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速攻レースインプレッション

展開、臨戦過程を追い風に、文句なしの完勝

文/編集部(T)


先週に続き、東京&阪神は雨の影響を受けた馬場になったが、函館は開幕から良馬場での開催が続いている。それもあってか、土曜の芝1200mで行われた新馬戦では従来のレコードを0秒5更新し、1分8秒7という好時計でモンファボリが逃げ切っている。

そんな馬場状態ということは、さすがに前に行った馬が有利なんだろう……と思いきや、そうとは限らないのが競馬の難しいところ。先週土曜、日曜、そして今週土曜の函館メインはいずれも16頭立ての芝1200mで行われたが、そこで4角先頭の馬は⑫⑤⑮着と壊滅。2番手の馬も⑤⑫③着で、好成績とは言いづらい。18~19年の函館スプリントSはいずれも逃げた馬が勝利していたが、さて今年は。

そんな視点で馬柱を見渡すと、逃げそうな馬があまり見当たらない。8枠の2頭、メイショウショウブダイメイフジが逃げ脚質の馬だが、いずれも近2走はダートや芝1400mでのもの。スピード自慢が集まるスプリント重賞で逃げられるかどうかは未知数だ。

さて困ったぞ、となったところで、目に入ったのが人気濃厚のダイアトニック。初の芝1200mとなった高松宮記念で難なく先行して③着(4位入線)に好走。直線で寄られる致命的な不利がなければ突き抜けていたかも、という内容だった。

注目のスタートは、菱田騎手騎乗のダイメイフジが大外枠から好ダッシュを決めてハナへ。メイショウショウブは伸び上がるようなスタートでダッシュが利かず、この時点で先行争い(争いが起こるほどのものでもなかったが)が決着した。

人気のダイアトニックも、武豊騎手がその気になればハナに行けそうなスタートだったが、控えて2番手へ。そのままダイメイフジの後ろで脚を溜め、勝負所で前との差を詰めると、直線で少し外に持ち出して2馬身突き抜ける。先行馬の勝ち方はこうあるべき、というような、教科書通りの勝ちっぷりを見せた。

結果的に、4角2番手のダイアトニックが勝利4角先頭のダイメイフジが②着で、ペースを読み切った2人の騎手の好騎乗が光る結果になった。勝ち時計は1分7秒5とまずまずだったが、ダイアトニックはメンバー中で唯一斤量58kgを背負っていたことを考えると、完勝といえるだろう。

この勝利で、ダイアトニックは父ロードカナロアが勝てなかったレース(父は12年函館スプリントSで②着)を制し、ひとつ“父越え"を果たした。函館で行われた函館スプリントSを1番人気で勝利したのは2011年のカレンチャン以来9年ぶり。それ以外は00年以降だと08年キンシャサノキセキ、03年ビリーヴしかおらず、いずれもG1馬だ。

また、ダイアトニックは臨戦過程も良かったのだろう。同馬は高松宮記念以来、約3ヵ月ぶり(中11週)の実戦で、これで休み明けでの成績を4戦4勝としたが、ロードカナロア産駒の平地重賞における間隔別成績を見ると、以下のようになる。

間隔成績複勝率
中2週以内[0.2.0.38]5.0%
中3~4週[2.3.4.34]20.9%
中5~7週[7.5.2.25]35.9%
中8週以上[19.4.3.34]43.3%

一目瞭然で、出走間隔が空くほど成績が良くなる。最近だと、安田記念アーモンドアイが中2週で②着に敗れたことが記憶に新しいが、安田記念以前のアーモンドアイが間隔を空けつつ使われていたのは、間隔を詰めると良くない理由が何かあるのかもしれない。

ダイアトニックは父と同じ安田隆厩舎の管理馬。そこで上表の中で、同厩舎の馬の成績に限ると、中3週以上だと[9.3.3.19](複勝率44.1%)と好成績なのに対し、中2週以内での臨戦はわずか4回しかなく、いずれも馬券圏外に敗れている。

安田隆厩舎といえば、昨年のこのレースにもダノンスマッシュで参戦予定だったが、薬物騒動によって無念の競走除外。ダノンスマッシュは仕切り直しとなった次走のキーンランドCを制したが、同馬は残念ながらまだG1には届いていない。

函館スプリントSサマースプリントシリーズの第1戦だが、ダイアトニックはそこにとどまらず、父子同厩舎によるG1制覇、さらに海外へと、大きく羽ばたいてくれるのではないか。そういう期待を込めて、今後に注目したい。


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