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速攻レースインプレッション

ひとまず「後のG1制覇」は軽々クリアしてくれるに違いない

文/浅田知広


優勝馬が後にG1を制する確率が高い2~3歳重賞、というとどのレースが思い当たるだろうか。2010~2019年にJRAのG1を制した馬についてざっと調べたかぎりでは、東京スポーツ杯2歳Sがトップだった。2008年のナカヤマフェスタ(2010年に宝塚記念を制覇)から昨年のコントレイル(すでにG1・3勝)まで、この間の優勝馬のうち実に8頭が後にG1タイトルを獲得している。

ただ、ダートグレード競走のG1・Jpn1まで含めると、このユニコーンSも相当なものだ。まず創設当初、シンコウウインディからアグネスデジタルまで5年連続で後のG1馬が優勝。その後、ユートピアやカネヒキリを出しつつも当初の勢いが止まった期間もあったが、ここにきて2013年のベストウォーリアから昨年のワイドファラオまで、7年間で6頭(5年連続)が後にG1制覇を果たしているのだ。「出世レース」という言葉はもう少し格が下のレースに使いたい気もするが、とにかくここを勝てれば後々かなりの活躍を見込めると考えていいだろう。

そんな一戦に、今年も好メンバーが顔を揃えた。その大物予備軍の中でも特に注目されたのは、単勝2.0倍の支持を集めたカフェファラオだ。昨年末のデビュー戦は、②着に10馬身差をつける圧勝で、②着から③着まではさらに9馬身。そしてその②着馬バーナードループは2戦目から3連勝で兵庫チャンピオンシップを制覇と、新馬戦の結果だけを切り取っても大物感たっぷりという印象である。加えて、2戦目のヒヤシンスSがこれまた強い勝ちっぷり。まだ若い面があることや、約4ヵ月ぶりの実戦になることを差し引いても、単勝2.0倍でもつきすぎではないかという印象も受ける。

そのカフェファラオの人気をやや押し下げたのは、同じく2戦2勝・レッチェバロック(3.1倍)の存在だ。新馬戦は②着に2秒0差の大差勝ち、そして2戦目は1秒4差の9馬身差。このときの②~④着はハナ+クビの接戦だったが、3頭揃って次走は①着。そんな相手に圧勝してきたのだから、こちらも人気になるのも納得である。

この2戦2勝馬2頭に続いたのはデュードヴァン(6.2倍)。こちらは2走前のアーリントンCこそ⑪着に敗れたものの、ダートにかぎれば3戦全勝。その3勝はすべて今回と同じ東京ダート1600m戦だ。1~3番人気、いずれも「将来のG1馬です」と言われて、疑問を挟む余地はあまりないような面々だ。

この3頭の中で、まず速そうなのは2戦とも逃げ切りのレッチェバロック、そしてゲートにやや不安があるのは前走で出遅れたカフェファラオ。さて、芝の上でどんなスタートになるかと思えば、ゲート自体はカフェファラオのほうが速いくらい。ダートコースに入ったところではレッチェバロックが先頭、カフェファラオは5~6番手。そしてデュードヴァンは出脚ひと息で後方からの競馬となった。

レッチェバロックの刻んだラップは2ハロン目が10秒9、3ハロン目が11秒2。当初は2馬身ほど離して逃げていたが、これを追っていったのはなんとカフェファラオ。3コーナー手前で2番手まで上がり、絶対に逃げ切りは許さないぞというレース運びだ。

レッチェバロックも楽な手応えで直線に向かったものの、残り400mでその外から、やはり馬ナリでカフェファラオが並びかける。こうなってしまうとレッチェバロックは苦しく、あとはカフェファラオの独壇場。後続をぐんぐんと引き離し、終わってみれば5馬身差の大楽勝となった。

上がりの2ハロンは12秒2-12秒2。速いペースを自ら積極的に追いかけながら、最後までまったく止まるところがなかったのだから、この圧勝も当然の結果だ。今年はケンタッキーダービーが9月ということで……、などと言いたくもなってくる3連勝。海外遠征となると、現実的にはもう少し新型コロナが落ち着いてくれないと難しいだろうが、ひとまず「後のG1制覇は軽々クリアしてくれるに違いない。

そして、ほぼ最後方から鋭い脚を繰り出し②着に入ったのは、3番人気のデュードヴァンだった。もしカフェファラオさえいなければ、けっこう強い競馬だったよね、と言ってもらえそうな走りだったが、今回はあまりに相手が悪すぎた。同世代の芝路線・サリオスの存在が頭をよぎるが、この馬もいずれどこかでG1タイトルを手にするチャンスはあるだろう。また、今回は⑨着に敗れたレッチェバロックも、スプリント路線に進めば巻き返してくれそうだ。

今年も見応えのあるレースとなったユニコーンSカフェファラオがどこまで出世するのか楽しみであると同時に、来年あたり、このレース自体がG2に出世してもおかしくない気がするが、さてどうだろうか。


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