独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

2000m以上では「無傷の」4連勝、今後が大いに楽しみ

文/浅田知広


日本ダービーの余韻も(お茶の間に)残る中で迎えた目黒記念。今年は重賞勝ち馬6頭を含む18頭で争われた。

さて、突然ですが問題です。その重賞勝ち馬6頭(7勝)をすべて挙げなさい。

いや、もう競馬に何年もどっぷりハマっているみなさんならじっくり考えればわかるだろうが、ここ数年ではじめた方、あるいはライトなファンにとっては、これはけっこうな難題だろう。

6頭の中で直近のミライヘノツバサ(ダイヤモンドS)は競馬新聞等を見ればすぐにわかるが、その前はもう2018年夏~秋のニシノデイジー(札幌2歳S東京スポーツ杯2歳S)。さらに同年春のステイフーリッシュ(京都新聞杯)あたりになると、ここ1年半ほどは「善戦マン」のイメージで、そういえば、という話だ。続いて、2017年末にはメートルダール(中日新聞杯)とサトノクロニクル(チャレンジC)。そして、ここから2年半以上開いて2015年3月の毎日杯ミュゼエイリアンとなる。

重賞勝ちの実績馬。しかしその「実績」を挙げてから間隔が開いてしまった馬ばかりとなると、これはなかなか人気にはなりづらい。2走前に勝ったミライヘノツバサにしても、そのダイヤモンドSは単勝シンガリ人気の3万馬券、前走天皇賞(春)⑫着では、13番人気という評価。この勢力の最上位は、7番人気・13.8倍のステイフーリッシュである。

人気上位に推されたのは、重賞優勝実績のない馬たち。1番人気は条件戦3連勝中キングオブコージ、続く2番人気は昨夏に3連勝、2走前のダイヤモンドSで③着があるオセアグレイト。1頭挟んで4番人気には、2走前まで条件戦3連勝だったボスジラと、「3連勝」経験のある4歳勢がその主力。ここに5歳馬、昨秋に同コースのアルゼンチン共和国杯で②着に入っているタイセイトレイルが3番人気で加わり、この4頭が単勝10倍以下の支持を受けて発走を迎えた。

近走で2戦以上続けて逃げた馬が皆無というメンバー構成で、先手を奪ったのは6走前に条件戦を逃げ切ったパリンジェネシスだった。押っつけてみたけど他が速いからやめようか、いややっぱり行く馬いないみたいだし行ってしまえ、という石橋脩騎手の心の動きが見えたようなスタート後の200~300mがありつつ1コーナーへと入っていった。

さて、人気どころはというと、オセアグレイトは好位から中団あたり。しかし、キングオブコージはスタートで少々遅れ、直後には挟まれ気味。ボスジラもゲートの出がひと息で、いつも通りの後方だったタイセイトレイルも含め、単勝10倍を切る4頭中3頭が後ろからの競馬になった。

画面に表示された前半1000m通過の参考タイムは1分0秒1。序盤は淡々と進んだ日本ダービーとは違い、こちらは道中でもっとも遅かったラップでも12秒3(スタート後500~700m)と淀みない流れ。好位から中団あたりまでは5~6馬身の圏内だったが、後方は縦に長く伸びる展開だ。その馬群が徐々に詰まりはじめたのが3コーナーあたり。4コーナーは後方までほぼ一団となって通過していった。

直線に向くと、まず好位から一気に伸びて先頭に立ったのがオセアグレイト。その外から14番人気サトノクロニクルがこれに襲いかかり、これは大波乱か、と思ったのもつかの間。結果的にこの流れの中では先頭に立つのがやや早すぎた。2頭揃って「先頭に立つまで」の勢いが、「先頭に立ってから」あっという間に失われ、後続の餌食になってしまったのだった。

2頭の間からズバっと突き抜けたのは、1番人気のキングオブコージだ。一瞬は前2頭の勢いが良く見えただけに、リアルタイムでは「いつの間にやらそこにいた」という感もあったが、馬群で手応えよく抜け出すタイミングをはかるようなレース運び。外からアイスバブル、内からはステイフーリッシュも渋太く食い下がったものの、最後はこれを振り切って見事、勝利を手中にした。

ロードカナロア産駒キングオブコージ。そんな血統面もあってか4走前まではマイル以下中心の出走だったが、年明け初戦・1勝クラスの芝2000m戦で2勝目を挙げると、以降は2200~2500mと長距離寄りにシフトして本領発揮。今回は重賞、それも昨年のこのレース②着のアイスバブル京都記念②着などのステイフーリッシュと、この路線のG2好走馬を下しての勝利だ。

これで2000m以上では「無傷の」4連勝。ハンデ戦で54キロとやや恵まれた部分もあったが、今後が大いに楽しみになったのは確かだろう。このまま連勝を伸ばし、ジャパンC、あるいは有馬記念あたりで無敗のダービー馬と初対戦、といったシーンも見てみたいものだ。




TOPページに戻る