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速攻レースインプレッション

今年は荒れるこのレースらしく大波乱

文/浅田知広


15→13→3番人気と、18→6→9番人気。さて、3連単の配当が高いのはどちらでしょうか。

そんなんわかるか、という話だが、2020年7月19日・大波乱のハンデ重賞2戦、まずは函館記念である。過去10年のうち8回が3連単8万馬券以上というこのレース。昨年は単勝5.0倍ながら1番人気のマイスタイルが優勝して3連単5万円台と、波乱を期待した向きにはちょっと拍子抜けだったが、今年もやはり難解な一戦だった。

ゲートが開き、ハナを切ったのは5番人気のトーラスジェミニ。2走前のエプソムCでは18番人気ながら③着に逃げ粘って驚かされたが、前走・巴賞は鮮やかな逃げ切り勝ち。ここは1ハロンの延長が課題だが、だからといってヘンに控えることもなく、押して先手を奪っていった。

続いて、ブリンカー初装着のレッドサイオンと、再装着のレイエンダ。2番人気のレイエンダは後手を踏んだエプソムCが不本意な結果に終わっており、最内枠から互角に出られたここまでは良さそうな展開だ。1番人気のカウディーリョや、3番人気のバイオスパークはこれを見て5番手あたり。人気どころはベストアプローチを除いて前々につける展開となった。

向正面に入り、前半の1000m通過は58秒8。トーラスジェミニ巴賞は1000m61秒0のマイペースだったが、そこから開催が進み、さらに距離も200m延びたレースをこのペースで行って果たして粘れるのか、という速めの流れだ。

3コーナーにかかり、そのトーラスジェミニがやや押っつけ気味に後続を離しかけたが、これをぴったりマークして外に並びかけていったのがレイエンダだった。残り400m、トーラスジェミニに半馬身まで迫り、このまま直線で抜け出して押し切りそうな態勢にも見えた。

ただ、やはり中盤までのペースが速かったためか、4コーナー手前で後続も急接近。後方1頭、ナイトオブナイツだけは引き離され気味だったが、残る16頭がほぼ一団になって4コーナーを通過していった。

そして直線。ほんのわずか前までは勝ちパターンかのように見えたレイエンダはあっさり失速。間を割ってバイオスパークが抜け出しかかったところ、これに襲いかかったのは、大外からまくり気味に動いたアドマイヤジャスタだった。やや内にもたれ気味になりながらも、4コーナー手前からの勢いはそのまま。ゴールまで力強く伸びきって、2歳時の2018年10月(紫菊賞)以来となる久々の勝利を手中にしたのだ。

その紫菊賞は後の日本ダービー馬ロジャーバローズに1馬身4分の1の差をつけての勝利。続くG1・ホープフルSでは後の皐月賞馬サートゥルナーリアの②着、そしてすみれSでは後の菊花賞②着馬サトノルークスの②着。自身の2歳G1②着に加え、後のクラシック好走馬と勝ったり負けたりという勝負をしていたのも、そう古い話ではない。

しかし皐月賞で⑧着に敗れると、日本ダービーはしんがり⑱着。そこからふた桁着順が続き、前走の鳴尾記念⑥着が久々のひと桁着順だったが、勝ったパフォーマプロミスからは1秒差。道中で前後する位置にいた馬が①~④着を占めた中での⑥着だけに、ここで一気に①着までくるとはなかなか予想しづらかった。

それゆえの16頭立て15番人気だが、どうやら陣営はホライゾネットを着用しての走りに手応えを感じていた様子。今回、4コーナー手前から大外をまくって最後まで伸びきったあたりには、その効果がしっかりと出ていたということだろう。

先にも触れたように、もともとG1級を相手に好勝負するだけの力はあった馬ホライゾネットという心強い味方を得て、再び大舞台へと駒を進められるのか。父ジャスタウェイ(4歳秋の天皇賞でG1初制覇)、半兄アドマイヤラクティ(6歳秋のコーフィールドCでG1初制覇)という血統を考えても、これからもうひと伸びがあっても不思議はない。次走、札幌記念あたりで強敵と戦う姿を見てみたいものだ。

そして②着に入ったのは、勝ち馬の後ろから伸びた13番人気のドゥオーモ。こちらは3走前の小倉大賞典10番人気②着に続く、今年2度目となるハンデ重賞ふた桁人気での激走だ。③着には3番人気のバイオスパークが粘り込んだものの、15→13→3番人気で3連単は343万2870円という大波乱となった。

荒れるだろうと思ってはいても、さすがにここまでは……、という流れで、これまた驚きの中京記念がこの後に控えていたのだからたまらない。前日の函館2歳Sも、10番人気のリンゴアメが優勝。土日の3重賞すべてでふた桁人気馬が優勝したのは、手元でデータを調べられる1986年以降ではどうやら初めてのようである。いや、来週がんばろう。


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