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速攻レースインプレッション

1番人気より2番人気のほうが有利というデータ通りだった

文/出川塁


「夏競馬最大のレース」とは使い古されたフレーズではあるが、札幌記念に対してはこれを言わないとしっくりこない枕詞のようなものではあるだろう。今年の登録メンバー構成には例年よりやや小粒な印象もあったとはいえ、それでもG1馬4頭がエントリー。ただし、2016年のダービー馬マカヒキは追い切り後の体調が万全ではないとして回避し、実際にゲートインしたのはラッキーライラックノームコアペルシアンナイトの3頭となった。

もちろん人気を集めたのもG1馬。最終的な単勝オッズは1番人気のラッキーライラックが1.9倍で、2番人気のノームコアは3.7倍。3番人気のポンデザールは8.9倍だから、G1牝馬2頭による二強というのがファンの見立て。もう1頭のG1馬であるペルシアンナイトは、今年に入ってからの着順が振るわないこともあって6番人気にとどまった。

そこで「1番人気が1.9倍以上」「2番人気が3.7倍以下」「3番人気が8.9倍以上」というレースのデータを調べてみた(集計対象は19年1月5日~20年8月15日の平地戦)。出てきたデータはなかなか興味深い。1番人気の成績は[20.20.13.29]、勝率24.4%、複勝率64.6%、単勝回収率53%、複勝回収率77%とあまりよくない。対して2番人気は[27.14.15.26]、勝率32.9%、複勝率68.3%、単勝回収率92%、複勝回収率91%と、明らかに1番人気を上回る数値を収めている。

このデータから判断する限り、今年の札幌記念のようなオッズ分布になった二強戦においては、1番人気より2番人気のほうが有利と考えられる。

3番人気以下についても触れておくと、3番人気の勝率8.5%、単勝回収率85%はまずまずだが、4番人気の勝率3.7%、単勝回収率39%、5番人気の単勝回収率54%は冴えない。ところが、その下の6~10番人気は軒並み水準以上の数値を残しており、特に6番人気は勝率8.5%、単勝回収率162%と抜群。つまり、二強戦ではこのあたりの人気に過小評価された馬が潜んでいる可能性がある。

これを結果と照らし合わせるとけっこう納得できる。1番人気より2番人気のほうが強く(1番人気のラッキーライラックは③着に敗れ、2番人気のノームコアが①着)、6~10番人気に過小評価された馬が潜んでいた(6番人気のペルシアンナイトが②着)。

というと、うまいこと説明がついてしまった気になってしまうが、当然ながら競馬は数字が走っているわけではない。ノームコアが勝った理由、ペルシアンナイトが下馬評を覆した理由、ラッキーライラックが③着に終わった理由については、また別に考えなくてはならない。

ノームコアペルシアンナイトに関しては、やっぱり血統は外せないところで、父ハービンジャーは昨年のブラストワンピースに続く連覇。父デインヒル系というくくりでも、これで[4.2.2.6]となった(G2に昇格した97年以降)。両馬とも勝ったG1はマイル戦だが、ノームコア紫苑Sを圧勝し、ペルシアンナイト皐月賞大阪杯で②着だから、本来コーナー4つの2000m戦は得意の舞台と言える。

また、ノームコアにとっては横山典弘騎手で主戦が固定したのも大きい。というのも、昨年までは鞍上の関係もあってか、紫苑Sを勝ったのにエリザベス女王杯に直行するなど昨年までは「?」というレース選択が見られたからだ。個人的にはエリザベス女王杯で半妹クロノジェネシスとの激突を見たいところだが、果たしてどういう選択になるだろうか。

もちろん、今回は後塵を拝したラッキーライラックも黙ってはいないはず。戦前から指摘する声もあった通り、やはりこの馬は叩き良化型。とすると、連覇が懸かるエリザベス女王杯に向けては京都大賞典府中牝馬Sあたりを挟むことになるのか。野次馬的な興味ではあるが、有力馬のローテーションを想像するのは楽しいものである。


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