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速攻レースインプレッション

課題は残るも、まずは左回りをクリアしてみせた

文/編集部(T)、写真/森鷹史


今週の中京は土曜にファルコンS、日曜に金鯱賞が行われた。同週に中京で平地重賞が行われるのは、近年だと2016年12月3日に金鯱賞、4日にチャンピオンズCが行われて以来となる。それだけに現地観戦を楽しみにされていた方も多いと思うが、今週も新型コロナウイルスの影響を受け、無観客での競馬になってしまった。

ともあれ、“人間万事塞翁が馬"という言葉があるように、人間の幸、不幸はいつ逆転するか分からない。競馬ファンもたくましいもので、“無観客なのはしょうがない、じゃあ無観客がプラスに働きそうな馬を買おう"と切り替える方が多いのは、さすがというべきか。

そんな状況で、サートゥルナーリアが“メンバー中唯一のG1馬"という立場で金鯱賞に登場。当然ながら、圧倒的な支持を集めることになった。

サートゥルナーリアはイレ込みやすいタイプなのは、誰もが知るところ。ということで、先ほど触れたように無観客はプラスに働きそう……と考えた方は多いと思うが、それ以外にも不安な点は少なくなかった。

最大の不安は、陣営がここを前哨戦に選んだ理由にも挙げていた、中京の左回り。過去の馬券圏内はすべて右回りで、左回りは東京で④⑥着と結果が残っていなかった。

その要因についてもいろいろ挙げられていて、まずは単純に左回りが苦手説。いずれも前哨戦を使ってのG1だったことで、間隔が詰まっていると力を発揮できない説。もうひとつ、東京競馬場の長い地下馬道でイレ込んでしまう説などなど。

実際、東京競馬場の地下馬道は、他にも苦手にしている馬がいるそうで、『サラブレモバイル』で今週水曜に更新された「西塚助手」コラムでも、西塚信人助手が“(東京の地下馬道は)お客さんが多いと、地鳴りのように響いてくる"と話している。

サートゥルナーリア陣営も、レース前に“ここが次の路線を決める試金石"と話している。金鯱賞はG1の前哨戦に位置づけられる一戦だが、サートゥルナーリアにとっては文字通り“敵は自分だけ"だったのだろう。

中京芝2000mはスタンド前発走だが、ファンの方々がいないスタンドを前にしてもサートゥルナーリアは(当然かもしれないが)落ち着いている。レースに行ってもそれは変わらず、逃げたダイワキャグニーが作ったペースは前半1000m通過が63秒6という超スローになったが、中団外目でピッタリ折り合い、直線に入るとノーステッキで前を交わし、2馬身差を付けて悠々とゴールを駆け抜けた。

サートゥルナーリアは今回快勝を飾ったことで、まずは左回りが問題ないところを証明してみせた。唯一の斤量58kgを課されていたが、今回記録した自身の上がりは33秒2で、もちろんメンバー中最速。力を発揮できさえすれば、このメンバーだと力が違った、ということだろう。

とはいえ、今後のG1に向けて考えると、課題は残った。秋は中長距離G1の多くが東京で行われるだけに、地下馬道で落ち着きを保てるかどうかは未知数。また、今回は約3ヵ月ぶりでの臨戦だったが、間隔を詰めて使う時はどうなのか。

そして、これはサートゥルナーリアに限らないが、無観客の状態でレースを経験すると、観客を入れてのレースになった時に、戸惑う馬も出てくるのではないだろうか。馬券を買う側としても、パドックや返し馬での落ち着きは、特に注意する必要が出てくるかもしれない。

いずれにしても、これだけの力を持つサートゥルナーリアリスグラシュー引退後、次のトップに立つだけの資質は誰もが認めるだけに、残る課題もクリアしてもらいたいものだ。

なお、来週は中京開催が1週休みで、高松宮記念が最終週となる。今年の中京、阪神はまだファンの方々の前でレースができておらず、あと2週で事態が好転することを願いたい。


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