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速攻レースインプレッション

“3歳馬侮るべからず”をここで証明

文/編集部(T)


今週末は台風直撃が心配されたが、幸いなことに進路が逸れて、競馬は3場ともに順延なく行われることに。とはいえ直前まで接近していた台風の影響は小さくなく、土曜の東京、京都は雨の中での開催。特に東京は芝、ダートともに終日不良馬場で行われていた。

土曜がそんな状態だったので、「日曜の東京は回復しても重馬場くらいか……」と思っていたら、レースが始まる前に重馬場になった馬場は、曇り空の中でも昼過ぎには稍重まで回復。雨が降るたびに思うことだが、日本の馬場技術の高さには本当に驚かされる。

そんな状態で迎えた、今年の毎日王冠ダービー②着のサリオスが圧倒的1番人気、同④着のサトノインプレッサが続き、ともに休み明けの3歳馬が上位人気に。サリオスは過去3勝が良馬場で、道悪は稍重だった皐月賞②着だけ。一方のサトノインプレッサは過去3勝が稍重~重馬場で、良馬場はG1ではあるが⑬④着だった。

同じ3歳でも性格が違うこの2頭、重馬場くらいならサトノインプレッサにも逆転の目が……と思いきや、思った以上に馬場が回復したことで、いよいよサリオスに死角なしか、といった雰囲気。最終的に、単勝1.3倍という圧倒的人気を集めてレースを迎えることになった。

レースは最内枠のコントラチェックが先導するかと思わせたが、これを制してトーラスジェミニが押して押してハナに立つ。序盤から2頭が飛ばしたことで前半1000m通過が58秒0となり、稍重馬場ながら過去10年でも2番目に速いペースに。

そんな中、サリオスは前から離れた4番手で折り合いを付け、直線を向いてノーステッキのまま前に接近。抜け出す時にムチが飛ぶと一気に後続を突き放し、3馬身差でゴールを駆け抜けた。一方のサトノインプレッサは出遅れ、終始流れに乗れず⑩着に敗れた。

終わってみれば1分45秒5での決着で、良馬場で1分44秒台だった近2年ほどではないが、3年前にリアルスティールが勝った時(1分45秒6、良)よりも速い時計になった。

今年の3歳世代はこのレースまで古馬混合の芝重賞を勝てておらず、そのレベルを疑問視する声もあった。実際、今回のサリオス斤量54kgでもあり、G1級のメンバーに入ってどうかは未知数ではある。ただ、少なくともこの時計と勝ちっぷりは評価できるもので、サリオス自身は古馬の中に入っても十分戦えることは証明した。

ちなみに、過去10年の毎日王冠で、4角4番手以内から勝った馬は12年カレンブラックヒル、13年エイシンフラッシュ、15年エイシンヒカリ、18年アエロリットのG1馬4頭。勝ち方もまた、力の証明になりそうだ。

改めてメンバーを見渡すと、G1勝ち実績があるのはサリオスだけで、G2勝ちがあるのはカデナ(④着)だが、それも3歳時の弥生賞。今回のメンバーの中では、実績的にも、これから目指すものも違っていたのだろう。

サリオス自身のレースを見直すと、直線半ばの時点では少し反応が鈍いように見えたが、エンジンがかかってから重戦車のような感じで伸びてきた。このあたりは、父ハーツクライ×母サロミナドイツオークス馬で、その父がニジンスキー系ということを考えると納得がいく。パワーがある血統で、末脚の持続力があることを考えると、いずれは海外でのレースも見てみたくなる

そうなると、今後が気になるところ。毎日王冠天皇賞・秋マイルCSの前哨戦に位置づけられているレースで、近5年の勝ち馬はいずれも次走でどちらかに出走している。春シーズンのサリオスは結果的に皐月賞ダービーというクラシック路線を歩んだが、一時はNHKマイルCへの参戦も噂されたほど。モーリスで両方を制している堀師をはじめ、陣営がどういう選択をするか、注目したい。


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