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速攻レースインプレッション

兄インディチャンプに続き、妹はスプリント女王への一歩

文/編集部(T)、写真/井立和


今年のシルクロードS重賞勝ちの実績がある馬が8頭出走し、高松宮記念の前哨戦にふさわしい好メンバーが集まった。この時期の古馬重賞というと“明け4歳勢がベテラン勢にどう挑むか"というのがテーマのひとつになるが、このレースも例外でなく、4歳馬が6頭出走して、歴戦の古馬に挑む形となった。

……と書いたが、戦前の見通しは5~6歳馬優勢で、1番人気レッドアンシェル6歳、2番人気モズスーパーフレア5歳。それも無理のないところで、前述した重賞勝ち実績馬8頭のうち、6頭が5歳以上。一方、明け4歳馬の重賞勝ちはディアンドル葵SハッピーアワーファルコンSで、どちらも3歳限定戦でのものだった。

調べてみると、昨年行われた3歳以上の芝1200m重賞7レースのうち、4歳馬(現5歳)が5勝、5、6歳馬(現6、7歳)が1勝ずつ。3歳馬(現4歳)は[0.4.1.13]と勝ち切れていなかった。

4歳馬の逆襲があるのか、5歳以上の馬がここでも強さを発揮するのか。王者タワーオブロンドン(オーシャンS出走予定)は不在でも、今年のスプリント戦線を占う上で、興味深い一戦となった。

ゲートが開くと、2枠3番から好スタートを切ったモズスーパーフレアが注文通りハナに立ち、セイウンコウセイが2番手へ。この2頭で前が落ち着くかと思わせたが、セイウンコウセイモズスーパーフレアの楽逃げを許さず、勝負所で早めに並びかけていく。その結果、前半3F33秒9後半3F35秒1という上がりの競馬になった。

それでも、前2頭は直線で一旦抜け出し、残り200mの時点ではセーフティーリードのようにも見えたが、後方にいた3番人気アウィルアウェイが上がり33秒7の末脚で襲いかかって先頭へ。さらに後ろから伸びてきた②着エイティーンガール、③着ナランフレグの追撃も振り切った。

アウィルアウェイは今回が7回目の重賞挑戦で、初めてとなるタイトルを手にした。牝馬ながらハンデ55kgを課されていたことを考えると、展開云々だけではない、ホンモノの強さを見せたといえるのではないだろうか。

それにしても、明け4歳となってから初めて重賞タイトルに届いたアウィルアウェイのプロフィールを見ると、「血は争えないなあ」という感想を抱く。ちょうど1年前となる昨年の2月3日、3度目の挑戦で初めて重賞タイトルを獲得したのが、本馬の半兄インディチャンプ。また、近親にも高齢になるまで活躍したネオリアリズムリアルインパクトの名前がある。

さらに父のジャスタウェイも、初重賞制覇は3歳2月のアーリントンCだったが、次の重賞タイトルは1年半後の天皇賞・秋で、本格化したのはこの頃だった。この血統を見るだけでも、アウィルアウェイの今後の活躍を期待させるに十分だ。

インディチャンプは昨年のマイルG1を連覇したが、妹は違う路線で頂点に立てるか。高松宮記念が行われる中京芝1200mは昨年のCBC賞⑧着だけだが、その時は不良馬場という明確な敗因があっただけに、極端な馬場悪化がなければ侮れない存在になるのではないか。

また、②着エイティーンガール、③着ナランフレグを含め、後方に控えた明け4歳勢が馬券圏内を占める形に。これまでは古馬勢の後塵を拝していたが、ここでついに“ベテラン越え"を果たすことになった。

ちなみに、4歳以上の芝1200m重賞で4歳馬がワンツーを決めたのは、99年シルクロードS以来の“快挙"。その時は①着マイネルラヴ、②着アグネスワールドで、いずれもすでにG1を制していたか、後にG1馬となっている。

昨年、4歳でこのレースを制したダノンスマッシュは、残念ながらまだG1タイトルに届いていないが、今年の4歳勢はどうだろうか。現スプリント王のタワーオブロンドンの壁は低くはないだろうが、約2ヶ月後の大舞台が今から楽しみだ。


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