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速攻レースインプレッション

ローズSは驚きの先に完勝あり、では本番は!?

文/編集部(W)


8月末、1957年のミスオンワード以来、63年ぶりとなる無敗での桜花賞オークス二冠制覇を成し遂げたデアリングタクトは前哨戦を挟まず、オークスから秋華賞に直行するというプランが発表された。思い返せば一昨年のアーモンドアイも昨年のクロノジェネシスもオークスから直行で秋華賞を制していたわけで、異例どころかもはや必勝ローテとなりつつもあり、驚きは少ない。

逆に、ローズSよりひと足先に行われた紫苑Sは春の実績組のマルターズディオサオークス⑩着から変わり身を見せて勝利し、過去10年のローズSオークスからの直行馬が8勝と強さを見せていたことから、1番人気はてっきりオークス直行馬のうちの1頭と思い込んでいたら…前日最終オッズで2番人気に付けていたオークス不出走馬のフアナが逆転で1番人気に。これはかなりいた。

フアナフローラSで①着ウインマリリン(オークス②着)と0秒1差の③着。外枠(8枠16番)で出遅れたロスを考えると内容的には勝ちに等しい。対戦比較からいえばオークス組に割って入れるだけの実力があり、ルメール騎手騎乗となれば人気を集めるのも納得だが。

とはいえ、フアナのオッズは4.2倍で、2番人気クラヴァシュドールは4.8倍、3番人気リアアメリアは5.1倍、4番人気デゼルは5.7倍、5番人気リリーピュアハートは6.2倍と差がなく続いていたから、ファン迷いもオッズに如実に表れていた。

ただ、過去10年の1番人気は、前走がオークスだと④①①①②①⑥①着なのに対し、前走がオークス以外だと⑥⑥着。果たしてフアナは期待に応えられるのかどうか。一抹の不安を覚えつつレースの発走を迎えることに。

スタートはチャイカが躓き、デゼルアカイイトオーマイダーリンあたりも出遅れ。前に目を向けると外のエレナアヴァンティが内のヤマニンプティパを制してハナへ。その先行争いに加わったのがなんとリアアメリアで、1コーナーで早くも2番手を確保。これは少しいた。

ローズSの『メインレースの考え方』ではリアアメリアについて、「掲示板に載った3戦はいずれも直線で外を回っている。16頭立て以上は⑥⑩④着でもあり、18頭立ての最内枠というのは乗り難しそうだが、今回も直線で外を回るのか、それとも馬群を捌くのか」と記したが、この先行策も頭の隅にはあった。

川田騎手&中内田厩舎のコンビと言えばダノンファンタジーもいるが、追い込みを決めた阪神JFの次走、最内枠に入ったチューリップ賞では好位抜け出しで勝利。本番と同じO型コースの芝2000mのトライアル戦で最内枠に入ったのなら、脚質を変えるチャレンジもあり得る気がしたから。それでも、スタートが遅いリアアメリアでそれが実践できるとは思えなかったが、川田騎手「中間もこういう競馬をしようと考えながら調整していましたし、その通りの走りができました」とレース後に話していたから、入念に準備していたのだろう。

向正面で隊列の変動はなく、テレビ画面に表示された1000m通過タイムは60秒9。距離不安のあるエレナアヴァンティの逃げとすれば妥当なスローペースで、それを2番手で蓋をしたリアアメリア&川田騎手は4角手前で動いてエレナアヴァンティを交わして先頭に立ち、残り400~200mの地点で11秒3を計時して後続を突き放して勝負あり。ラスト200mも11秒6でまとめ、2馬身差を付けて完勝した。

川田騎手の言葉を借りれば、これが「この馬本来の走り」であり、「中間は丁寧に調教を重ねて本来の能力を出せるように日々を過ごしてきました」という調整が実を結んだ結果と言える。「二冠牝馬のデアリングタクトに挑戦できる器だと思います」とデビューから手綱を取る川田騎手も認める素質馬が打倒デアリングタクトを狙うグループの中で頭ひとつ抜けた格好だろう。

一方、②③着はムジカ(14番人気)、オーマイダーリン(11番人気)で、伏兵2頭の台頭を許した他の上位人気馬では、デゼルが出遅れながらもメンバー中最速の上がり33秒8で大外から④着まで追い上げて気を吐いたものの、クラヴァシュドールは⑤着(2番人気)、リリーピュアハートは⑥着(5番人気)、フアナ(1番人気)は⑪着と人気を下回る着順に敗れた点には物足りなさも残る。

過去、ローズS④着以下から巻き返して秋華賞を制したのは2003年スティルインラブ、2008年ブラックエンブレム、2010年アパパネ、2013年メイショウマンボだが、4頭のうち2頭(スティルインラブ、アパパネ)は牝馬三冠馬、残り2頭のうち1頭はオークス馬(メイショウマンボ)だから、それなりの実績が求められる感じ。

いずれにしても、秋華賞は史上初となる無敗での牝馬三冠制覇を狙うデアリングタクトの1強ムードで迎えることになるはず。「競馬は何が起きるか分からない」というのは競馬の世界でよく言われるフレーズで、秋華賞ではそれを実感するような驚きが起きても不思議ないが…個人的には歴史的快挙を期待しながら本番を待ちたいと思う。


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