独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

昨年のダイヤモンドSからG2以下では3戦全勝、今年こそはG1でも!?

文/浅田知広、写真/森鷹史


テレビ観戦をしているかぎりは、無観客開催に違和感を覚えないことも増えてきてしまった今週。このままG1開幕を迎えてしまうのかという、そんな今週日曜の阪神メインは阪神大賞典春の天皇賞へ向けたステップレースだ。

1番人気に推されたのはキセキ。さていったいいつ以来だろうかと見てみれば、なんのことはない昨年の宝塚記念以来。2017年に極悪馬場菊花賞を制してからは、好走すれども勝利に届いていないという印象が強く、そのせいでどうも1番人気からも遠ざかっていると誤解していた。

その菊花賞は差しで勝利を手にしたが、その後は一昨年のジャパンCでハナを切って好レースを演出するなど、逃げ・先行型になっていた。しかしここにきて、凱旋門賞有馬記念とスタートが今ひとつ。それもあって先行力が失われたと言うべきか、有馬記念は差す形でもまずまずの末脚を見せたと言うべきか。そして今回は長距離戦、ふたたび前へ行く(行ける)のか、そのまま末脚を活かす形でいくのか。復活の勝利が期待されるのはもちろんのこと、勝つならどんな形で勝つのか、という点にも注目したい一戦となった。

続く2番人気は一昨年の菊花賞でフィエールマンの③着だったユーキャンスマイル。その後ダイヤモンドSで重賞初制覇を果たすと、夏には2000mで新潟記念を優勝。さらに天皇賞・秋④着、ジャパンC⑤着と強敵相手にも大健闘。また長距離の舞台に戻る形になったが、G2なら当然有力になる。

そして3番人気はボスジラ「マウントロブソン(スプリングS)などの弟」が、条件戦3連勝で存在感を示しつつあったと思ったら、タイミング悪く(?)「ミヤマザクラ(クイーンC)の兄」になってしまった。兄や妹に続く重賞制覇を果たし、まずは追いつきたいところだ。そして4番人気メイショウテンゲン(弥生賞)、5番人気トーセンカンビーナと続いた。

さて、注目のスタートは。トーセンカンビーナが出遅れたと思ったら、その後ろでゲートをまだ出ていない馬が1頭、なんとこれがキセキだった。長距離戦だから出遅れてもどうのなどという範疇からは外れてしまう大きな出遅れ。400mほどで馬群の最後方には取りついたものの、これはかなり痛かった。

一方、先頭に立ってレースを引っ張ったのはドレッドノータス。人気どころではボスジラが4番手を進み、中団にはメイショウテンゲン。後方にユーキャンスマイルトーセンカンビーナ、そして4コーナーで後ろから2番目まで上がったキセキという順になった。

拍手歓声沸き起こらない1週目のスタンド前。盛り上がりは欠くものの、長距離戦なら折り合いはつきやすくなりそうだとも言われていたが、そんなことはなく後方で行きたがっている馬が1頭。これもまたキセキだった。まるで大歓声の幻聴でも聞こえているかのごとく、スタンド前でぐんぐんと前へ進出。1コーナーには2番手の外で飛び込んでいったのだ。

そして、それにとどまらず、キセキは2番手の内に併せたタイセイトレイルとともに、先頭のドレッドノータスにまで並びかけて向正面へ。しばしの3頭併走の後、ようやく3番手に落ち着いたのは向正面半ばあたりだった。

出遅れたり引っかかったり、他馬と競ってしまったり。ひとつ、あるいは力が抜けている馬ならふたつくらいは克服して勝利を手にすることはあっても、これがすべて揃ってしまうとかなり苦しい。キセキは直線入口で先頭に立とうかという見せ場こそ作りはしたものの、さすがにそれ以上の余力はなく、⑦着敗退を喫してしまった。

無観客だけではなく、もし無馬券無賞金だったら(競馬が成り立たないが)、出遅れなんて父・ルーラーシップに似なくていいのに、と笑って済ませられる話だったが、ここはそうも言っていられない。ゲート難の解消は急務だ。

一方、勝利を手にしたのはユーキャンスマイルだった。中盤までは後方で脚を溜めると、3コーナーあたりから馬群を突いてするすると進出。そのまま直線も内めから伸びると残り200mで先頭に立ち、最後はジョッキーがやや流すくらいの余裕を持っての優勝だった。

これで昨年のダイヤモンドSから、G2以下では3戦全勝、G1では⑤④⑤着。左回りのほうが良さそうだと見る向きもあったが、3つめの重賞タイトルは右回りで獲得した。昨年は3番人気で⑤着だった天皇賞・春。今年こそはという期待がかかる。


TOPページに戻る