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速攻レースインプレッション

今後はさらなる高みへ、これからの走りに大いに期待

文/浅田知広、写真/川井博


「毎年のように」と言えるくらい、さまざまな変更がたびたび行われている中央競馬の各レース。昨年は旧500万~1600万の各条件が、1勝~3勝クラスになったことが一番の大きな変更点だっただろうか。重賞なら、レースの施行時期や条件自体が変わることもあれば、スタンドやコース改修に伴う一時的なものもあり。今年は、富士SのG2昇格のほか、京都競馬場の改修やオリンピック関連でいくつもの変更が決まっている。

そんな中、年明け最初の重賞といえば東西の金杯、というところは長いこと変わっていない。京都金杯は00年に距離短縮(芝2000mから1600mへ)という大きな変更があったものの、こちら中山金杯といえば96年にレース名が「金杯」から「中山金杯」になった程度。ほかに東京での代替開催などもあったが、基本的には年明けの中山、芝2000mのハンデ戦という条件で、グレード制導入前の1960年代から行われている。

今年は、その「中山」や「2000m」という条件で底を見せていない、あるいは自身の力もっとも発揮できそうな馬が上位人気に支持された。1番人気に推されたクレッシェンドラヴは、前走・芝2000mの福島記念で重賞初制覇。中山コースでは全6勝中4勝を挙げ、特に芝2000mは条件戦とはいえ2戦2勝だ。

続く2番人気のトリオンフは、ここ3戦、長期休養を挟みながら芝2000mの重賞で②①②着。一昨年の小倉記念ではレコード勝ちを収め、それ以来の長期休養明けだった前走・チャレンジCでも着と大健闘。今回は58キロのハンデに加え、予定していた三浦皇成騎手(落馬負傷)からM.デムーロ騎手へ急遽の乗り替わりというアクシデントもあったが、この条件なら引き続き有力だろう。

そして3番人気のザダルは芝2000mで2戦2勝(うち中山1勝)。前走の菊花賞は⑬着、プリンシパルSを制したこの距離に戻って巻き返しが期待される。ほかにも、中山芝[3.3.2.1]レッドローゼス(5番人気)や、まったくの人気薄ながら中山芝[2.2.1.0]イレイション(13番人気)あたりが、コースや距離適性から目につくところだろうか。

先手を奪ったのは、以前のマイル前後から、近走は芝2000mに的を絞った出走になっているブラックスピネルチャレンジCでは逃げたトリオンフは2番手に控え、ザダルは中団グループの一角。そしてクレッシェンドラヴは後方からになったが、3走前の七夕賞(②着)の序盤は16頭立て14番手を進んでおり、ここからの展開次第だ。

その展開。ブラックスピネルの先導で前半の800m通過は48秒2、1000mは60秒2と、ややゆったりした流れ。10頭以上がさほど差のない集団を形成し、やや離れた後ろ4頭の中にクレッシェンドラヴが位置する形になった。ここから前との差を詰めてはいったものの、本来なら差を詰めるだけではなく、いくつか順位を上げていきたかったはず。結果としては苦しい展開になったのが、今回のクレッシェンドラヴだった。

一方、ブラックスピネルを前に見る2番手から、絶好の形でレースを運んだのがトリオンフだ。3~4コーナー中間でザダルレッドローゼスも大外からまくってきたものの、4コーナー手前でもトリオンフの後ろ、3番手の外まで。そしてここでザダルが外にふくれ、その影響を受けたレッドローゼスもろとも、ふたたび後方まで下がって直線に向かうことになってしまったのだった。

こうなると、トップハンデのトリオンフブラックスピネルを交わして粘り込むのか、それとも穴馬の一発か。直線坂下で先頭に立ったトリオンフに襲いかかったのは、外から6番人気のウインイクシード、内からは10番人気のノーブルマーズ。そしてゴール前では11番人気のテリトーリアルや15番人気マイネルハニーあたりも脚を伸ばしたが、これら穴馬たちの追撃を振り切って、トリオンフ3つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

過去2回の重賞制覇は、いずれも18年の小倉大賞典小倉記念。その小倉は[3.1.0.0]の好相性だが、阪神内回りの鳴尾記念チャレンジCでも着があり、初コースの中山にも難なく対応した一戦となった。今後、その小倉のレースではさらに斤量が厳しくなり、目標はもうひとつ上、G2やG1ということになるだろう。

一昨年、小倉大賞典に続いて出走した大阪杯着だったが、横を向いたときにゲートが開き、本来の先行策を取れない不完全燃焼の競馬だった。昨年の中山金杯優勝馬ウインブライトはみなさんご存じのように、その後、海外G1・2勝の大活躍。トリオンフもこれに続けるのか、これからの走りに大いに期待したい。


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