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速攻レースインプレッション

"叩き2戦目の前哨戦"を圧勝、次が試金石に

文/編集部(T)


例年のマイラーズC安田記念や、あるいはヴィクトリアマイルを見据える前哨戦として扱われるレースだが、今年は若干様相が違うことになった。同日に香港・シャティン競馬場で行われるチャンピオンズマイルに参戦を予定していたインディチャンプが、新型コロナウイルスなどの影響を受ける形で遠征を断念。こちらに矛先を向けてきたからだ。

インディチャンプといえば典型的な"叩き良化型"で、昨年のマイラーズCは2ヵ月半ぶりで④着に敗れ、次走で安田記念を制覇。秋の毎日王冠も4ヵ月ぶりで③着に敗れ、次走でマイルCSを制して春秋マイルG1連覇を達成している。

ただ、昨年と違うのは、今年は当初からチャンピオンズマイルを目標にしていることが伝えられており、そのために年明け緒戦の中山記念を一度使われての臨戦だったこと。そこで④着に敗れていたのは、この馬のキャラクターを考えると仕方のないところか。

それでも、このレースはあくまで安田記念の前哨戦。果たして今回のインディチャンプ"いつもの前哨戦"なのか、それとも"いつもの叩き2戦目"なのか。今回のインディチャンプが国内だと昨年の東京新聞杯以来となる1番人気(単勝1.6倍)に推されたということは、後者だと考えたファンが多かったのだろう。

スタート直前、そこまで3番人気に推されていたフィアーノロマーノが馬体に故障を発症し、競走除外に。スタートで2番人気のヴァンドギャルドが出遅れ、インディチャンプにとって、ライバルが次々といなくなる形になった。

一方、前はランスオブプラーナベステンダンクが2頭で後続を離して先行し、インディチャンプは前目の4番手から進める。勝負所でも前2頭の脚色は悪くないように見えたが、インディチャンプ力が違うとばかりに持ったままで前に接近すると、直線でも福永騎手の手は全く動かないままで先頭へ。その後も手綱をしごく程度で、ノーステッキのまま2馬身差の圧勝を飾った。

結果だけ見ると"叩き2戦目のインディチャンプ"だったわけだが、そうなると目標を切り替えたとされる安田記念でどうか、ということになる。ちなみに、これまでの休み明け3戦目は3歳時の2勝クラスで②着、昨年の香港マイルでは⑦着に敗れている。

ここで思い出したのが、『サラブレモバイル』で4月22日に掲載された「西塚助手」で、西塚助手が語っていたこと。ここに一部を抜粋したい。

もちろん、使ったことで状態が上がることもあります。しかし一度使ったダメージが想定以上に大きくなり、その疲れが抜け切れないまま本番、というケースもあり得る。要するに、そういった部分を人間がコントロールするのは難しいんです。

もちろん、この馬は使った方が良いタイプなのか、そうでないのかということは、陣営も見極めるように努めています。


インディチャンプはひと叩きされた方がいいタイプなのは、これまでの戦績が示す通り。しかし、中山記念安田記念だと再び休み明けでの臨戦となってしまうから、"叩き2戦目の前哨戦"としてマイラーズCを使う必要がある。結果的に、今年の安田記念は昨年と違い、使ったダメージや状態をコントロールしつつ、3戦目で結果を出す必要があるわけだ。

そういう目で見ると、インディチャンプ陣営の工夫がいくつか見えてくる。馬体重が476kg(16kg増だった前走から2kg減)で、安田記念マイルCSを勝った470~472kgと比べると若干重い。また、福永騎手が見せた今回のレース運びは、ライバルが次々にいなくなることも味方したかもしれないが、それでもできるだけダメージを残さないように、細心の注意を払ったようにも見えた。

今年の安田記念は、なかなかの豪華メンバーが揃いそう。昨年の香港マイルインディチャンプを下したアドマイヤマーズ、G1初制覇に燃えるダノンキングリーなどが向かうと伝えられていて、それ以外ではアーモンドアイグランアレグリアなど、ヴィクトリアマイルに向かうとされる馬の参戦も可能性がありそうだ。

国内マイルG1・3連覇に向けて、百戦錬磨の音無師福永騎手"3戦目の壁"にどう挑むか。その調整過程を含め、興味深く見守ることにしたい。




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