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速攻レースインプレッション

ドゥラメンテ軍団を一蹴、父にとっても大きな重賞勝ちに

文/出川塁


過去10年(2010~19年)の東京スポーツ杯2歳Sで主役を演じてきたのがディープインパクト産駒たちである。全部で22頭が出走して[3.3.4.12]と、馬券圏内の3分の1を占めてきた。なにより、1番人気に推されることは実に7回を数え、勝った11年のディープブリランテ、17年のワグネリアン、19年のコントレイルの3頭は、すべてのちにダービー馬となっている。

この実績が示す通り、勝ったディープインパクト産駒ダービー当確といっても過言ないのが東京スポーツ杯2歳Sというレースなのだが、今年は1週前登録で産駒の名前はなし。初年度産駒がデビューした2010年以降、毎年1頭は出走していたのだが、11年目にして途切れてしまった。

代わって、今年の東京スポーツ杯2歳Sで一大勢力を築いたのが、出走10頭中4頭を送り込んだ新種牡馬ドゥラメンテである。その4頭は2~5番人気と評価され、決して枯れ木も山の賑わいというわけでもない。

このドゥラメンテ5騎のうち、最上位の人気を集めたのが、7月新潟の新馬戦を3馬身差で快勝したドゥラヴェルデルメール騎手を鞍上に迎えたことからも期待のほどが伺えるが、今回は見せ場もなく着に終わった。1番枠スタートとはいえ、馬場の悪いインを避けて外に持ち出すような様子もなく、道中からあまり感触がよくなかったのかもしれない。あるいは、8キロ増で太め残りだったか。いずれにしても今回で2戦目の2歳馬。挽回の余地はいくらでも残されているだろう。

このドゥラヴェルデと逃げて⑧着のレインフロムヘヴン不本意な結果となってしまったが、残る2頭のドゥラメンテ産駒タイトルホルダーが②着、ジュンブルースカイが③着と好走を果たした。

②着のタイトルホルダーは離れた2番手で馬群を先導。この馬の直後でレースを進めた勝ち馬のちょうどいい目標にされた感があり、展開にはあまり恵まれなかったが、直線でもしっかり脚を伸ばした。半姉に小柄ながらも長距離戦で頑張るメロディーレーンがおり、こちらは470キロと馬格は十分。Mill Reefのクロスなど欧州系の血を活用した成長力を秘める配合で、名前通りに重賞タイトルを獲得する日を目指したい。

③着のジュンブルースカイは中団から追い上げて馬券圏内を確保した。競馬場や距離を問わず、必ず最後にいい脚を使って3戦とも好走を果たしている。ただ、今回で428キロと牡馬にしては小柄で、新馬戦と比べて12キロ減。反面、前走の萩S②着に続いて今回も賞金を上積みすることはできず、クラシックを目標とするうえでは痛い結果にはなってしまった。

これらのドゥラメンテ軍団を負かしたのが、1番人気のダノンザキッドである。今年6月、宝塚記念と同日の新馬戦を3馬身差で勝ち上がり、約5ヵ月ぶりとなった今回は24キロ増。前述のドゥラヴェルデと似たような戦績かつ臨戦だが、結果は明暗を大きく分けてしまった。

いずれもキャリア1戦で臨んだ人気2頭に違いあるとすれば、デビュー戦の相手だったかもしれない。ダノンザキッドの新馬戦②着馬は次走を8馬身差で圧勝し、③着馬も同じく2戦目で勝利。一方、ドゥラヴェルデの新馬戦②着以下から勝ち上がり馬はまだ1頭も出ていない。その違いはオッズにも反映されていたわけだが(ダノンザキッド1.7倍、ドゥラヴェルデ3.7倍)、実際にはそれ以上の差があったことを結果は示している。

このダノンザキッドジャスタウェイの産駒。種牡馬にとって谷間とされる3世代目にあたり、実際、先週までに勝ち上がったのはあと1頭だけと苦戦していただけに大きな重賞勝ちとなった。そして、母のエピックラヴにも触れておきたい。を含めて一部の血統好きから注目されている繁殖牝馬で、半兄のミッキーブリランテやオールザワールドもなかなかの活躍を見せているのだが、それでも配合内容からすれば物足りないぐらい。ようやく重賞勝ち馬が出たことで嬉しく思っている次第である。

ちなみに、母エピックラヴの1歳馬の父は、兄が産駒をまとめて負かしたドゥラメンテ。競馬では特に珍しいことでもないが、元は敵同士だったのが意気投合して仲間としてともに戦うジャンプ漫画のような感じで、なんだか微笑ましい気持ちになったのだった。


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