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速攻レースインプレッション

ムイトオブリガードが雪辱を果たし、やっぱり大荒れはなし

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


春に行われる目黒記念では過去10年(今年も含む)、1~3番人気が計[3.4.3.20]で複勝率33.3%。特に2番人気が[0.1.0.9]と壊滅的だ。一方、このアルゼンチン共和国杯の1~3番人気は昨年までの10年間で[8.4.5.13]と優勝馬10頭中8頭を出し、複勝率は56.7%。フェイムゲームを筆頭に、双方のレースで好走した馬も見られるが、同じ東京芝2500mのハンデG2でなぜこれほどの違いが出るのか。「ハンデ戦でも大きくは荒れづらい」のが秋・アルゼンチン共和国杯だ。

そんなレースに、今年は目黒記念の①②着馬が出走してきたが、今回の人気は3、4番人気。レコードタイムで優勝したルックトゥワイスは、昨年のこのレースでは⑧着。ただ、秋競馬の成績自体は別に悪いわけではなく、それよりも、目黒記念から2キロ増のハンデ57キロや、約半年ぶりの実戦という点などが気にされただろうか。

そして目黒記念②着のアイスバブルは、前走・小倉記念⑦着と、レース間隔はもう少し短めで、ハンデも目黒記念比で1キロ増止まり。ただ、目黒記念自体が5番人気だったこともあり、ひとつ上がって4番人気、というところに収まったのだった。

人気でこの2頭を上回ったのは、といえば。単勝2.8倍で頭ひとつ抜けた1番人気に推されたのはアフリカンゴールド。これまで重賞では、昨年の菊花賞着、日経新春杯はハンデ52キロで着。これで1番人気と言われると「う~むっ」と言いたくなる成績だが、前走で東京芝2400mの3勝クラスを勝ち上がったこと、そしてなにより、前日5勝、この日もすでに4勝と絶好調のルメール騎手にかかる期待も大きい。

続く2番人気は昨年の②着馬で、今年の目黒記念では⑤着だったムイトオブリガードルックトゥワイスの裏返しのような成績で、同じく目黒記念以来の休み明け。ただ、こちらは前年比でハンデは1キロ増だ。

5番人気以下は単勝10倍以上。「注目」という意味ではオジュウチョウサン(7番人気)の存在もあったが、主力視されたのは、この人気上位4頭までだった。

先手を奪ったのはそのオジュウチョウサン。スタンド前はやや速くなったものの、1コーナーあたりからペースを落としての先導となった。

人気どころでは、ムイトオブリガードが今回は先行策の3番手につけ、アフリカンゴールドは中団馬群でやや掛かり加減。目黒記念①②着のルックトゥワイスアイスバブルは、当時と同じく後方待機となった。

向正面を通過し、オジュウチョウサンはどんな作戦を取るのかと思えば、自らロングスパートをかけることはなし。3~4コーナー中間で外からパリンジェネシスマコトガラハッドが並びかけ、それに合わせてペースが上がっていく、という形で4コーナーを通過した。

そのオジュウチョウサンの直後を、絶好の手応えで追走していたのが、人気どころでは唯一先行したムイトオブリガードだった。直線、やや外に出したオジュウチョウサンの内に入れると、後続のライバルを待つことなくすぐにスパート。昨年は②着に敗れたとはいえ、メンバー中最速の上がり3ハロン32秒5。もう少し待っても構わなく思えたが、横山典弘騎手は迷いなしの追い出しだったように見受けられた。

ちょうど残り400mの標識を通過したところで、ムイトオブリガードオジュウチョウサンを交わして早くも先頭へ。馬群の狭いところを割って出たアフリカンゴールド、そして内に入れたタイセイトレイルあたりがこれを追い、大外からはルックトゥワイスアイスバブルは最内に入れたものの、今回は春のような脚は使えなかった。

そして残り200m。ムイトオブリガードの1馬身後ろまでアフリカンゴールドタイセイトレイルが迫り、これはゴールでは3頭ほぼ横並びか、という脚色に見えたのは一瞬だった。そこからムイトオブリガードが渋太く、そして後続の脚もやや止まり気味。結局、ムイトオブリガードがそのままタイセイトレイルに1馬身4分の1の差をつけて、昨年、そして春の雪辱を果たした。

目黒記念は2分28秒2のレコード決着で、レースの上がり3ハロンは35秒8。一方、今回の時計は2分31秒5で、上がりは34秒1。馬場状態や位置取りの違いなどもあるとはいえ、展開が変われば結果も変わる。今年の目黒記念アルゼンチン共和国杯だけを見ればそんなレースになった一方で、しかしやっぱり2→5→1番人気と大荒れはなしという結果だった。

さて、先日のコーフィールドCをメールドグラースが制するなど、春後半からの活躍が非常に目立つルーラーシップ産駒のタイトルホルダーに、新たに名を書き加えることとなったムイトオブリガード。昨年は3連勝で迎えたこのレース②着のあと、しばらく馬券圏内から遠ざかってしまったが、今年はここで約1年ぶりの勝利を挙げて、秋競馬終盤戦を迎えることとなった。

芝コース5勝中4勝は東京コース、やはり狙いはジャパンC、ということになるだろうか。超強敵相手にはなるものの、春には、適条件とは言い難かったG1初出走の大阪杯で0秒6差の⑧着。出走すれば、一発大駆けを見せてくれる可能性もありそうだ。


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