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速攻レースインプレッション

腹をくくって後方待機、鮮やかな差し切りで重賞2勝目

文/浅田知広


今年からひとつ繰り下がり、サマーマイルシリーズの「第3戦」となった関屋記念。とはいえ、ひとつ目に追加された米子Sは以前から行われていたレース。大勢には影響ないような気がするが、調べておくに越したことはない。そこでまずは、同年の米子S出走馬が関屋記念に年平均何頭出走しているか、シリーズに組み込まれた今年はどうか、などと探ろうとしたのだが。

中京記念がマイル戦になった(サマーマイルシリーズがはじまった)2012年以降の米子S出走馬は、同年の関屋記念[0.0.0.17]えぇ……。今年はミッキーブリランテプロディガルサン、そしてミラアイトーンと穴っぽい3頭、果たしてどうなるか。

一方、上位人気に推されたのは、サマーマイルシリーズ以外から駒を進めた馬たちだった。1番人気のアンドラステは7戦4勝。重賞初挑戦の前走エプソムCで④着と初めて馬券圏外敗退を喫したが、不良馬場の中で大外から1頭目を引く脚を使っていた。

続く2番人気は一昨年、3歳時にこのレースを勝っているプリモシーン。そして3番人気にはグルーヴィット。この3頭が単勝4~5倍台で競り、以下、サトノアーサークリノガウディーまでが10倍未満で混戦模様だ。

長い向正面での先行争い、どの馬も積極的に逃げようという感じではなかったが、少しだけ押してじんわりと先頭に立ったのが大外18番トロワゼトワルミラアイトーンが2番手につけ、好位にクリノガウディーアンドラステグルーヴィットなど。中団にプリモシーンあたりが続き、後方をミッキーブリランテサトノアーサーなどが追走した。

前半の600m通過は34秒6で、トロワゼトワルの逃げとしては速くないペース。それゆえ後方まであまり差のない展開になったが、3コーナーあたりからじわじわと後続を引き離していき、3~4馬身のリードをとって直線へと向かった。

後続は横にずらっと広がっての追い比べ。まずは2番手につけていたミラアイトーンがじわじわとトロワゼトワルに迫ったが、残り300mを切るとほぼ同じ脚色に。この時点では、これはトロワゼトワルがそのまま逃げ切るかという態勢だった。

しかし、それを許さなかったのが大外のサトノアーサーだ。差し馬勢にあまり伸びが見られない中、この馬は戸崎騎手の左ムチに応えて力強い末脚を披露。残り100mあたりでもまだ(カメラの角度もあって)トロワゼトワル逃げ切りかとも思えたが、これをズバッと差し切ると、最後は1馬身4分の1の差をつけ、一昨年のエプソムC以来となる重賞2勝目を手中にしたのだ。

サトノアーサーはデビュー以来、日本ダービー⑩着、菊花賞⑪着の2戦以外はすべて3番人気以内で、負けても0秒6差以内に収めてはいたが、一昨年のエプソムC優勝後は[0.2.2.4]。今回、G1以外では初めて4番人気以下に落ち、それに奮起して……と言いたくなるような鮮やかな差し切り勝ちだった。

おおむね中団からレースを運んでいた馬だが、今回は道中17番手。3歳時に8頭立ての毎日杯(②着)で8番手はあったものの、多頭数のほぼシンガリからというのは今回が初めてのことだった。ゲートでは3頭出遅れた中でも半馬身ほど遅れをとった最後方。そのまま腹をくくって後方で脚を溜めたことが、新たな面を引き出すことに繋がった、と言って良いだろうか。次走、意図的に後方に控えたらどんな競馬になるのかも見てみたいところだ。

そして②着に粘ったトロワゼトワル。昨年、京成杯AHを逃げ切った印象はまだ色あせていないが、その後の4戦は⑯⑮④⑰着。唯一好走したのがG1のヴィクトリアマイルと、なんとも評価が難しい。ただ、今回の好走で、京成杯AH連覇の可能性がぐっと高まってきたのは確かだ。

そして③着には1番人気のアンドラステが入り、これに同タイムで続いたのが、④着ミッキーブリランテ(9番人気)、⑤着ミラアイトーン(10番人気)と、人気を上回る好走を見せた米子S出走馬だった。それでも(13番人気⑩着のプロディガルサンも含め)、来年の関屋記念は「2012年以降、同年の米子S出走馬は[0.0.0.20]」というデータになる。果たしてこれは、来年買っていいのかいけないのか、人気薄なら買いたくなるところだが……、いや、また来年考えよう。


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