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速攻レースインプレッション

今年はどんなレース選択になるのか

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


関東では年明け最初の古馬G2となるアメリカJCC。しかし天皇賞・春とは距離に1000mもの違いがあり、同距離の宝塚記念はまだまだ先の5ヵ月後。どちらに繋がりやすいかといえば宝塚記念のように思えるが、1990年以降の出走馬をみると、同年春の天皇賞では昨年のフィエールマン(本競走②着)などが5勝を挙げているのに対し、宝塚記念は2009年のドリームジャーニーの1勝のみ。しかもアメリカJCCでは1番人気⑧着と「繋がった」とは言いづらい結果だ。

しかし、2017年にもっと時期も距離も近い大阪杯がG1に昇格。これは天皇賞・春よりさらに……と思いきや、今のところは好走馬が出ていない。春のG1をにらむ一戦、特に春の天皇賞をにらむ一戦、という見方が現時点では正解だろう。

さて、今年のメンバーで春の天皇賞に姿を見せる可能性がありそうなのは、まずは1番人気ブラストワンピースだろうか。昨年は大阪杯から目黒記念、そして札幌記念へと少々物議を醸す選択になって⑥⑧①着。今春は目先を変えて……ということもあり得る。ただ、凱旋門賞⑪着後にダメージがなかなか抜けずに復帰が遅れ、有馬記念連覇の夢を諦めてここでの始動となった。G1馬が57キロ。本来なら断然有利な立場だが、単勝3.0倍と少し疑われつつの1番人気だ。

そして、2番人気はミッキースワロー(一昨年②着、2017年セントライト記念優勝など)、3番人気スティッフェリオ(昨年オールカマー優勝)。このコースでの重賞実績を持つ馬が続く上位人気となった。

先手を奪ったのは、昨年のオールカマーも逃げ切り勝ちだったスティッフェリオ。2番手には、昨年のこの時期に中山金杯京都記念と連続で②着のステイフーリッシュが続き、ブラストワンピースは好位の一角。ミッキースワローはその直後と、人気上位3頭は中団よりも前につけた。

前半の1000m通過は62秒4でスローペース。最終週の荒れた馬場ということで、スティッフェリオは内を避けてやや外めを回したのだが、結果的にはここで外ではなく内を突いた2頭のワンツー決着となった。

まず直線入口で先頭に立ったのはステイフーリッシュ。序盤はスティッフェリオの外にいたが、中盤はその直後、そして勝負どころからは内に入って4コーナーへ。距離の損得に加え、スティッフェリオの脚色がやや鈍ったこともあり、直線に入るとすぐに1~2馬身のリードをとった。

そしてもう1頭は、4コーナー手前では外にいたブラストワンピースだ。2番手にいたマイネルフロスト故障し、そのあおりを受けてさらに外に振られる場面もあったが、そこですぐに、目標をスティッフェリオからステイフーリッシュに切り替えたかのように一気に内へ。直線ではこの2頭が後続を徐々に引き離して一騎打ちとなったが、最後はG1馬の底力ブラストワンピースがぐいっともうひと伸びを見せ、ステイフーリッシュを突き放して5つ目の重賞タイトルを手中にした。

ここに至るまでは決して順調ではなかったブラストワンピース不完全燃焼に終わった昨年でも豪華メンバーの札幌記念を制したように、やはり有馬記念を制した実力はダテではない。ただ、これまでは勝てなければ馬券圏外という両極端。3歳以上のG1を制した馬としてはかなり珍しいタイプになりつつある。

さて、今年はどんなレース選択になるのか。冒頭で触れた天皇賞・春なのか、その前に大阪杯で雪辱を期すのか、あるいはグランプリ向きとみて宝塚記念か、それとも海外か。もし本当に「勝てなければ着外」のタイプなら、そのレース選択がズバリはまるかどうかがかなり大きな要素となる。今回データを調べた以上、ここは天皇賞・春をオススメしたいが、それで負けてしまえば「その選択は違うだろう」という話にもなりそうで、なんとも難しい。今後の情報を待ちたいところだ。

一方、②着のステイフーリッシュは今回を含め、新馬戦以外はすべて重賞に出走して[2.4.4.7]と、ブラストワンピースとは対照的なタイプだ。ただ、G1ではデビュー2戦目のホープフルS③着こそあるが、その後3戦はすべてふた桁着順。昨年の大阪杯はゲートが悪かった上、その直後に挟まれて⑬着だった。今年は、今回のような先行策でG1でも通用するところを見せたい。

惜しかったのは③着のラストドラフトで、直線では鋭く伸びてきたが、4コーナーでかなり大きく外に振られたこともあって前には及ばず。キャリアが浅くまだ伸びしろもありそうで、強敵相手でも展開がはまれば一発が期待できそうだ。


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