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速攻レースインプレッション

展開を味方に付け、5歳にして待望の重賞初制覇

文/編集部(T)


当初出走を予定していたG1・3勝馬フィエールマンが熱発のために出走を回避し、今年のオールカマー9頭立てで、G1勝ち馬が不在というメンバー構成になった。

オールカマーは秋G1の前哨戦的位置づけのレースだが、京都大賞典毎日王冠などに比べてもやや地味な印象。古い話で恐縮だが、90年代にはビワハヤヒデヒシアマゾンサクラローレルメジロドーベルといった名馬が制しているレースと考えると寂しいが……G1直行のローテーションが当たり前の現在、これも時代の流れか。

それはともかく、今年はG1馬こそ不在でもなかなかのメンバーが揃った。重賞未勝利ながら、昨年のG1で②着3回のカレンブーケドール、重賞3勝馬で、前走の天皇賞・春で③着に好走したミッキースワロー重賞2勝馬クレッシェンドラヴ、重賞1勝馬だが、過去に重賞での馬券圏内が11回あるステイフーリッシュといった面々が顔を揃えた。

カレンブーケドールステイフーリッシュのように、良く言えば“安定感がある"、悪く言えば“勝ち味に遅い"馬は、メンバーが強くても弱くても突き抜けられないケースが多いが、さて今回はどうか?

レースはジェネラーレウーノがスッとハナに立つと、ステイフーリッシュは2番手に控えて隊列がすんなりと決まる。9頭立てで先行争いがないとペースは上がりづらいもので、果たして前半1000m通過は64秒3というスローペースになった。

このまま進めば前残りの可能性が高まったのだろうが、そうはさせじと動いたのが、中団に控えていた1番人気ミッキースワロー横山典騎手。向正面でジワッと進出して、前にいたカレンブーケドールを文字通り“つつく"と、交わされたくないカレンブーケドールが玉突きのように動いて先頭に並びかける。この時点でペースが一気に上がり、結果的にここの動きが勝敗に大きく影響したのだろう。

それでも粘るジェネラーレウーノに対し、4コーナーを回るところでカレンブーケドールが先んじたが、その時点で中団まで押し上げていたセンテリュオが大外に持ち出すと、上がり34秒5の末脚で粘るカレンブーケドールをハナ差交わしてゴールに飛び込んだ。

勝ったセンテリュオはここが重賞初制覇となったが、4歳以降は重賞で6戦して5回掲示板に入る堅実さを見せていた。②着カレンブーケドール、③着ステイフーリッシュと同じようなキャラで、“良く言えば堅実組"の中で突き抜けられたのは、中山の外回りコースのような末脚の持続力を求められるコースが嵌まった面があるのだろう。

センテリュオはこの勝利によって芝2200mで②①②④①着として、唯一④着に敗れたのが昨年のエリザベス女王杯。その全兄は国内で重賞を2勝した後に海を渡り、7歳でオーストラリアのG1を2勝したトーセンスターダムだ。一口クラブ所属の5歳牝馬ということで、残された現役期間はあまり長くないが、今年は昨年以上の結果を残す可能性は十分にあるだろう。

一方、②着に惜敗したカレンブーケドール。今春はドバイに遠征するも、開催そのものが中止になったことで半年ぶりの実戦となった。最後にひと踏ん張りが利かなかったのは、展開のアヤもあるだろうが、久々、しかも海外帰りが影響した可能性はありそう。まだ4歳で、重賞、G1を勝つチャンスはまだまだあるはず。“最強の2勝馬"の襲名はまだ早いだろう。

結果的に、今年のオールカマーディープインパクト牝馬のワンツーとなったが、前走でオールカマーを使われていたディープインパクト牝馬は、エリザベス女王杯で①①⑥着となっている。

G1直行のローテーションが普通になったとはいえ、02年以降のエリザベス女王杯は中8週以内での臨戦だった馬が18連勝中。同じ芝2200mということもあり、今後のオールカマーエリザベス女王杯の前哨戦として地位を高めていく……かもしれない?


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