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速攻レースインプレッション

次走がどこであれ、期待が大きく広がる復活の勝利となった

文/浅田知広、写真/森鷹史


優勝馬には天皇賞・秋への優先出走権が与えられるステップレース・京都大賞典。しかし、過去15年の京都大賞典出走馬のうち、同年の秋の天皇賞で③着以内に入った馬は、両レースを連勝したラブリーデイ1頭だけ。優先出走権の存在はさておき、ジャパンC有馬記念へ向けた一戦という位置づけで考えたいレースだ。

そんな京都大賞典、今年の出走馬は昨年に続いて大挙17頭。以前はまず少頭数が相場だったレースだが、2017年にも15頭立てで行われるなど、この4年で出走馬が一気に増えてきた。しかも、頭数が増えただけではなく中身も充実。昨年はJRA重賞連対実績馬17頭中14頭、そして今年は同13頭(③着以内なら15頭)を数えた。

このうちG1馬は、キセキ(菊花賞)とグローリーヴェイズ(海外・香港ヴァーズ)の2頭。前走はともに宝塚記念に出走しており、キセキクロノジェネシスにこそ6馬身離されたものの、③着モズベッロには5馬身の差をつける②着。一方のグローリーヴェイズドバイ国際競走の中止の影響が大きかったか、キセキから4秒3差(勝ち馬から5秒3差)も離れた⑰着。そんな内容もあって、キセキが単勝3.5倍で1番人気、グローリーヴェイズは6.2倍で3番人気となった。

この2頭の間に割って入ったのが、前走の目黒記念まで4連勝中のキングオブコージ(5.2倍)だ。その目黒記念では重賞優勝実績馬6頭を下したが、「最近の実績」には欠ける馬が多かった上、ハンデも54キロ止まり。今回は別定57キロ、そして近走の実績にも不足ない馬が多く揃ったメンバー相手にどんな走りを見せられるのか、今後へ向けた試金石の一戦と言えた。

17頭立てのわりには揃ったスタートとなったが、やはりキセキは遅れてしまい後方から。その隣からダンビュライトが好ダッシュで先頭に立ち、2連勝中のカセドラルベルが2番手へ。グローリーヴェイズが好位の一角を占め、キングオブコージは後方集団から。そしてキセキが最後方でスタンド前を通過していった。

2コーナーにかかると馬群はかなりの縦長に。向正面に入り、1000mの通過タイムは60秒4(稍重)。この時点で先頭のダンビュライトからキセキまで、30馬身近くはあっただろうか。3コーナーの坂の頂上へと進むにつれ徐々にこの差が詰まっていくと同時に、キセキがやや掛かり気味に進出。3コーナー過ぎにキングオブコージを交わし、さらにグローリーヴェイズのあたりまて位置取りを上げ4コーナーを通過していった。

直線に入り、ラチ沿いではダンビュライトが先頭で粘り、そこに好位からステイフーリッシュが迫って残り300mを通過。ここに大外から襲いかかるキセキの脚が目を引いたが、そのキセキに並ばれてから、コーナーワークでもう一度前に出ていたのがグローリーヴェイズだった。

残り200mで内のダンビュライトステイフーリッシュを交わしてグローリーヴェイズが先頭へ。外のキセキはさすがに動き出しが早すぎたか、伸びてこそいるもののグローリーヴェイズを差し切るまでの勢いは見られなかった。最後はここにキングオブコージも加わって、人気上位3頭による①~③着。中では道中もっとも前にいたグローリーヴェイズが、キセキキングオブコージを引き連れて先頭でゴール板を通過した。

前走・宝塚記念大敗から大きく巻き返してみせたグローリーヴェイズ。芝の平地で5秒3差も負けていた馬が次走で重賞を制した例なんてほかにあるのか、と調べてみれば、近年では2013年に府中牝馬Sを制したホエールキャプチャ(前走・札幌記念5秒4差⑭着)に次ぐ記録となるようだ。

昨秋は、この京都大賞典で1番人気を裏切る⑥着に敗退したあと、香港ヴァーズでG1制覇。特になにもなければ連覇を……という期待がかかるところだが、残念ながら「特になにもない」なんてことは望めないのが今の世界。グローリーヴェイズ自身はこれで芝2400m4戦3勝、国内ならやはりジャパンCが大本線になるだろうか。どこに出走するにせよ、期待が大きく広がる復活の勝利となったのは間違いない。

一方、引き続き「ゲート」という課題を抱えることになったのが②着のキセキ。一昨年の天皇賞・秋③着、昨年の大阪杯②着という2000m実績もあるが、現状では2400m、2500mだろう。そして、G1級相手の別定戦で上々の結果を出した③着キングオブコージ。こちらは優勝した目黒記念と同コースのアルゼンチン共和国杯もあり、ジャパンCもあり。いずれにせよ、京都大賞典は今年の上位馬もやはり天皇賞・秋よりは、ジャパンC有馬記念ということになりそうだ。


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