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速攻レースインプレッション

時計のかかる馬場への適性を見せた

文/編集部(M)


「メインレースの考え方」で『3歳秋で体が増えていることは当然で、今年も休養効果のある馬を狙うべきだろう。』と記したが、それは今年のメンバーのほとんどが休み明けだったこと(12頭中11頭が前走から2ヶ月以上開いていた)と、近年の優勝馬の多くがプラス体重だったことに起因している。

近10年の優勝馬のうち8頭は前走比でプラス体重(プラス4~12kg)での出走で、その8頭はいずれも前走から2ヶ月以上開いていた。残りの2頭は前走比マイナス2kgで、その2頭は中1~7週での臨戦だった。

今年のメンバー中、唯一、休み明けではなかったマイネルソラス(中7週)はマイナス4kg(462kg)での出走で、これは不思議ではなかったが、他にもマイナス体重の馬が複数いたので驚いた。1番人気だったサトノフラッグがマイナス2kg(486kg)、3番人気だったフィリオアレグロがマイナス8kg(474kg)、5番人気だったヴァルコスがマイナス2kg(496kg)だった。

馬体重が成長度合いのすべてを物語っているわけではないのだろうが、現に休み明けでプラス体重だった馬が多く勝っていたレースだけに、マイナス体重での登場は気になった。

過去30年のセントライト記念での1番人気は、プラス体重以外だと[1.4.1.5]で、勝利したのは中1週でマイナス12kg(486kg)だった2004年のコスモバルクだけだったから、1番人気だったサトノフラッグがマイナス2kg(486kg)と知った時は「黄色信号が灯った」との印象を受けた。

そのサトノフラッグは中団を追走し、外を回って進出して良い脚で伸びてきたが、坂を登ってから他馬と同じ脚色になり、②着に敗れた。最後に伸びが止まったところがいかにも休み明けだったと言うことができそうな反面、走破時計や上がりタイムが遅かったので、評価が難しい面も残された気がしている。

優勝したバビットはマイペースで運び、中山の急坂も苦にせず押し切ったわけだが、良馬場ながら決着時計が2分15秒0もかかった。1000m通過が62秒6というスローペースだったことも影響したのだろうが、上がり3Fも37秒0と遅かったので、単なるスローペースだったとも言いづらい。

過去10年のセントライト記念で、決着時計が2分14秒0以上となったのは稍重馬場だった2008年(2分14秒6・優勝馬ダイワワイルドボア)だけで、2分15秒0以上の決着時計は重馬場だった2000年(2分16秒9・優勝馬アドマイヤボス)以来になる。良馬場の時に限れば、なんと1997年(2分16秒9・優勝馬シャコーテスコ)以来で、20年以上前にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。

ちなみに、昨年のセントライト記念はリオンリオンが先行して押し切ったが、重馬場ながら勝ち時計は2分11秒5だった。馬場状態の発表だけでは対処しきれない時代なので、予想をする側はペース時計上位に好走している血統などをよくチェックして、対応していくしかないのだろう。

バビットはラジオNIKKEI賞以来の2ヶ月半ぶりで、馬体重はプラス8kg(462kg)だった。過去最多体重だったから、休養効果あり、との見立てができたが、その反面、462kgという体自体が小さすぎるのでは?とも思ってしまった。というのも、過去10年のセントライト記念では468kg以下の馬が[0.4.2.44]と未勝利だったからだ。結果的に、バビットはこれを覆したことになる。

馬体重が468kg以下でセントライト記念を制したのは、何以来になるのか、調べてみたら、驚いた。2009年に452kgで勝利したナカヤマフェスタ以来で、バビットの父だった。小柄でも問題ないのは、この血の成せる業だったか。

ナカヤマフェスタはご存知の通り、稍重馬場だった2010年の宝塚記念を勝利し、道悪馬場だった同年の凱旋門賞で僅差の②着に入った馬だ。バビットの母父タイキシャトルもご存知の通り、不良馬場だった1998年安田記念を勝ち、道悪馬場だった同年のジャック・ル・マロワ賞を制した馬。バビットは小柄な体型をどうこう言う前に、良馬場でも時計がかかる馬場に適性があることをもっと評価すべきだったのだろう。

ナカヤマフェスタがセントライト記念で優勝した時は、前走がダービー(④着)で、斤量が1kg減(57kg→56kg)だった。バビットは53kg→56kgという3kg増で、前走から斤量が3kg以上増えていながら優勝したのは、1995年のサンデーウェル(53kg→56kg)以来のことだった。これまた20年以上前の話で、今年はいろいろと驚かされる結果になった。


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