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速攻レースインプレッション

砂質を問わない強さを見せつけた

文/編集部(M)


オメガパフュームの母オメガフレグランスは父ゴールドアリュール×母ビューティーメイクという血統で、オメガフレグランスの姉に一口出資していたこともあって、個人的にこの血統は馴染み深い。

ビューティーメイクはリアルシャダイ産駒で、初勝利こそ芝1200m(福島)で挙げたが、その後の6勝は芝2400~2500mで、いかにもリアルシャダイ産駒らしい長距離型だった。昔懐かしいドンカスターH(京都芝2400m)も勝利している。

その長距離型にゴールドアリュールスウェプトオーヴァーボードを配合されたオメガパフュームダートの長距離戦線で活躍することは、首が痛くなるほどに頷ける事象だ。オメガパフュームはこれまでに3度の馬券圏外があるが、いずれも1800m以下のレースで、1900m以上だと[4.2.1.0]と崩れたことがなかった。

前走の東京大賞典を快勝した内容からも、1900m戦の平安Sで評価することは当然と言えば当然だったのだろうが、昨年(③着)時よりも気になることがあって評価を下げてしまった。

ひとつは57kgを超える斤量が昨年の平安Sだけで、昨年のこのレースが1分58秒1(良)という遅い時計の決着だったこと。そして、3歳時のシリウスS(ハンデ53kg)を最後にJRAのダートでは勝ち鞍がなく、砂質の軽いJRAのダートで時計が速くなったら、斤量59kgで切れ負けしてしまう恐れがあるのではないかと危惧したのだ。これまでで出走間隔がいちばん開いていたことも気になった(今回は4ヶ月半ぶりだった)。

しかし、終わってみれば、②着ヴェンジェンスに1馬身1/4差を付ける快勝で、勝ち時計は1分56秒0(良)。計時した上がり3Fの35秒5はメンバー中最速で、オメガパフューム自身が中央ダートで記録したベストの速さだった。恐れ入りました、としか言いようがない。

ダート戦は重い斤量を背負っていても地力の高さで克服するケースが多いことは確かだが、その多くは大型馬やスピードを活かせる距離で、今回のようなケースは珍しい。

調べてみると、JRAのダート1900m以上のOPを斤量58kg以上で勝利した馬は90年以降だと10頭いて、そのうち馬体重が478kg以下だった馬は3頭だけ。その3頭は91年ウインターS(中京ダート2300m)のナリタハヤブサ(472kg)、07年ベテルギウスS(阪神ダート2000m)のワンダースピード(478kg)、11年ベテルギウスS(阪神ダート2000m)のキングスエンブレム(466kg)で、いずれも斤量58kgだった。今回のオメガパフュームは馬体重が460kgで、斤量59kgを克服しての快勝だから価値が高い。

4ヶ月半ぶりという臨戦はオメガパフューム自身にとって最長の出走間隔だったことを前述したが、むしろそのことも悪くなかったようだ。昨年時は東京大賞典(①着)の後にフェブラリーS(⑩着)を使われていたが、今年はそこをパスして臨んできた。小柄なタイプであることと今の調教施設&技術であれば、間隔が開くことが大きなマイナスにはならないということなのだろう。この点は今後の反省材料にしなければ…。

オメガパフュームの次走は、昨年も勝利した帝王賞が予定されている。大井ダート2000mは初挑戦となったジャパンダートダービーこそ②着に敗れたが、その後は東京大賞典→帝王賞→東京大賞典と3連勝中だ。JRAのダートよりもむしろ得意にしてきた条件で、今年も最右翼の存在であることは揺るぎないだろう。

一方、2番人気だったゴールドドリームは③着までだった。こちらはJRAのダートが[6.4.0.1]で、スピードの出やすい砂質のコースの方が良い印象があったが、今回の馬体重は530kgで、帰国初戦という影響もあっただろうか。5歳以降に勝利した3戦は514~526kgで、次走以降は馬体重の動きにも注意を払いたい。

地方競馬から6連勝中だったロードレガリスは、1番人気に推されたものの⑩着に大敗してしまった。元々ゲートに課題があり、ダートで初めての馬番2番という内枠が気にはなったが、気難しい面を出したようで、まったく良いところがなかった。前走のマーチSを勝利し、これまでダートでは馬券圏外がなかったスワーヴアラミスも⑤着に敗れ、今回はダート上級クラスでの経験値が物を言う結果にもなった。

ダートでの上がり馬が内で揉まれて惨敗するケースは時に目にするものだが、例えばエアアルマスのように後に一変することも間々ある(エアアルマスはダート3連勝で迎えた昨年の武蔵野Sで1番人気ながら⑪着に敗れ、次走の東海Sを2番人気で勝利した)。敗戦のダメージが尾を引かないように、むしろとできるかどうかで今後が大きく変わってきそうだ。




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