独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

勝ちっぷりよりも勝ち切ったことを評価すべきだろう

文/編集部(M)


前走のジャパンダートダービーで⑦着に敗れたカフェファラオだったが、このシリウスSでも単勝1.7倍という圧倒的な支持を集めた。前走は初のナイター競馬(大井競馬場)だったし、中1週の臨戦で、内で砂を被った影響もあったと思われ、情状酌量の余地ありと見た人が多かったのだろう。

今回は約3ヶ月ぶりとなったが、過去3勝はデビュー戦と前走から2ヶ月以上開いた時に挙げていて、リフレッシュされた状態であることも評価を落とさなかった一因だったか。それでも、砂を被りかねない枠順を引いたら分からないぞ、と個人的には思っていたが、8枠15番という外枠を引き当て、これも人気を集める要因となったのだろう。

古馬混合のJRAダート重賞で3歳馬が単勝オッズ1倍台の1番人気に推されたのは、2018年チャンピオンズCのルヴァンスレーヴ(単勝1.9倍、①着)以来のことだった。今回のカフェファラオは単勝1.7倍で、これだけの低オッズの3歳馬が優勝したケースとなると、2001年JCダートのクロフネ(単勝1.7倍、①着)以来だった(対象は古馬混合のJRAダート重賞)。

もちろん単勝オッズは相手関係のこともあるので、同じように扱うことはできないのだろうが、今回の結果を受けて、カフェファラオ今後のダート界を制圧する逸材だと言いたくなるのも分かる気がする。日本におけるAmerican Pharoah産駒の人気上昇にも、また寄与しそうだ。

勝ち時計の1分57秒8(良)や、②着サクラアリュールと3/4馬身差だったことは、今後に評価が分かれるところだろう。というのも、良馬場の中京ダート1900mでこの勝ち時計は2番目に速いものだが、このコースでOPの競走は初めてだったし、2018年のインディアT(2勝クラス)でアイアンテーラーが1分57秒7(良)で逃げ切っているからだ(その時の③着はチュウワウィザード)。

勝ちっぷりが思ったほどではなく、本当に今後のダート界を牛耳るほどの逸材なのか? 少なくともベストは1600mなのではないか? という声を発する人もいそうだが、前走の敗北を払拭して勝ち切ったことを今回は評価すべきと思う。内を立ち回った②着サクラアリュールや③着エイコーンとは通ったところが違ったし、何より②着や③着ではなく、①着を掴んだことが今後に好影響するのではないかと感じた。

カフェファラオの父American Pharoahは、ご存知の通り、2015年の米国三冠馬で、3歳秋にBCクラシックも圧勝し、種牡馬入りした。父Pioneerof the Nileエンパイアメーカー産駒で、母父Yankee Gentlemanストームキャット産駒だから、血統的には強さを気難しさを兼備した印象を受ける。

American Pharoah自身は、三冠制覇の後、トラヴァーズSで②着に敗れ、その後にBCクラシックで優勝したが、血統表を見ていると、一度気持ちが切れると立て直すのに苦労しそうな可能性を感じていただけに(サラブレッドはみなそうかもしれないが)、ここで再び勝利を挙げたことで上昇気流が続くのではないかと思ったのだ。

キャリア5戦ということで、まだまだ課題があることも事実ではあるのだろう。前述した通り、勝利を挙げたのは間隔が開いた時で、重賞2勝はともに8枠だから、続けて使われた時や砂を被りやすい枠順となった時には懸念材料も残されている。ただ、気持ちが切れていなければ、その克服の可能性も高くなると思われる。

カフェファラオの能力からすると、今回のシリウスS勝ちは戦績的に特筆すべきものにはならない可能性があるが、後から見れば分岐点として小さくはない1勝となるのではないか。そんな気がする。


TOPページに戻る