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速攻レースインプレッション

長岡騎手の落ち着いた好騎乗で、見事な重賞初制覇

文/編集部(T)


変則開催により、今年夏の小倉は4週にギュッと短縮されて行われることになった。だからなのか、今年の芝は例年通り、いや例年以上?と思わせるほどの高速馬場に。土曜4R(障害2860m、直線芝)と日曜1R(2歳未勝利戦、芝1200m)でレコードタイムが樹立された。

今年、小倉でレースが行われるのはこの開催で最後。それだけに、馬場造園課の皆さんも“渾身の仕上げ"を施してきた感がある。

そもそも小倉記念過去10年で3回レコードタイムが記録されていて、最新は18年トリオンフ1分56秒9。今年はこのタイムを更新できるのかどうか、注目ポイントのひとつとなった。

そこで出走馬を見渡すと、14頭のうち、重賞勝ちがある馬が5頭。夏のハンデG3としてはなかなかの実績馬が集まったようにも見えるが、その重賞勝ち馬5頭のうち、4頭が前走で⑨着以下に敗れている。実績をとるか状態をとるか、文字通り混戦模様だ。

それはハンデにも表れていて、トップハンデ57kgは重賞3勝の実績があるロードクエストで、それは仕方のないところだが、昨年の菊花賞②着馬サトノルークス56kgはいかにも恵量。逆に前走で3勝クラスを勝ったばかりの牝馬ランブリングアレー53kgで、こちらはやや見込まれた印象を受けた。

そんな中で気になったのは、前走が3勝クラスで掲示板外に敗れているアールスターショウナンバルディ53kgだったこと。格上挑戦の2頭にこの評価は、思ったより重いようにも感じるが、さて。

レースは注文通り、出ムチを入れてミスディレクションがハナに立ち、2番手にタニノフランケルが付ける。ミスディレクションは終始外から被せられながらの逃げで、前半1000m通過が58秒1。レコード決着となった18年のそれが60秒0だから、なかなか速い。

さらに前にとって厳しくなったのは、3コーナーで早くもレースが動いたこと。口火を切ったのは西村淳騎手騎乗のロードクエストで、道中は後ろ寄りの追走から3コーナーでマクリ気味に進出。その内にいたランブリングアレーも、連れて動かざるを得ない形になる。

こうなると、いくら高速馬場でも前にいた馬は厳しいランブリングアレーは直線半ばまで先頭で粘っていたが、そこから後方待機組が殺到し、最内を突いたアールスターが突き抜ける結果になった。

勝ち時計はレコードに0秒6及ばない1分57秒5。前半がハイペースだったことを考えると、それだけ上がりがかかる展開になったということだろう。それにしても、格上挑戦ながらアールスターに53kgを付けたハンデキャッパーの方は、さすがとしか言いようがない。

快勝したアールスターも見事なら、勝負所で他馬が動いた時に落ち着いて脚を溜めていた、長岡騎手の好騎乗も光った。ここで慌てて動いていたら、後方から差し込んできた②着サトノガーネット、③着アウトライアーズに交わされても不思議なかっただろう。これがJRA重賞初制覇とは思えないほど、落ち着いた騎乗だった。

長岡騎手杉山厩舎といえば、アールスターの他にケイティブレイブとのコンビが思い浮かぶが、この2頭は長岡騎手が調教から騎乗している点で共通する。調教で騎手が乗ってもレースは別というケースが多い中、今時こういうコンビは珍しい。

実際、アールスターだけでなく、ケイティブレイブは今年のフェブラリーSでシンガリ人気ながら②着に激走するなど、結果も残している。もともと美浦でデビューしたが、怪我もあって乗り鞍が減った時期があり、昨年5月に栗東に移籍した“苦労人"長岡騎手。この重賞制覇を機に飛躍を遂げられるか、今後もこのコンビに注目したい。


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