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速攻レースインプレッション

ルメール騎手が見せた序盤のレース運びが、勝負を決めた

文/編集部(T)


フルゲートとなる18頭の出走頭数を集め、トップハンデを課されたのが58kgのユーキャンスマイル、続いて57kgのエアウィンザーとなった。

ユーキャンスマイルは今年の阪神大賞典(G2)を勝った馬だが、G1は③⑤④⑤④着ともう一歩の成績。それで58kgにもかかわらず1番人気に推されたというのは、G1勝ち馬が不在で、古馬G2を勝っているのが本馬だけというメンバー構成ということを踏まえ、実績に期待したファンが多かった面もあるだろう。

ただ、“古馬G2勝ち馬"はユーキャンスマイルだけでも、3歳G2勝ち馬は2頭いた。そのうちの1頭がオーソリティ(もう1頭は昨年の弥生賞勝ち馬メイショウテンゲン)で、今年の青葉賞を快勝した直後に骨折が判明してダービーを断念、ここが復帰緒戦となった。

オーソリティは昨年のホープフルSでスタート直後に挟まれる不利がありながら、勝ったコントレイルから0秒8差の⑤着。3歳トップクラスの力は認めても、骨折明け半年ぶり、さらに8枠18番。いくらルメール騎手でも……ということで、3番人気にとどまったのは仕方のないところだろうか。

そしてレース。17番人気ミュゼエイリアンが後続を離しての逃げを打ち、8番人気オセアグレイトが離れた2番手。オーソリティは大外枠からスタートを決め、ホームストレッチで馬場の良いところを走って前に付け、2コーナーを回るところで3番手の内ラチ沿いに入れた。

この一連の動き、可能なら見直していただきたい。一見すると地味だが、大外枠の不利を可能な限りリカバーする序盤のレース運びは、さすがルメール騎手、としか言いようがない。結果的に、この位置をスムーズに取り切ったことである程度勝負がついた、と言っても過言ではないだろう。

オーソリティにしてみると、伏兵の2頭を前に置いた3番手という絶好の位置を取ったら、後はスムーズに運ぶだけ。前半900m通過が53秒7で、昨年(55秒9)と比べて2秒2速いペースを楽に追走し、ノーステッキのままで抜け出すと、最後まで脚色が衰えず、悠々とゴールを駆け抜けてみせた。

勝ったオーソリティ、②着に差し込んだラストドラフトは、ともに重賞勝ちの実績がありながら、オーソリティは54kgラストドラフトは56kgとハンデが手頃。さらに、オーソリティは祖母シーザリオラストドラフトは母マルセリーナで、ともにクラシック勝ち馬を牝系に持つという共通点があった。そのあたりに注目して馬券を獲った、という方もいらっしゃるかもしれない。

近年のアルゼンチン共和国杯はG1に繋がるケースが多く、過去10年では10年トーセンジョーダン、15年ゴールドアクター、16年シュヴァルグラン、17年スワーヴリチャードがこのレースを勝った後にG1を制している。また、3歳でこのレースを勝ったというのはスワーヴリチャードと共通するし、母ロザリンドエピファネイアの全妹。回りくどい言い方をしたが、つまりはオーソリティも、いずれはジャパンCでの走りを見たい、ということだ。

今年でなくても、スワーヴリチャードジャパンCを勝ったのは5歳エピファネイア4歳だった。父オルフェーヴル×母父シンボリクリスエスということを考えても、成長力は十分秘めているはず。

今夏以降、3歳勢が古馬重賞を制したのは、カフェファラオ(シリウスS)、サリオス(毎日王冠)に次いで3頭目。ともすればコントレイルサリオスだけ、という評価をされがちだった3歳勢も、ここに来て結果を出し始めている。一頓挫あった“第三の男"がコントレイルのライバルとして立ちはだかる可能性も、十分にありそうだ。


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