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速攻レースインプレッション

強風が勝敗を左右するひとつの要因となった

文/出川塁


オークスへの優先出走権を争うフローラSで今年注目されたのが、エアグルーヴの孫にあたるレッドルレーヴとひ孫にあたるスカイグルーヴ。当然ながら血統は似ており、レッドルレーヴエピファネイアを付ければほとんどスカイグルーヴのできあがりといった関係にある。

両馬ともに前走は重賞②着で、ここはスッキリ勝ってG1に臨みたいところだったろう。実際、残り400mを過ぎたところでは馬体を合わせて先頭を伺い、2頭揃ってオークス切符を獲得かと思わせる場面もあった。ところが、そこから急激に失速してスカイグルーヴは⑤着、レッドルレーヴも⑦着に沈み、夢もしぼんでしまった。

その要因のひとつとなったのが風だ。今日の府中は朝から強い風が吹き、乗り物酔いしやすいなど中継画面を見ているだけでも気持ち悪くなるぐらいだったが、メインレースに近づくにつれてますます吹き荒れていった。フローラSではダートコースの砂が巻き上がって馬群が霞んで見えるほどで、見た目にも走りづらそうだった。

この風は西から吹いているので、最後の直線は強烈な向かい風。ということは、向こう正面は追い風でオーバーペースになりやすく、1000m通過は58秒6。早めに仕掛けた2頭の脚がとまるのは仕方のないところで、しかもスカイグルーヴマイナス14キロレッドルレーヴマイナス8キロと馬体が減っていたことも追い打ちをかけたのだろう。

もっとも、この2頭以外に直線を向いたところで風をモロに受ける位置にいた馬の着順を調べると、シャンドフルールが⑮着、リヴァージュが⑰着、ウィスパリンホープが⑯着と下から3頭を占めている。そう考えると、ひとケタ着順に収まった人気の2頭はよく頑張ったと考えるべきなのかもしれない。

これを裏付ける材料となりそうなのが、いずれも直線の半ばまで馬群の中で我慢していたウインマリリンホウオウピースフルフアナが馬券圏内を占めたこと。つまり、前を行く馬を風よけ代わりにしていた3頭がオークスの優先出走権を手に入れることとなったのである。さらに言えば④着のショウナンハレルヤも同様の競馬をしていた。

上がり順位を見ても、上位3頭では馬群をさばくのにいちばん苦労したフアナ上がり1位を記録し、同2位タイウインマリリンホウオウピースフル。一方、直線に入ってすぐに前が開けたスカイグルーヴの上がりは8位タイで、レッドルレーヴは同じく12位にとどまっている。いささか単純な見方かもしれないが、風よけの有無がゴール前の余力に影響したのは間違いないはずだ。

この通り、綾のあるレースではあったものの、4→2→5番人気の決着で波乱というわけではないのも面白いところ。そして、デビュー4年目の横山武史騎手にとっては嬉しい重賞初制覇となった。

デビューした17年から13勝、35勝、54勝と順調に成績を伸ばし、今年は先週まで22勝。昨年11月に100勝を達成して減量特典が失っているのに、さらにペースを上げているのは驚異的だ。しかも、今日は重賞初制覇にとどまらず、準メインを13番人気馬で、最終レースを12番人気馬でそれぞれ制すというド派手な3連勝で大きなアピールに成功した。フローラSの最後の直線では鞭を落としてしまったようだが、それだけ必死に追っていたのだろう。

馬券的なことについても触れておくと、今年の単勝回収率は先週までで139%、今週も含めると181%と抜群。距離別の成績を芝ダート別で見ていくと、芝は短距離から長距離までさほど偏りなく来ているのに対し、ダートは短い距離のほうがいいようだ。人気別成績では、1番人気が勝率23.5%、単勝回収率63%、2番人気も同14.3%、62%と人気サイドで水準に届いていないのは課題。3番人気以下のほうが安心して買え、特に4~6番人気あたりの数字は申し分がない。

こうして数字を見ていくと、芝2000mのフローラSで4番人気のウインマリリンに乗った今回は買いどきではあったようだ。「横山武騎手が最近乗れているな、データを調べておこう」とレース前に気づいていた人は馬券のセンスがあるのだろう。残念ながらセンスに欠けるは、これから取り返していきたい所存である。




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