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速攻レースインプレッション

期待の膨らむ5連勝、次走を楽しみに待ちたい

文/浅田知広、写真/瀬戸口翔


もしかして、1勝クラスから5連勝での重賞初制覇は史上初ではなかろうか、チャレンジCロードマイウェイ。いや、その「1勝クラス」との呼称が導入されたのは、今年の夏競馬から。もしかしてもなにも初なのだが、実は「5連勝で重賞初制覇」というケースもそうは多くない。

すぐに浮かぶのはチャンピオンズCで③着だったインティ(プラス1の6連勝で東海S制覇)で、こういった連勝→重賞初制覇はインティのようなダート馬に多い。ここ20年ほどでは、G1級にかぎってもローマンレジェンドアロンダイトといった名前が挙がる。

芝で5連勝となると、今年の葵S(格付けなし)を制したディアンドル(未勝利戦→オープン特別3連勝)の前は、2011年の福島記念の優勝馬アドマイヤコスモスまでさかのぼる。しかしこの馬は、中央再転入前の地方競馬でのダート戦も含めて7連勝だった。

ほかに1986年以降では、1991年のトウカイテイオー(皐月賞)、1990年のアグネスフローラ(桜花賞)、1989年のミスティックスター(マイラーズC)。このうち、ロードマイウェイと同じ「1勝クラスからはじまった5連勝目が重賞初制覇」という馬は、ミスティックスター(当時の400万条件から)しかいない。「1勝クラス」という呼称に限らずとも、実はけっこう貴重だった。

そのロードマイウェイ。ここに至る4連勝は、1勝クラスと2勝クラスが1800mで、3勝クラスと前走のポートアイランドSはマイル戦。今回は2000mへの適性が問われる一戦となった。

この距離は6走前の若駒S着以来で、当時は本格化前、そして出遅れて最後方追走も強いられており、あまり参考にはならない一戦だった。父は安田記念天皇賞(秋)を制したジャスタウェイで、その産駒ヴェロックスはこの秋、菊花賞で③着。そして3代母シンコウラブリイの牝系からは最近、ムイトオブリガード(アルゼンチン共和国杯)も出ており、「マイラー血統っぽいけど、断定するのは危険」と、なんとも微妙なところだ。

レースはブラックスピネル(5番人気)がハナを切るかとも予想されたが、スミヨン騎手は行く気を見せずに4番手追走。トリオンフ(8番人気)がキャリアで初めて逃げる形になり、人気どころは中団以降。3、4番人気のブレステイキングステイフーリッシュ、そして1番人気のギベオンが6~8番手あたりを追走した。

ロードマイウェイ「出遅れ」というほどではないが、少しダッシュが悪かったこともあり、その後ろで折り合い重視。以前の1800m戦では掛かる場面もあったが、今回は3~4ハロン目が13秒0-12秒6でもさほど行きたがるような仕草も見せず、まったく落ち着いたものだった。

とはいえ、800m通過49秒4、1000m61秒2のスローペースで12頭立ての9~10番手では、いくら折り合ったところで展開的に勝ち負け自体が厳しくなる。3コーナーからじわじわと差を詰めにかかったものの、4コーナーではまだ7番手。そして直線に入ると、逃げたトリオンフが後続を突き放しにかかったのだ。

長期休養明けとはいえ、前走の小倉記念(昨年)を1分56秒9のレコードタイムで制し、2走前・今回と同コースの鳴尾記念ではやはりレコード決着の②着という実績を持つトリオンフ。一瞬は、このまま逃げ切りか、という態勢にも思えた。

しかし、残り300mあたりでロードマイウェイがグンと加速。伸びあぐむ先行勢を外から次々と交わし去り、逃げ込みをはかるトリオンフに詰め寄っていったのだ。そしてゴール寸前、これをきっちり捕らえ、最後はポートアイランドSと同じアタマ差での勝利。前走はサトノアーサーに詰め寄られて少し危ない印象も受けたが、今回は少し余裕があるようにも見える差し切り勝ちとなった。そして父ジャスタウェイには、産駒初のJRA重賞勝ちをもたらした。

さあ、次はいよいよ大舞台へ……という勢いなのだが、残念ながら今年の古馬G1は2500mの有馬記念を残すのみ。父はここを引退レースに選んで④着と健闘したものの、大きな期待は来年に持ち越し、というのが妥当なところだろう。

そのジャスタウェイの現役時とは違い、春前半に大阪杯という目標がひとつ追加された古馬のマイル~中距離戦線である。まずはその大阪杯制覇、そして安田記念天皇賞(秋)の父子制覇へ。そのためにはもう一段上の、さらに強い相手と戦ってどんな走りができるのか注目される。5連勝の勢いを別にすれば、まだ古馬より2~3キロ軽い斤量でG3を勝ったばかり。次走は今のところ未定とのことだが、それを楽しみに待ちたいところだ。


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