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速攻レースインプレッション

らしくもあり、らしくもないワンツー決着で大波乱

文/浅田知広


先週の宝塚記念では、牝馬・クロノジェネシスが6馬身差の大楽勝。これで2016年マリアライト、2019年リスグラシュー、そしてクロノジェネシスと、宝塚記念過去5年の優勝馬のうち3頭を牝馬が占めることになった。しかし「牝馬の活躍が目立つ重賞」といえば、思い浮かぶのはやはり短距離戦。特にサマースプリントシリーズの各レースでは、牝馬が数多く好走している印象がある。

今週は、そのシリーズ第2戦となるCBC賞。ただ、CBC賞がシリーズに組み込まれた2012年以降、牝馬は[2.4.1.35]で複勝率16.7%止まり。他のレースでは、キーンランドCの過去10年[7.4.6.42]複勝率28.8%を筆頭に、いずれも牝馬が複勝率20%以上を記録する中、このCBC賞牡馬優勢の傾向にある。そんなデータもあって……、というわけでもなかろうが、今年は牡馬2頭が他をやや引き離して1、2番人気に推された。

1番人気は単勝2.6倍でクリノガウディー高松宮記念はゴール前で斜行してしまい、1位入線④着降着。なにごともなければ被害馬先着という判断で、どっちにしろG1馬にはなっていないという結果にも関わらず、G1馬相当とも言えるハンデ58キロは厳しいのではないかという声も少なからず聞こえてきた。ただ、ゴールに近いところでの出来事だっただけに、斜行がなくてもレーティングは似たようなものになったはず。それに従えば58キロで妥当かな、という感もある。

続く2番人気はタイセイアベニールで4.8倍。こちらはここ4戦で3勝、前走はオープン特別の鞍馬Sを制してきた。ここから離れて7.6倍の3番人気は昨年の覇者レッドアンシェル。さらに9.5倍でミッキースピリットが続き、牝馬の最上位人気はロケット(5番人気・9.7倍)となった。

逃げが予想されたグランドロワは、スタート後に躓きでもしたのか、横からの映像でははっきりしたことはわからなかったがダッシュひと息。好ダッシュから先手を奪ったのは人気薄・13番人気のラブカンプーで、2馬身ほどのリードをとっていった。

人気のクリノガウディーは、ゲートの出そのものがいまひとつ。好発から3番手を追走した高松宮記念とは違い、中団からの追走となった。そしてタイセイアベニールはいつも通りの後方からという展開だ。

前半の600m通過は稍重馬場で33秒5。一昨年の秋、今回と同コースのセントウルS(②着)以来となる逃げを打ったラブカンプーがまさに「快調」といった走りを見せた。

一方、後手にまわったクリノガウディーは、58キロのせいか序盤の行きっぷりが悪く、スピードに乗った中盤からは馬群の中でやや掛かり気味。それでも、そう悪くはないか……と思って見ていたのだが、前に目を戻せばラブカンプーが後続を突き放し気味に4コーナーへとさしかかっていた。

あれ、これはもしかして、という直線入り口、ラブカンプーのリードは3馬身。クリノガウディーはここで前が壁になってしまい万事休す。もう1頭の人気馬タイセイアベニールもその後ろで前が詰まり、先頭まではとても届くような態勢ではなかった。

そうこうしている間に、ラブカンプーが4馬身とリードを開いて残り200mを通過。その後ろからこれも人気薄・11番人気のアンヴァルがじわじわと差を詰めにかかったものの、ラブカンプーを交わすほどの勢いはなし。結局、そのままラブカンプーが鮮やかに逃げ切り、2018年2月のかささぎ賞以来の勝利。そしてデビュー2年目の鞍上・斎藤新騎手にとっては嬉しい重賞初制覇となったのだった。

終わってみればサマースプリントシリーズらしい、しかしあまりCBC賞らしくはない、牝馬によるワンツー決着である。例年とコースが違うのだから、CBC賞自体の傾向は気にせず牝馬狙いという手もあったかと思う一方、さすがに13番人気→11番人気を買えたかといえば難しい。

ただ、ラブカンプーは一昨年のサマースプリントシリーズでは②③②着と好走を重ね、続くG1・スプリンターズSでも②着の実績馬。そしてアンヴァルは昨年7月、福島のバーデンバーデンCに出走して②着、次走の北九州記念では③着と、夏のスプリント戦で好走していた。とはいえ、その後3戦しかしていないアンヴァルはまだしも、15戦中13戦がふた桁着順だったラブカンプー復活とは。

しかしそんな成績とは関係なく、今回のレース映像だけを見れば「強い」のひと言。好調時の走りを突如取り戻したようにも感じるだけに、軽ハンデ51キロが効いただけ、と断じるのは危険だろう。その快足ぶりが再び見られるのか、次のレースが楽しみになってきた。


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