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速攻レースインプレッション

1400mがベストなのか、それとも!?

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


昨年はコパノキッキングマーフィー騎手の手綱で優勝した根岸S。1400mの距離がやや微妙かとも思われたが、終わってみればそんな不安などなかったかのように、中団から抜け出し、ゴールまでしっかりと脚を使っての快勝だった。

その後は藤田菜七子騎手とのコンビとなり、初戦のフェブラリーSこそ⑤着に敗れた(距離を考えれば健闘か)ものの、以降、東京盃カペラSを制するなどの活躍はみなさんご存じの通りだ。

そのコパノキッキング連覇を狙う今年のこの一戦。マーフィー騎手の手に戻り、今年は単勝1.9倍の断然人気となった。②着に敗れたJBCスプリント(浦和1400m)の走りからすれば、やはり本質的には1200m向きなのだろうが、昨年の優勝馬で、58キロも前走で克服済みとなければ、特段ケチをつけるような話にはならない。

そうなると、この馬を破るなら未知の魅力がある馬、ということか。コパノキッキングとは未対戦の馬が上位人気の支持を受けた。

2番人気はミッキーワイルド。一昨年の秋からダートに転じて[3.5.1.0]、特にここ4戦では3勝を挙げている。コパノキッキングと2キロの斤量差もあり、確かにチャンスは大いにありそうだ。

そこから離れての3番人気には、なんとダート戦に出てきた一昨年の安田記念馬モズアスコット。その安田記念後は、スワンS②着2回を除けば掲示板外の不振だが、それはすべてマイル~1800m戦。今回、ダートとはいえスワンSと同距離・1400mの選択は注目に値する。そして4番人気はワイドファラオ。1800mのここ2戦はやや苦戦したも、3走前・オーバルスプリント(浦和)②着の1400mに戻れば巻き返せそうだ。

注目のスタートは、コパノキッキングが好ダッシュ。そのまま楽に行けるなら行く、他の馬が行きたければ控える、というように見受けられ、結局、大外から押して押してドリームキラリが先頭へ。コパノキッキングもつられそうになったものの、マーフィー騎手がこれをなだめて2番手の外へ出していった。

ミッキーワイルドは、この争いを見て5番手あたり。そして初ダートのモズアスコットは後手を踏み、スタート直後は最後方だったが、3コーナーまでには中団へ。外めから、ダートを苦にする様子もなく上々の行きっぷりを見せていた。

そして直線。コパノキッキングはまったく楽な手応えのままドリームキラリに並びかけ、残り400mで先頭へ。ただ、コパノキッキングにとってのこの距離、そして直線の長い東京では少し早いかという印象だ。

その直後から内めに入れたミッキーワイルドだったが、早々にムチが入ってもはや争覇圏外という脚色。一方、外から脚色良く迫っていったのはワイドファラオだった。

この東京では、3歳同士とはいえ1600mのユニコーンSを制しているワイドファラオ。脚色からも、距離適性からも、この態勢になればコパノキッキングよりワイドファラオが有利かと思われた。

ところが、コパノキッキングまで半馬身と詰め寄ったところでワイドファラオは急失速。距離云々より、58キロを背負って勝ってきたコパノキッキングと、初の58キロだったワイドファラオの違いが出たのか、それとも単純に格の違いか。いずれにせよ、ここでワイドファラオ脱落となった。

そして、これと入れ替わるようにコパノキッキングを追い詰めたのが、出遅れたモズアスコットだった。こちらも位置取りこそ違えど、直線坂下までは抜群の手応え。そこから追い出されると、併走していたダノンフェイスをあっさりと突き放し、コパノキッキングに迫っていった。

ワイドファラオまでは振り切ったコパノキッキングだったが、今度やってきたのはさらに格上のモズアスコット。決して脚は止まっていないものの、勢いづいてやってきた実力馬を抑え切るのは至難。ゴール前でモズアスコットコパノキッキングをきっちり差し切り、初ダートで見事にタイトルを手中にしたのだった。

これでモズアスコット安田記念優勝後、1400mにかぎれば[1.2.0.0]。この1400mがベストなのか、それとも芝・ダート双方でのマイルG1制覇となるのか。もちろん実力馬だけに、ベストは1400mでもフェブラリーSは勝つというパターンもあり得る。東京ダート1600mという舞台で、果たしてどんな走りを見せてくれるだろうか。

そして②着のコパノキッキング連覇の夢こそかなわなかったが、前年の覇者らしい走りは存分に見せてくれた一戦だった。今年はフェブラリーSではなく1200mのドバイというウワサもある。ベストの距離で世界を相手に戦うことになるのか、こちらも次走報を楽しみに待ちたいところだ。


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