成杯AHをレコードで制したトロワゼトワルを含め、高速馬場の1600m以下でロードカナロアを狙うのはもはやセオリーと言っていいように思う。

気になるのは見せ場なく⑧着に敗れたミスターメロディだが、これは外枠が響いたか。春の2戦を振り返っても8枠16番だった阪急杯で⑦着に敗れたあと、2枠3番の高松宮記念で鮮やかに巻き返している。1~2番枠を引いたときは[2.1.0.0]と崩れたことがない一方で、今回を含めて芝の8枠では[0.0.0.3]となった。ここ一番での仕上げに定評がある藤原英昭厩舎の所属でもあり、叩いての急上昇は想定の範囲内。内枠を引けば巻き返しの可能性は十分にあるだろう。


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