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速攻レースインプレッション

多くの距離実績馬を下して優勝、次はどこで好勝負に!?

文/浅田知広


現在中央競馬で行われている牝馬限定・芝1800mの重賞は計6レース。3歳戦のフラワーCローズS、そして3・4歳以上の中山牝馬S福島牝馬S、このクイーンS、そして府中牝馬Sである。

最初にクイーンSの登録メンバーを目にしたときには一瞬、これらのレースの優勝馬がすべて揃ったかに見えたが、クイーンSローズSの優勝馬が不在だった。ただ、それぞれのレースで昨年②着に入ったスカーレットカラービーチサンバは登録あり。優勝馬か、勝ち馬と同タイムの②着で全6重賞コンプリートである。

そんな芝1800mの重賞実績馬が揃った今年のクイーンS。1番人気の支持を受けたスカーレットカラーは、前述の通り昨年の本競走②着。次走は同じ芝1800mでもG2の府中牝馬Sに出走し、後方から鋭く伸びて差し切り勝ち。今春にはマイルの阪神牝馬Sでも②着とG2で好走を重ねており、G3なら格上の存在だ。

続く2番人気のフェアリーポルカは芝1800m3戦全勝の距離巧者で、中山牝馬S福島牝馬S2連勝中。もしここを勝てば、府中牝馬S古牝馬の芝1800m重賞完全制覇も見えてくる。昨年のフラワーC優勝馬コントラチェック、そして昨年のローズS②着ビーチサンバの4頭が単勝10倍未満。離れた5番人気カリビアンゴールド(昨年の本競走③着)までを、芝1800mの牝馬重賞で③着以内に入ったことのある実績馬が占めていた。

先手を奪ったのは、重賞初出走の前走・マーメイドSで④着と見せ場を作ったナルハヤ。2017年のフローラS④着以来の重賞出走となるタガノアスワドが続き、3番手にコントラチェック。やや離れてカリビアンゴールドフェアリーポルカビーチサンバスカーレットカラーは後方からの追走となった。

前の3頭がやや後続を引き離し、前半の800m通過は46秒3、1000mは58秒2。同距離で行われた土曜メインの3勝クラス・STV賞は同48秒3、60秒4でも差し・追い込み決着だっただけに、1000m58秒2は速い印象だ。

とはいえ小回り札幌、あまりのんびり構えていては届かない。残り800mを切り、後方から早めの動きを見せるのはどの馬かと思えば、後方ではなく3番手からのコントラチェックで、3~4コーナー中間で前2頭の外に出して捕らえにかかった。これを目標に好位からカリビアンゴールドが進出、その外にフェアリーポルカという態勢で4コーナーを通過した。

そして直線。コーナーワークで内のナルハヤが盛り返して先頭、その外にコントラチェックで残り200mを通過。ただ、ゴールまで粘り切れるような展開ではなく、ここに後続が殺到した。カリビアンゴールドフェアリーポルカ、その外にシャドウディーヴァ。この3頭から勝ち馬が出るか、という残り150mあたりの様相だ。

しかし、各馬ともスパっと切れる脚を使えず、その隙に馬群を突いて鋭く伸びてきたのがレッドアネモスだった。コントラチェックカリビアンゴールドの間から一気の脚で差し切ると、そのまま3/4馬身抜け出して初の重賞タイトルを獲得。②着には大外からビーチサンバ、そして③着には後方のインで詰まる場面もあったスカーレットカラーが入り、少し前に「この中から勝ち馬が出そう」と思った3頭は④~⑥着。レースの上がり3ハロンは36秒0を要し、後方に待機した馬や、仕掛けがやや遅れた馬が上位を占める結果となった。

優勝したレッドアネモスは昨春、この距離でオープン(L)の白百合Sを制していたものの、重賞では掲示板外ばかり。今年も中山牝馬S福島牝馬S着、そして前走のマーメイドS着に敗れていた。さらに、2週前の中京記念を除外になり、目標を切り替えてのこの一戦。距離実績馬が多く揃った中では、11番人気という評価も妥当としか言いようがない。レース自体も、距離損なく内を回しながら大きな不利を受けることなく抜けてきており、恵まれた部分があったのは確かだろう。

ただ、ゴール前の鋭い末脚を見ると、単に「恵まれた」と片付けてしまうのもどうかと思えてくる。これまでの3勝を見ると、新馬戦ではマイネルサーパス(オープン2勝)を、続くサフラン賞では今回3番人気のコントラチェックを下し、白百合Sではモズベッロ(日経新春杯①着、宝塚記念③着)に競り勝っていた。そして今回はビーチサンバスカーレットカラーという実績馬の追い込みを封じての優勝。勝ち負けに絡みさえすれば、少々強い相手にも引けを取らない走りを見せる、とも考えられる。

問題は次、どこでその勝ち負けに絡むのか。過去3勝は逃げ・先行で今回は差し。それ以外の9戦は馬券圏外という結果だけに、適性がどこにあるのかはなかなか判断しづらい。そこをいち早く見抜けた人が、穴馬券にありつけるということになりそうだ。


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