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速攻レースインプレッション

6歳にして意気軒昂、中山G2強者は健在だった

文/出川塁、写真/小金井邦祥


関東における天皇賞・春の前哨戦としておなじみの日経賞。ところが近5年、春天における日経賞組[0.0.0.24]と馬券絡みが途絶えてしまっている。その前の5年はフェノーメノの連覇を含む[2.2.2.22]とそれなりに馬券絡みがあり、14年には①②③着を独占したこともあっただけに今回データを確認して驚いた。

近5年で好走した関東馬がいないわけではないのだが、3頭とも日経賞を使わなかったことが理由として考えられる。15年②着のフェイムゲームは2月のダイヤモンドSから。関東馬のワンツーだった昨年は、①着のフィエールマンがAJCCから、②着のグローリーヴェイズが日経新春杯からと、いずれも1月以来の出走だった。

そして今年、連覇を狙うフィエールマンは12月の有馬記念から直行を予定している。この動きは見逃せないところで、春天で好勝負を期待できる関東馬は年を追うごとに出走間隔を空けるようになってきている。消耗度の大きい超長距離G1で、輸送を伴う関東馬にとってはゴールデンウィークの渋滞に見舞われやすい時期でもある。いかんせん、今年のGWは高速道路もガラガラかもしれないが、それはさておき、春天に臨む関東馬はなるべくフレッシュな状態で出走させたほうがいいという考えが広まりつつあるのかもしれない。

なお、もうひとつの前哨戦である阪神大賞典も一時期は本番にあまり直結しなかったが、近5年は[2.2.4.23]と持ち直してきた。日経賞といえば、かつてはシンボリルドルフやライスシャワーなどの数々の名馬が春の盾獲得につなげた伝統あるレースだけに、こちらの復権にも期待したいところである。

今年のレースについて触れる前に原稿を締めくくるような感じになってしまったが、勝ったのはミッキースワローだった。これで重賞は3勝目。中山は[3.2.0.3]で、そのうち2勝はG2戦。18年有馬記念を除けば掲示板を外したことがないコース巧者である。

この手の中山G2強者の系譜は連綿と続いている。私が本格的に競馬を見始めた90年代半ば以降でもローゼンカバリー、ダイワテキサス、バランスオブゲーム、ナカヤマナイトなどなど。早世したヴェルデグリーンも忘れがたい。そのなかからオールカマー3連覇のマツリダゴッホや中山記念連覇のウインブライトのように、ときにG1馬まで出世する馬も現れる。

シビアな言い方をすると東京では瞬発力が足りない善戦マンではあるのだが、概して息長く走り、風物詩のような存在となって競馬に彩りを加えてくれる。ミッキースワローも6歳にして意気軒昂だ。今年は、横山典弘騎手とのコンビが復活した前走のAJCCで④着に入り、G1牡馬がいないメンバー構成となった今回は1番人気の支持を集めた。

中山芝2500mでは不利大外14番枠を引いてしまったが、後方待機が常の馬だけにそこまでの影響はなかったか。3角から徐々にポジションを上げていき、4角を回る勝負どころでは先団を伺う5番手の位置。ひと足早く抜け出しを図ったエタリオウスティッフェリオを先にやらせておいて、直線半ばで満を持して先頭へ。最後は追いすがる②着モズベッロに1馬身以上の差をつけてゴール板に飛び込んだ。

ただし、直線で断続的に外側に斜行してモズベッロの進路を妨害し、横山典騎手騎乗停止処分を受けることとなった。逆に被害馬のモズベッロも内にモタれていたようだが、明らかに追いづらい場面があり、まともなら着差は詰まっていたはずだけに後味の悪さは残る。それでも同じ中山重賞でモズベッロの成績を比較すると、昨秋のセントライト記念⑰着から大幅な進歩となったのは間違いなく、別定重賞でも結果を出したことも大きい。京都実績という点ではこちらのほうが上でもあり、本番で見返したいところだろう。

最後にもう1頭、引退レースの予定だった中山記念で③着に入って続戦となったソウルスターリングは今度こそラストラン。結果は⑬着に終わったものの途中から果敢にハナに立ち、最後の力を振り絞る力走だった。繁殖入り初年度となる今年は新種牡馬ブリックスアンドモルタルとの配合が決まっているようだが、個人的には欧州の一流種牡馬との交配も見てみたい。


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