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速攻レースインプレッション

数々の不安を吹き飛ばし、久々のレースで実力発揮

文/編集部(T)


競馬でよく聞くフレーズに、“競馬に絶対はない"というものがある。これは無敗の三冠馬に輝き、最終的に七冠を制したシンボリルドルフを管理した野平祐二元調教師の言葉といわれる。実際はその後に、“だが、シンボリルドルフには絶対がある"と続くそうだ。

シンボリルドルフのような馬が多いと予想する方は楽になるのだが、これほどの馬はそうそう出てくるものではないし、そんなレースばかりでは面白くない。“この馬が絶対勝つ!"と断言できるほどの馬やレースはあまりなく、“この点がどうかなあ"だったり、“不安なポイントはあるけど……"というものを抱えているケースがほとんどだ。

今年の鳴尾記念を勝ったパフォーマプロミスも、10番人気という評価が示す通りで、そんな1頭だった。G2を2勝、前走の天皇賞・春で③着に好走していて、圧倒的1番人気に推されたオークスラヴズオンリーユーに次ぐ実績を誇る。そんな馬が斤量56kgで出られるのだから、本来なら上位人気でおかしくない。

だが、冒頭で触れたような“不安なポイント"がとてつもなく大きい(ように見えた)。前走の天皇賞・春は今年ではなく昨年のもので、今回は1年1ヵ月ぶりの実戦となる。G2を2勝といっても芝2400~2500mのもので、2000m以下の距離を使われたのは3年以上前。さすがにここは宝塚記念に向けてのひと叩き、という見方が多かったのだろう。

そしてレース。逃げ、先行馬が多いメンバー構成で、どの馬がハナに行くかが注目されたが、キメラヴェリテが出遅れたことでサトノフェイバーがすんなりと逃げる形。前半1000m通過が60秒フラットで、開幕週の馬場としてはそこまで速くないペースになった。

そんな中、パフォーマプロミスは馬体重こそ14kg増の466kgで過去最多となったが、最内枠から楽に中団に付けて実にスムーズな立ち回り。直線入口で先行馬の外に持ち出してラヴズオンリーユーとのマッチレースに持ち込むと、最後は首の上げ下げで圧倒的1番人気馬を振り切ってみせた。

レース後、鞍上の福永騎手「あまり自信はなかった」という、正直なコメントを残したそうだ。実際、外野から見ても不安要素の多いレースだったし、首の上げ下げでハナ差という結果を見ても、運が向いた面は間違いなくあるだろう。

パフォーマプロミスを管理する藤原英厩舎は、G1をはじめとする目標レースに向けて狙いすました仕上げをすることで知られている。実際、これまで同厩舎の馬はJRA・G1を10勝しているが、そのうち8勝は前走で③着以下に敗れている。連勝でG1を制したのは、08年ヴィクトリアマイルエイジアンウインズだけだ。

馬体重が示すように、もしかしたらここは目標を先に見た余裕残しの仕上げだったのかもしれない。それでもオークス馬を下して勝ち切るのだから、やはりこれまでの実績が示す通り、斤量56kgで臨めるG3の舞台は、文字通り力が違ったのだろう。

パフォーマプロミスの次走がどこになるかは未発表だが、宝塚記念だとしたらまだ連対歴のないG1の舞台とか、斤量58kgとか、長期休養明けで激走した後の二走ボケとか、いくつも不安要素は挙げられる。

それでも、現状の宝塚記念の想定メンバーを見る限り、チャンスはありそうな印象も受ける。7歳12月の引退レースで初G1制覇を飾った父ステイゴールドのように、8歳のパフォーマプロミスがG1初制覇を飾る場面が見られるだろうか。いずれにしても、パフォーマプロミス“絶対"といわれる存在ではならないだろうが、だからこそ次が楽しみだ。




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