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速攻レースインプレッション

キングマンボ系とステイゴールド系が根性ある走りを見せた

文/編集部(M)


エプソムCは昨年(稍重)も一昨年()も道悪馬場だったが、今年はさらに馬場状態の悪い不良馬場での施行となった。6月に行われるエプソムCはいつも馬場が悪い印象があると思うが、不良馬場で行われたのは2000年以来20年ぶりのことだった。その2000年はアメリカンボス(キングマンボ産駒)が制していて、今年はキングマンボの孫にあたるダイワキャグニー(キングカメハメハ産駒)が優勝した。これは偶然ではないだろう。

不良馬場で芝重賞が行われたのは今年の中山牝馬S以来で、同レースを制したのはルーラーシップ産駒のフェアリーポルカだった。ご存知の通り、ルーラーシップキングカメハメハの産駒で、ルーラーシップ自身も不良馬場での重賞制覇を2度(2011年金鯱賞、2012年アメリカJCC)も記録している。ルーラーシップ産駒では、2017年菊花賞(不良)を勝利したキセキもいる。

今回、最低人気ながら③着に粘り込んだトーラスジェミニキングマンボの系統(キングズベスト産駒)で、⑤着となったアトミックフォースワークフォース産駒(キングマンボ系)だし、②着ソーグリッタリングステイゴールド産駒、④着アンドラステオルフェーヴル産駒だから、今回はキングマンボ系とステイゴールド系に向いた馬場だったのだろう。いや、その2系統に向いた馬場と言うよりも、これだけの極悪馬場でもその2系統には克服する能力があったと称えるべきだろう。掲示板に載った馬たちは実に根性ある走りを見せた。

そうは言っても、ダイワキャグニーが押し切って重賞制覇を果たすという想像は、ちょっとできていなかった。いや、穴ぐさ(【C】)に挙げていたから、当然チャンスがあるとは思っていたが、なにせ若い馬が強いレースで、別定戦となった1996年以降で6歳以上で優勝したのはシンゲン(2009年・6歳)だけだった。近24年のうち、4歳馬が13勝、5歳馬が10勝を挙げていて、そのデータを覆して優勝したのだから、ダイワキャグニーにとっては恵みの雨だったのかもしれない。

ダイワキャグニーはこれまでの全7勝を東京芝で挙げていて、そのうちの4勝を1800mでマークしていたコース巧者で、今回のメンバー中、東京芝1800mで2回以上の勝利実績があったのは、ダイワキャグニーアイスストーム(2勝)だけだった。他にこのコースで勝ち鞍があったのは、サトノアーサーピースワンパラデイレイエンダの3頭だけで、コース実績では群を抜いていたわけだが、その全7勝はいずれも良馬場でもあった。

実績的には道悪馬場がこなせるのか?と疑問を持たれても不思議なかったのかもしれないが、昨秋のジャパンC(⑥着)のレースぶりを見れば、ダイワキャグニー道悪馬場を克服できそうなことは容易に想像できただろう。重馬場での施行となった同レースはハナを切って前半1000mを60秒3で逃げ、直線でも見せ場を作って③着ワグネリアンと0秒4差だった。今回、その道悪適性の高さを実証する結果になった。

ダイワキャグニーは東京芝1800mでデビュー2連勝を飾った後は連続連対がなく、時にふた桁着順を喫したりして成績の波が激しいタイプだが、昨秋のジャパンCのように適性が合致した時はG1でも好戦する力を秘めていて、今後も常に侮れない面があるだろう。今回の勝利で、前走⑨着以下からの勝ち鞍が4度目となった。むしろ馬券を買うこちら側に、前走着順に怯まずに狙う勇気があるかどうかがポイントかもしれない。

②着に入ったソーグリッタリングは昨年(③着)から着順を上げたが、こちらはまたもタイトル獲得はならなかった。ただ、これまで4度の重賞挑戦は⑤③③④着だったから、着実に前進している。今回、斤量57kgを背負ってひと桁着順に入ったのはこの馬だけで、噛み合えば重賞の舞台でも再度チャンスが出てきそうだ。

④着となったアンドラステは中団追走から外を回って差し込む形だったから、初の馬券圏外でも悲観する内容ではなかった。過去2度の敗戦が中3週時で、今回は中3週に加えて初の東京コースだったことを危惧したが、これだけ走れれば実績ある条件に戻ってのタイトル獲得も近いのではないか。

ちなみに、不良馬場で行われた前回のエプソムC(2000年)で上位入線を果たした馬は、その後によく活躍した。優勝したアメリカンボスはその後にG2を2勝し、②着のダイワテキサス重賞2勝を重ね、③~⑥着となった4頭も後に芝重賞で連対している。今年の上位入線馬たちも、今後に根性のある走りを見せてくれるのではないだろうか。


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