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速攻レースインプレッション

実にふさわしい舞台での初タイトル獲得、本番でも侮れず!?

文/出川塁、写真/森鷹史


昨年は同時期のJBCが京都開催となったことで休止となったみやこS。JBCが浦和で行なわれる今年は重賞カレンダーに復帰し、例年通りチャンピオンズCの前哨戦としての位置を占めることとなった。

単勝2.6倍で1番人気に推されたのは、今年のフェブラリーSを制したインティ。2走前のかしわ記念で連勝が途切れ、前走の帝王賞では着と不本意な結果に終わっており、ここは出直しを図りたい一戦だった。なお、これまでのパートナーだった武豊騎手BCスプリントへと遠征した関係で、今回は川田将雅騎手が初めて手綱を取ることととなる。

単勝3.8倍で2番人気に続いたのがスマハマで、こちらは前走の名鉄杯で中京ダート1800mのコースレコードを更新。2走前の東海Sではインティに都合9馬身の③着にとどまったが、再戦となるここで逆転することはできるか。締切時点での複勝オッズはいずれも「1.4~1.8」とまったく並んでおり、実力的にはほぼ互角と見られていたと考えてもよさそうだ。以下、3番人気のワイドファラオはすこし離れた単勝8.6倍で、ここまでが10倍を切る人気となった。

ところが、終わってみると人気上位の3頭がいずれも馬券圏外というまさかの決着となる。レースが終わった今になって考えてみれば、どちらも逃げたいインティスマハマが人気を集めた時点で波乱の予兆を感じ取るべきだったのだが、そこにリアンヴェリテまで加わったことで先行争いは熾烈を極めた。

最初の直線が終わってもハナを奪いきる馬は現れず、3頭並んで1コーナーへと侵入。その雁行状態は2コーナーを回って向こう正面に入るまで続き、2F目から4F目にかけて11.2-11.6-11.7と11秒台が刻まれる超ハイペースが出現した。

単騎逃げならまだしも、3頭で競り合いながらこのペースで走ってはさすがに息がもたない。最終的な3頭の着順はスマハマ着、リアンヴェリテ着。インティに至っては、入線した馬では最下位となる着に沈んでしまった。59キロを背負い、大外16番枠スタートからいちばん脚を使わされる酷な条件が揃ったとはいえ、出直しを図った一戦は厳しい結果となった。

これら先行勢の不利益は、そのまま後方待機勢の利益に直結する。馬券圏内に入った3頭はすべて道中10番手以降でレースを進めていた馬。最初に動いたのはウェスタールンドで、3~4コーナーで馬群の中に入れて縫うようにポジションを上げていく。

しかし1頭、さらに目立った脚を使って大外から勢いよく大外をマクり上げていく。最内1番枠から後方に下げて脚を溜めていたヴェンジェンスがその馬で、多少のコースロスもものかは、直線を向いたところでは完全に先頭へと躍り出た。さすがに最後は脚色が一杯になりながらもウェスタールンドを寄せ付けず、直線で突っ込んできたキングズガードも振り切って①着ゴール。6歳にして重賞初制覇を飾った。

勝ったヴェンジェンス、②着のキングズガードともに近2年ほどは1400m前後を中心に走っていたが、ともに前走から久しぶりに中距離にシフトしていた馬。また、それぞれカジノドライヴシニスターミニスターの産駒で、A.P. Indyの直系にあたることも共通しており、そのあたりに注目して一緒に買って馬券を的中させた人もいるのではないだろうか。

また、種牡馬カジノドライヴにとってもこれが中央重賞初勝利となった。現役時代を思い返せば、②着に2秒3もの大差をつけて衝撃のデビューを飾ったのもこの京都ダート1800mのこと。また、産駒のコース成績も勝率12.9%、単勝回収率110%(10月27日時点)と良好で、実にふさわしい舞台での初タイトル獲得となった。

ちなみに、カジノドライヴ産駒は中京ダート1800mでも勝率17.9%、単勝回収率113%と好相性を誇る。昨年のチャンピオンズCで最後方から②着に突っ込んだウェスタールンドを押さえたことを考えても、流れ次第で本番でも大仕事をやってのける可能性を秘めた1頭だと言えるのではないか。


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